ここ数年のECの利用状況を見てみると、2020年の巣ごもりでEC利用機会が急拡大。2021年、2022年は鈍化しながらも前年を割り込むことはなく、EC利用が定着したことを示しています。
ECを取り巻く環境
2022年の4月〜6月は2021年同時期と比較し、外出や旅行機会が増加した時期でもありました。「県民割」「地域ブロック割」に代表されるような近距離〜中距離の旅行促進施策の実施や、3年ぶりに行動制限なしのゴールデンウィークになるなど、感染症対策を行いながら外出する姿が増加。”リアル回帰”といえる状況でした。
また、日本百貨店協会が発表した「2022年5月 全国百貨店売上高概況※1」によると、5月の売上高は57.8%増、入店客数は52.8%増と、高い伸びを示しています。
購入もリアル回帰が進む中、それでもECが前年同水準で利用されていたのは、コロナ禍で進んだEC利用が定番化したからと言えるでしょう。
※1 2022年5月 全国百貨店売上高概況
https://www.depart.or.jp/store_sale/files/202205zenkokup.pdf
業種調査
1年以上継続利用いただいた店舗さまに限定して流通額を調査し、昨対比の上位から順に5業種を並べたのが表1です。
今回の調査では、外出機会が増加したことからか「旅行用品・旅行予約」「靴」「スポーツ・アウトドア」が上位に並びました。
表1:流通額昨対比TOP5
業種 | 流通額昨対比(4月〜6月平均) |
旅行用品・旅行予約 | 178.10% |
ギフト | 145.85% |
ペットフード・ペット用品 | 116.69% |
靴 | 112.28% |
スポーツ・アウトドア | 111.84% |
EC利用状況調査
下記の4項目について、期間中の生活者のEC利用状況を調査しました。調査対象は、2021年・2022年4月〜6月、各月の注文件数が100件以上の店舗さまの中から500店舗を無作為に抽出しています。なお、前回までのプレスリリースで調査した店舗さまとは異なる店舗構成です。
1.注文件数の変化
2.購入単価の変化
3.新規顧客利用状況
4.決済手段の変化
1. 注文件数の変化
対象店舗の注文件数は5月のPC経由が微減。それ以外の月・デバイスでは増加しました。5月が他月と比較し、注文件数の増加率が少ない理由としては、3年ぶりに行動制限が解かれた長期休暇で外出する機会が多く、リアル回帰が強かったことが1つ挙げられると考察します。
表2:各月注文件数の昨対比推移
2022年4月 | 2022年5月 | 2022年6月 | |
デバイス全体 | 107.01% | 103.91% | 110.34% |
スマートフォン経由 | 105.47% | 100.50% | 109.42% |
PC経由 | 101.50% | 99.96% | 104.20% |
2. 購入単価の変化
継続して両デバイスとも上昇。2年前、巣ごもり一色となった2020年4月〜6月期に購入単価が下降した以外は、一貫して購入単価は上昇傾向となっています。
表3:購入単価の変化
2022年4月 | 2022年5月 | 2022年6月 | |
スマートフォン経由購入単価(昨年同月比) | 106.09% | 106.29% | 107.22% |
PC経由購入単価(昨年同月比) | 106.50% | 106.97% | 107.21% |
また、下記は各店舗のPC経由購入単価を1とした際のスマートフォン経由購入単価を算出し、平均にならした結果です。
スマートフォン経由の決済はPC経由よりも低いという結果はこれまでの調査と変わりありませんが、PC経由とスマートフォン経由の購入単価の差は縮小傾向にあります。
表4:PC経由購入単価を1とした際のスマートフォン経由購入単価
2022年4月 | 2022年5月 | 2022年6月 |
0.87 | 0.87 | 0.87 |
3. 新規顧客利用状況
新たに会員登録された顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗さまの平均増加率を月ごとに調査した結果が下記表5です。なお、下記の店舗さまは調査対象から除外しています(n=493で調査)。
・会員機能を利用していない
・会員を限定して販売している(社内向けにクローズドで販売、BtoBとして利用など)
・期間中、futureshop omni-channel開始により実店舗の会員をECにも登録
…大量の店舗既存会員がEC新規会員として登録されるため
期間平均は新規顧客利用が昨対比113.71%でした。巣ごもり需要がピークだった2年前から観測を続けていますが、調査対象の店舗様では新規顧客利用もマイナスになることなく、堅調に伸びています。
表5:新規顧客利用増加率(昨年同月比)
2022年4月 | 2022年5月 | 2022年6月 |
118.54% | 111.50% | 111.08% |
4. 決済手段の変化
利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay、d払いなどのキャリア決済)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分け、各月の総注文件数を1とした結果が下記のグラフ2です。
