信託型ストックオプションは、役職員等に渡すべき新株予約権を⼀旦信託の中に プール(冷凍)しておき、貢献期待値を⾒た上で、後⽇、役職員等に交付することが可能とするインセンティブ・スキームであり、当社は創業以来、当社グループが出願特許を有する「時価発行新株予約権信託®︎(取崩し交付タイプ)」を中心に、様々なタイプの信託型ストックオプションを提供しております。
今回、リパッケージされる時価発⾏新株予約権信託®(⼀括交付タイプ)は、信託型ストックオプションのプロトタイプというべきスキームであり、信託型ストックオプションを導⼊するときに締結される信託契約の中で定められた「特定時期」(受益者指定⽇)に、「特定個数の新株予約権」を役職員や社外協⼒者(役職員等)に交付することができるというスキームになります。
2.時価発行新株予約権信託®(一括交付タイプ)のリパッケージと販売再開について
現在、当社の主力サービスである「時価発行新株予約権信託®️(取崩し交付タイプ)」は、一括交付タイプと異なり、予め時期や個数を決めずとも、3か月おきに役職員等を対象として新株予約権を交付できる、極めて柔軟なスキームですが、導入直後から受益者指定等のオペレーションが受託者に発生することから、導入時に報酬が発生し、シード期の(資金調達が終わっていない)スタートアップ企業にとってはハードルが高い点がネックになっておりました。
そこで、当社は、今般、受益者指定のオペレーション等が急に発⽣しないであろうと考えられるシード期のスタートアップ企業向けに、時価発行新株予約権信託®(一括交付タイプ)を、新たに導⼊コストを下げて信託報酬の発⽣時期を後ろ倒しにすることで、シード期のスタートアップ企業にとっても導⼊しやすい形にリパッケージし、「有償SO信託®︎」として提供を再開することといたしました。
特に、創業間もない企業が導入する場合には、資金調達までの期間として2年間が確保できるようにキャッシュアウトの時期を調整した創業支援プランを用意することで、スタートアップ企業にとっての導入ハードルを下げております。
具体的に、取崩し交付タイプの信託報酬等と対比した、一括交付タイプ「有償SO信託®」の信託報酬等の額は以下の通りとなります。
※一括交付タイプはいずれも信託1本から3本まで定額で対応いたします。
※※創業者支援プランは、「設立後2年以内の企業であり、設立時を含み、導入時までに調達した資本性資金の合計額(新株予約権や転換社債を活用したエクイティファイナンスを含みます。)と累計連結売上高のいずれも1億円を超えない企業」を対象としております。但し、1年目に累計1億円以上のエクイティファイナンスがある場合には、翌月から月額25万円になります。資金調達が導入後1年以内に完了しない場合には導入から1年間の信託報酬としては、導入時報酬12万円と1年目の期中報酬12万円の合計24万円のみが掛かることになり、2年目の期中報酬の支払い時期が到来するまでの1年間と加えて、導入後2年間を資金調達や事業推進の期間として確保することができます。(税抜表示です)
3.時価発行新株予約権信託®(取崩し交付タイプ)とは
時価発行新株予約権信託®(取崩し交付タイプ)は、上述したとおり当社グループが出願特許を有する「3か月おきに受益者と受益者に交付する新株予約権の個数を自由に決定できる」信託型ストックオプションです。
時価発行新株予約権信託®(⼀括交付タイプ)には、例えば上場後1年経過時点などといった信託期間を設定する例が多いものの、⼀⽅で、その期間中は予め設定された時期や交付する新株予約権の個数等を変更することもできなければ、役職員等に新株予約権を交付したり、交付の約束をしたりすることもできないという制限があるため、信託期間中に企業のEXIT戦略を変更した場合に柔軟に対応ができなかったり、退職しようとしている優秀な⼈材に速やかに新株予約権を交付してリテンションさせるといったことができなかったりするなど、様々な制約がありました。また、いつのタイミングで新株予約権をどれだけ配るか(例えば上場後1年経過時点で新株予約権を3%分交付するなど)を事前に設計してしまわなければならないという使いづらさがありました。
そのため、⺠事信託(注)では主流であったものの、当社が開業した後は、現在のデファクトスタンダードである「取崩し交付タイプ」に取って代わられることが多い状況でした。
当社の主力サービスである時価発⾏新株予約権信託®(取崩し交付タイプ)は、「後で渡せるストックオプション」である⼀括交付タイプでは対応が困難であった、①EXIT戦略への随時・柔軟な対応や②社員のリテンションへの使⽤、③継続的な⼈事評価に即応した 新株予約権の頻繁な交付などを実現できるようにしたスキームであり、(3か⽉おきではありますが)⾔うなれば「いつでも渡せるストックオプション」に進化させたスキームになります。
