海の恵みを食べて海の豊かさを実感!海なし県・岐阜の小学生が海のためにできることを学習「海に恋する岐阜キッズ・海のごちそう味わい隊」を開催しました!

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海と日本プロジェクトin岐阜県実行委員会は、岐阜県内の小学生20人を集め、2022年8月1日(月)、2日(火)の2日間、海の幸を味わうことをきっかけに海の魅力や課題を学び、豊かな海のために自分たちができることを考える体験学習イベント「海に恋する岐阜キッズ・海のごちそう味わい隊」を開催しました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

 

  • イベント概要

・開催概要:味わうことで海の豊かさを実感!海のために私たちができることを考える体験学習プログラム
・日程:2022年8月1日(月)・2日(火)
・開催場所:岐阜県郡上市、富山県氷見市・富山市内各所
・参加人数:小学生20人
・協力団体:民宿しもだ、郡上市まちなみ交流館、流響の里、清流長良川あゆパーク、民宿マリンタッチ、氷見市漁業文化交流センター、氷見市海浜植物園、ますのすしミュージアム、海洋連盟
 

  • 岐阜県の郷土料理「朴葉寿司」の海の具材は”ごちそう”だった

「海のごちそう味わい隊」として参加した子どもたちはまず、岐阜県の郷土料理「朴葉寿司」を味わうために朴葉寿司について学びました。講師は岐阜県郡上市にある民宿の女将・下田葉子さん。朴葉寿司は朴の木の葉で酢飯を包んだ初夏の風物料理。下田さんは朝とってきた朴の葉を子どもたちに見せながら、朴葉には殺菌作用や防カビ効果があるとされ、箸がなくても手を汚さず食べられることから山仕事や農作業の携帯食として作られたのが始まりだと説明。子どもたちは実際に朴の葉を手にして大きさや香りなどを確かめていました。朴葉寿司には酢飯の上に具材を並べるものや混ぜこむものがあり、また地域によって入れる具材もさまざまだといい、鮭やマス、しめ鯖のほか、きゃらぶきの煮物、錦糸卵などを入れて彩り豊かなものが多く、家で作ってもらって食べたことがあると話す子どもたちもいました。流通が整っていないその昔は、富山など北陸地方から塩づけにされて運ばれてきた鮭を使って朴葉寿司にしていたといい、海のない岐阜県ではすぐに手に入らなかった海の具材を乗せた朴葉寿司は、当時“ごちそう”だったと伝えました。下田さんはそんな貴重な海の食材が今では身近な場所ですぐに手に入ること、豊かな海のおかげで海の幸が味わえることに感謝したいですね、と子どもたちに語りかけ、子どもたちも下田さんの話を熱心に聞いていました。
このあとの昼食では鮭が入った朴葉寿司をみんなで味わい、中には初めて食べたという子どもたちもいて「美味しかった!」と笑顔で話していました。

 

  • 川と海を行き来する回遊魚の鮎を学び、鮎をつかみ、鮎を食べる

つづいて訪れた岐阜県郡上市の清流長良川あゆパークでは、岐阜県の魚でもある鮎のつかみ取りを体験し捕まえた鮎に自ら串をうって塩焼きにして食べました。自分で捕まえた鮎の味はひとしおで「おいしい!」と声を弾ませる子どもたちは、捕まえて調理して食べるという食体験で命をいただくことの感謝を体感しました。また鮎が川と海を生活の場とする回遊魚であることやその生態について話を聞き、山の栄養分とともに湧き出た水が川に流れ出て、その水がやがて海へと流れ着いて豊かな海につながる自然の仕組みを学び、子どもたちは山・川・海のつながりについて理解を深めました。さらに川と海のつながりについては、海のごみの約8割が町の中から出たものだという話を聞き、町の中のごみは川を通じて海へ流れ出ている現実に驚いていました。

 

