■「学イン」が求められる社会背景と活動について
様々な社会の単位において課題を解決し、「より良い未来」を実現していくためには、これまでの個社単位の経営最適化のパラダイムを超え、セクターを超えた対話をベースに、共感する目的および、目的を実現するための繋がったソリューション(新産業)の仮説を共創し、それを構築していく活動(プロジェクト)が求められています。その活動の中心となるのは、「インタープレナー」。組織の壁を越えて対話し、新しい目的やそれを実現するためのエコシステム仮説の共創を行い、それぞれが動かせるアセットを動かしながらその実現に取り組んでいく自律した社会人のことです。多様な社会の単位が求める目的の実現に向けて活躍していく存在、新しい時代のイノベーション・モデルにおける主役となる存在として、日本のみならずグローバルの有識者からも注目されているコンセプトです。
2019年の「新産業共創スタジオ」のローンチ以降、SUNDREDはアカデミアの知見とプロジェクトでの実践を通じて開発した「新産業共創プロセス」をベースに新産業の共創に取り組んできました。約12個の新産業共創プロジェクトを組成し、トリガー事業会社を創出。年間50回以上のワークショップに延べ1万人以上の多様なセクターのインタープレナーが参画し、共創の対話を行い、新産業共創プロジェクトを組成・推進していく唯一のプラットフォームとなっています。
SUNDREDが運営するインタープレナー・コミュニティには、約1500名を超えるインタープレナーたちが集い、また、コミュニティ・パートナーである一般社団法人 病院マーケティングサミットJAPANと共同で医療従事者のコミュニティ「医ンプレ部」を立ち上げるなど、産業界以外のセクターにおけるインタープレナーの覚醒・組織化に向けた活動も行ってきました。
今回、様々な知識を持つ学術系インタープレナーのコミュニティ「学イン」をスタートし、インタープレナーシップを持った研究者同士の専門を超えた交流の促進や、SUNDREDが構築してきた産業界やその他のセクターのインタープレナー・コミュニティとのつながり・対話の機会を創出し、社会起点での目的共創やアカデミアの研究・知見をベースにした新産業の共創を推進していきます。
なお、「学イン」の立ち上げには国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)に協力を頂いています。JSTは国の科学技術・イノベーション政策を進める中核的な機関で、科学技術の振興と社会的課題の解決のために、国内外の大学・研究機関、産業界等との連携を進めており、SUNDREDのコミュニティとの接続に期待しています。SUNDREDはJST以外にも、様々な組織・団体とも協力しながら「学イン」の活動を進めることで、立場や世代を越えてつながりを生み出すコミュニティを形成します。
「学イン」の活動内容
1. 学術界のインタープレナーの発掘、学術界における「インタープレナーシップ」の普及促進、コミュニティ形成
2. 学術界のインタープレナーと産業界・その他のセクターのインタープレナーによる対話を通じた「目的の共創」
3. アカデミアの研究・知見・発見をベースにした新産業共創の推進
4. 一人ひとりの、社会の、地球のWell-beingの実現のためのセクターを超えた対話の活性化
6月に開催した学インキックオフにて、産業界と学術界インタープレナーが対話したセッションのmiroボードを公開します。学術界のインタープレナーに求められる価値観や理想像、阻害しているものなど、社会とのつながりを重視する学術系インタープレナーの想いをご覧ください。
https://miro.com/app/board/uXjVOuIrtAY=/?moveToWidget=3458764530980529409&cot=14
直近は、「食」をテーマに学術界と産業界・その他のセクターのインタープレナーによる対話を予定しています。8月23日(火)に、第1回目のイベントとして「農の未来を考える~多様なセクターと持続可能性のある食料生産を考えよう~」を開催するほか、9月末には加工・流通・消費に関するイベントを開催予定です。
■推薦コメント ※五十音順
荒川 敦史 様
国立研究開発法人科学技術振興機構「科学と社会」推進部 部長、未来社会デザインオープンプラットフォーム(CHANCE) 事務局
社会課題に向き合い、誰一人取り残さない豊かな未来に向けてイノベーションを創出するには、科学技術を含む多様な知やリソースを糾合し、新たな発展につなげる機会を作っていく必要があります。この度、産業界と学術界をつなぎ、セクターを超えた対話・協働を育む場として「学イン」コミュニティが発足したことは、とても喜ばしいことです。研究開発で生まれた成果をより良い形で社会につなげていくため、本枠組みを最大限活用して参ります。