具体的なイメージ図は以下の通りです(以下の図は分かりやすさのために1年おきで記載しています。
(注)⺠事信託とは、信託銀⾏や信託会社が信託業法を遵守して⾏う商事信託の例外であり、無資格者が信託業の許認可を得ずに信託の引受けをする類型をいいます。2021年8⽉にFATF(⾦融活動作業部会)という国際的なマネーロンダリング規制に関する政府間会合において民事信託には透明性の観点で課題があるとの指摘がなされており、実際に上場承認を得られた事例もほぼないため、ミドルステージ以降のスタートアップ企業の信託型ストックオプションでは使⽤されないようになっている現状にあります。
4.第三者算定機関の認定について
上記に加えて、当社は、スタートアップ企業が信託型ストックオプションをより導入しやすくなるようにするため、今般、信託型ストックオプションの引受けに際して必要となる、新株予約権の公正価値算定(及びその前提となる株価算定)について、当社が参照可能な第三者算定機関の範囲を拡張いたしました。
そもそも信託型ストックオプションは、時価発行新株予約権を活用したスキームであるため、その導入の前提として新株予約権の時価(公正価値)の算定(とその前提となる株価の算定)を正確に実施する必要があります。
仮に新株予約権の発行条件が特に有利なものであるとされた場合には、会社法上決議に瑕疵があるだけでなく、受託者が課税負担を負うこととなったり、委託者や受益者にその負担が帰属したりすることがあり得るため、信託型ストックオプションにおいて、時価算定は最も重要な要素の一つと言えます。
過去に、当社とは関係のない民事信託の事案で数多くの会社が信頼性の低い信託型ストックオプションを導入しては廃止する結果となっている(商事信託・民事信託を含む時価発行新株予約権信託®の上場承認事例が45件存在するのに対して、その他の民事信託による信託型ストックオプションは2014年以降の合計で1,2件程度しか存在しない)主たる要因として、①信託業法・金融商品取引法の不遵守、②税務申告の懈怠、③妥当な算定をできる算定機関を起用しないことなどが挙げられますが、③の時価算定はそれほどに信託型ストックオプションの重要な要素を構成します。
時価発行新株予約権信託®では、長らく日本において最も実績が豊富で信頼性が高いと考えられる独立系第三者算定機関、株式会社プルータス・コンサルティング(代表取締役 野口真人)による算定をベースに信託型ストックオプションの導入を行ってきており、その結果として、上記のとおり当社と当社の前身である松田良成弁護士が株式会社プルータス・コンサルティングとともに導入し、上場承認まで至った事例は市場において約98%を占めるという状況にあります。
ただ、今後急増が見込まれるシード期のスタートアップ企業等に対応するためには従来よりも多くの第三者算定機関と密に連携することが望ましいと考えられたことから、当社として、株式会社プルータス・コンサルティングに加えて、第三者算定機関の中でも信頼性が高いと考えられる数社を、当社が認める第三者算定機関として追加いたしました。
これらの、第三者算定機関の一覧につきましては、随時、追加・変更されていきますので、当社までお問い合わせ下さい。
以上のとおり、当社は、信託型ストックオプションのリーディングカンパニーとして、日本の産業育成に貢献し、少しでも多くの方々の努力が正当に報われる社会を実現するため、日々商品開発や既存商品のブラッシュアップ、信託型ストックオプションの導入ハードルの低減に向けた取組みを実施しております。
コタエル信託の創業者である松田良成弁護士によって生まれた信託型ストックオプションの中でも最古のスキームである一括交付タイプが、時代に即した最も新しいスキーム「有償SO信託®」へと生まれ変わりました。
信じて託してくださるお客様のために、コタエル信託はどこまでもソリューションの高みを追求していきます。私たちは「助けるをつくる。」を理念とし、信託を通じて挑戦者を支え、努力がきちんと報われる社会を実現していくことを目指します。
U R L :https://kotaeru-trust.co.jp
商号 :コタエル信託株式会社
所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 丸の内ビルディング26階
代表者 :代表取締役社長 松田良成
登録 :管理型信託会社(関東財務局長(信)第19号)
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