  • 海のある富山県氷見市で海を間近に、海を味わい、海のある暮らしを学ぶ

海なし県の岐阜キッズが参加する「海のごちそう味わい隊」は、海のある富山県氷見市の民宿でその日に獲れた魚など海の恵み満載の夕食を味わいました。キジハタや甘海老などのお造り、アカモクという海藻の酢の物、コズクラ(体長15cm未満のブリ)の切り身が入った味噌汁、焼きガニなど岐阜では聞きなれない海の幸がいっぱいの食事に子どもたちは舌鼓を打ち豊かな海の恵みを実感していました。
夕食後は民宿を営む漁師さんや女将さんから、漁師という仕事の楽しさや大変さ、海のある暮らしについて話を聞き、海で魚が獲れることのリアルな喜びや魅力に耳を傾けていました。また、以前は富山湾で獲れなかったサワラが今では獲れるようになったこと、富山湾で多く獲れるブリが以前は獲れなかった北海道でも獲れるようになったことなど、その背景に近年の海水温の上昇が原因であることを学びました。海にごみが多いといった海の課題についても話を聞き、子どもたちはその現実をノートに書き留めていました。

 

  • 海岸清掃でごみの多さを実感、氷見沖クルージングで定置網を仕掛けた漁場を見学

2日目の朝、子どもたちは民宿前の海岸清掃から活動をスタートしました。外国語が書かれたプラスチック容器や町中でよく見かけるペットボトルなど海岸に流れ着いたごみの多さに驚き、現状を実感しました。
そして一行は氷見市漁業文化交流センターへ向かい、富山の伝統的な定置網漁の仕組みの説明を聞き、魚を傷つけないで獲れることや獲りすぎたりしないことなど定置網漁の数々の利点を学習しました。また船に乗って実際に定置網が仕掛けてある沖の様子を見学しました。

 

  • 森は海の恋人!富山の海と岐阜の山との素敵な関係を学習!ます寿しの手作り体験も

氷見市海浜植物園の園長・井出哲哉さんの講義では、富山の海の豊かさは岐阜の山で育まれた栄養分たっぷりの水が川をつたって流れ着いているおかげで”森は海の恋人”であるという話を聞きました。岐阜の山が富山の海に役立っている話を聞いた子どもたちからは「うれしい」「山や川を大切にしたい」といった声が聞こえました。また海洋プラスチックごみについての話を聞き、ウミガメなどの生き物がエサと間違えてビニールなどを食べてしまったりする事実を知ると「ごみを減らしたい」などの意見が出ました。
午後からは氷見市から富山市のますのすしミュージアムに移動して、ます寿しの手作り体験をしました。昼食ではます寿しや海の食材を豊富に使った海のごちそうを味わい食を通じた海体験を締めくくりました。

 

  • 2日間で学んだ「海とつながる岐阜」を絵で表現

子どもたちは2日間で学んだことを表現するポスターを製作。海洋連盟のコンテスト「うみぽす」と連携して「海とつながる岐阜」をテーマに、食べて、聞いて、体験したことを絵にしました。豊かな海のために岐阜の山や川が大切な役割を担っていること、海のためにごみを捨てないこと、山・川・海はつながっていることなどをポスターを描きました。ポスター作品は9月1日から1か月間、岐阜県内を走る「長良川鉄道」の車内で展示する予定です。

 

  • 参加した子どもたちからの声

・朴葉寿司を初めて食べてとてもおいしかった。昔は海の魚が貴重なものだったことがわかった。
・鮎が海でも生活していて1年しか生きないことにおどろいた。鮎の塩焼きがおいしかった。
・山から海に栄養が流れていっていることを知って、山や川を大切にしたいと思った。
・漁師の仕事に興味を持った。
・山や川をきれいにすることが海をきれいにすることにつながることがわかった。
・海のために何かできたらうれしい。地域のごみ拾いやボランティア活動に参加したい。
・ごみをポイ捨てしない。レジ袋をマイバックにしてごみを減らしたい。

<団体概要>
団体名称:海と日本プロジェクトin岐阜県実行委員会
Twitter:https://twitter.com/umigifu
活動内容:日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、海のない岐阜県民が次世代へ海を引き継ぐため、海を介して人と人がつながることを目的とした各事業を実施しています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

 

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