髙瀨 堅吉 様
中央大学大学院文学研究科教授 / 日本学術会議若手アカデミーイノベーションに向けた社会連携分科会委員長 / 文部科学省科学技術・学術政策研究所客員研究官
哲学者のギルバート・ライルは、ある対象に固有の属性を、その属性を持つことのできないものに帰すという誤りをカテゴリー錯誤と呼び、心身問題解決の鍵として提起しました。これは「問題を解くためには、その問題の捉え方を間違えてはいけない」ということを意味しています。現代社会に横たわる難問を、「学イン」が育てる越境人材(インタープレナー)が、その捉え方の根本から覆すことを期待します。
堂目 卓生 様
大阪大学大学院経済学研究科教授 / 社会ソリューションイニシアティブ長
本来、「ものづくり」(産業)と「まなび」(学術)は表裏一体であるはずです。そして両者はともに「いきること」(生活)につながっています。これらの関係が見えにくくなっている今、「学イン」には、様々な壁を越えた探求によって、「何のためにつくるのか」、「何のために学ぶのか」に対する答えを見つけてほしいです。
■イベント「農の未来を考える~多様なセクターと持続可能性のある食料生産を考えよう~」
高齢化・担い手不足、耕作放棄地の増加、気候変動の影響による不作など、「農業」には課題が山積しています。この課題の解決のため、多くの研究者、企業、起業家たちが、新たな技術・アイデアをベースに動き出していますが、システム全体をアップデートするつながったソリューション(新産業)を実現してインパクトを創出していくには、個々のポイントに働きかけるだけでなく、対話を通じて目的とそれを実現するためのエコシステムの仮説を共創・共有していくことが不可欠です。
今回のイベントには、遺伝子組換え作物に関する研究を進める名古屋⼤学の立川 雅司先生や、接ぎ木の技術を研究する同大学の野田口 理孝先生、農業DXを進める株式会社オプティム取締役の休坂 健志氏が参加。3名のインスピレーショントークを元に、新産業創出に向けた知識創造・蓄積・発展を促すソリューション「フューチャーボード」を使って、視聴者参加型で農業の未来に向けた課題感や期待を可視化し、集約していきます。
セミナータイトル:農の未来を考える~多様なセクターと持続可能性のある食料生産を考えよう~
日程:2022年8月23日(火)19:30~21:00
場所:オンライン開催 ※参加申込後、ZoomURLお送りします。
参加費:無料
共催:SUNDRED株式会社 / 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
申し込み方法:Peatixにて詳細をご確認の上、お申し込みください
URL:https://futureboard-gakuin-220823.peatix.com/
※以後のイベントについては、決定次第SUNDREDのFacebook等で発信します
■SUNDREDの新産業共創プロジェクト
SUNDREDでは2019年7月の新産業共創スタジオのローンチ以来、「ユビキタスヘルスケア産業」「フィッシュファーム産業」「ハピネスキャピタル産業」等の約12個の新産業プロジェクトを推進中です。その最大の特徴は個社単独での新規事業の開発ではなく、社会起点での新産業の共創を推進していくことで結果として各社の事業機会・投資機会の創出を進めていくというコンセプトにあります。社会起点の目的を多様な社会人との対話の中から共創し、駆動目標となるエコシステム仮説に落とし込み、エコシステム構築の中核となる事業(トリガー事業)を創出し成長を加速していくことで、エコシステム構築を進めていきます。アカデミアの知見とプロジェクトの実践を融合させた「新産業共創プロセス」、目的志向で行動する社会人「インタープレナー」のネットワーク、各所で推進されているイノベーション活動を集約して社会実装を進める「リビングラボ」の開発・運営を通じて、新しいパラダイムに求められる新産業の創出・社会実装を加速しています。
■会社紹介
企業名:SUNDRED株式会社
設立 :2017年3月設立
代表者:留目 真伸
本社 :東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー
オフィス :東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー11階
概要 :100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」。「新産業共創スタジオ」を運営し、エコシステムのデザインを起点に成長領域にリソースを集約し、新産業を共創していく 。
URL :https://sundred.co.jp