前回の調査と同様、クレジットカード利用の割合はほぼ変わらず。ID・QR決済利用が増加し、現金利用が減少しています。
グラフ2:各月決済手段の割合/件数(調査対象店舗全体)
また、決済方法を3つとも提供している店舗さまに限定して(n=348)調査した結果が下記グラフ3です。前回の調査と同じく、キャッシュレス利用が全体の8割を占める結果となりました。
グラフ3:各月決済手段の割合/件数(3種類の決済手段提供店舗のみ)
2022年4月〜6月 フューチャーショップダイジェスト
機能アップデート・サービス連携強化
下記に代表される、機能アップデートやサービス連携強化、安定性向上を目的とした日々のシステム改善を行っています。
2022年5月11日:フューチャーショップ、ビジネスサーチテクノロジ株式会社が提供するサイト内検索サービス「GENIEE SEARCH」との連携を開始
https://www.future-shop.jp/news/2022/05/11.html
2022年5月12日:越境EC支援のジグザグ、コマースOneホールディングスグループと 資本業務提携を開始。拡大する越境EC需要に応えるため futureshopを利用する国内EC事業者向け海外販売支援を強化
https://www.future-shop.jp/news/2022/05/12.html
2022年6月7日:フューチャーショップ、顧客と店舗スタッフの1to1コミュニケーションを可能にする 「LINE STAFF START」と連携開始。2022年6月16日には特別セミナー開催。
https://www.future-shop.jp/news/2022/06/07.html
2022年6月23日:バージョンアップのお知らせ
https://www.future-shop.jp/news/2022/06/23.html
2022年6月23日:「NP後払い」の即時与信連携に対応しました
https://www.future-shop.jp/news/2022/06/23-2.html
イベント開催
2022年4月〜6月はECの専門的なテーマを扱うセミナーや、ECの基礎から応用まで学べるアカデミーを44回開催しました。平日5日間のうち、3日間を超えるペースで担当者や経営者に向けたイベントを開催。ECのノウハウやトレンドとなっているテーマの知識を共有しています。
◆内訳
- 越境ECやLINE STAFF STARTなど、専門的なテーマのセミナーを6回
- ECの基礎から応用まで学べる、契約者限定のフューチャーショップアカデミーは32回
- 契約検討者向けテーマ(EC新規立ち上げ、リニューアル検討)のセミナーは6回
サービス満足度
国内最大級 IT製品/ SaaSのレビューサイト「ITreview」で、「ITreviewカテゴリーレポート『ECサイト構築部門』(2022 Summer)」において、顧客満足度No.1を獲得しました。
また、サポート品質が4.9点/5.0点と、同レポート内でNo.1をいただき、同業他社と比較して高い評価をいただいております。
機能アップデートのみならず、ECのノウハウを共有するイベントやサポートも高い品質で運営できるように努めてまいります。
フューチャーショップは今後も環境の変化をとらえ、成長しつづけるEコマースのために、しなやかに変化し、フレンドリーに伴走します。
サービス概要
◆「futureshop」について
フューチャーショップが提供する「futureshop」(https://www.future-shop.jp/)シリーズは、未来に向けたコマース戦略を創造するSaaS型ECサイト構築プラットフォームです。
「futureshop」はCMS機能「commerce creator(コマースクリエイター)」で高いデザインカスタマイズの自由度と更新性を実現しているほか、ロイヤルティマーケティングに取り組める豊富な機能を有しています。
オムニチャネル対応には実店舗とECの顧客統合を行い、さらにきめ細やかなデジタルマーケティングを目的とした、O2Oを実践するポイント統合、実店舗在庫表示機能も備えた「futureshop omni-channel」をご利用いただけます。
また、プラットフォーム自体の機能が充実しているだけでなく、他システムとも多数連携し、柔軟性や拡張性にも優れています。“売上を創るEコマースプラットフォーム”を目指し、プロユースに応える高機能であることにこだわり、事業者の「やりたいこと」にとことん、応えます。
会社概要
株式会社フューチャーショップ
代表者:代表取締役 星野 裕子
所在地:大阪府大阪市北区大深町4番20号グランフロント大阪 タワーA 24階
設立:2010年3月 (株式会社フューチャースピリッツより分社)
事業内容:電子商取引(Eコマース)支援サービスの提供
SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」企画・運営・開発
URL:https://www.future-shop.jp/