日本の介護実践を世界へ─「KOTOBUKI CARE Program」がグッドデザイン・ニューホープ賞2025を受賞

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非営利型株式会社KOTOBUKI(代表取締役:金子智紀)が展開する「KOTOBUKI CARE Program」は、2025年度グッドデザイン・ニューホープ賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)において、Honorable Mention(入選)を受賞しました。

■グッドデザイン・ニューホープ賞について

本賞は、将来のデザイン分野の発展を担う新しい世代の活動を支援することを目的に2022年度に創設された賞であり、2025年度は応募総数668点の中から115点が選出されました。

グッドデザイン・ニューホープ賞における「優れたデザイン」とは、以下の理念を志向するデザインを指します。

  • 人間(HUMANITY):もの・ことづくりを導く創発力

  • 本質(HONESTY):現代社会に対する洞察力

  • 創造(INNOVATION):未来を切り開く構想力

  • 魅力(ESTHETICS):豊かな生活文化を想起させる想像力

  • 倫理(ETHICS):社会・環境をかたちづくる思考力

物のデザイン・場のデザイン・情報のデザイン・仕組みのデザインの4つの応募カテゴリーから構成されており、KOTOBUKI CARE Programは「仕組みのデザイン」分野において評価されました。

■受賞・認定の概要

賞名:GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025

認定:Honorable Mention

カテゴリー:仕組みのデザイン

受賞番号:25NHA040028

タイトル:KOTOBUKI CARE Program 〜超高齢化に挑む「日本の介護」を価値に変える〜

受賞者:金子智紀(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科)

作品ページ:https://newhope.g-mark.org/award/2025/25NHA040028.html

■KOTOBUKI CARE Programについて

KOTOBUKI CARE Programは、日本に引き続き高齢化を迎える海外の政府関係者、介護・福祉事業者、教育機関関係者などを対象に、日本の介護施設や地域の取り組みを訪問しながら学ぶ視察・研修プログラムです。

多くの視察が「優れた事例を見て終わる」形式にとどまる中、本プログラムでは、現場でなぜその判断が行われているのか、どのような価値観や前提があるのかを丁寧に共有することを重視しています。

これにより、日本の介護実践を単なる成功事例として消費するのではなく、参加者自身の国や地域に持ち帰り、再構築できる知として提供することを目指しています。

また、海外からの視察・研修を通じて得られる対価を、受け入れ側である介護現場に還元する仕組みを組み込むことで、日本の介護分野における新たな価値循環の可能性を提示しています。

■審査委員による評価

より良い運営をしている事業所は多々あるが、そのことが話題になると一気に視察にやってくる。一方で、視察を受け入れる側も訪問する側も、その対価や時間について十分に考慮されていないのが実情である。そのような中、本サービスの設計思想は、忙しいケア現場の負担を抑えつつ、新たな収益を生み出す可能性を示した点が評価された。積み重ねられてきた先進事例や取り組みが、日本を超えて世界に広がることを期待したい。

■コメント

昨年度は、博士課程在籍中の研究成果『ともに生きるケアのための「思考の補助具」』により本賞を受賞しており、2年連続の受賞となります。

少子高齢化が現実の重みをもって社会に迫る2025年。介護や医療の現場では、人手不足や財源不足が深刻化し、これまで当たり前に続いてきた仕組みが、この先も維持できるのかが問われています。

 一方で、日本の介護現場には、長い時間をかけて積み重ねられてきた判断や工夫、試行錯誤の中で育まれてきた知恵があります。

 私たちは、こうした現場の実践を価値として可視化し、国際社会にひらくことで、世界の課題解決に貢献すると同時に、国内の介護業界に持続可能な財源を生み出す流れをつくりたいと考えています。実践を価値に変え、外貨として循環させる。その新しい流れを、現場とともにつくっていきたいと考えています。

■代表者について

代表取締役の金子智紀(博士:政策・メディア)は、「よりよいケアとは何か」をテーマに、大学入学以降10年以上にわたり、日本各地の介護施設を訪問し、延べ1,300件以上の事例調査を実施。その研究成果の一部をまとめ、2022年に著書『ともに生きることば:高齢者向けホームのケアと場づくりのヒント(丸善出版)』を出版。研究結果を基に、介護現場での対話や振り返りを支援する研修プログラムを開発・実施し、これまでに200以上の施設、延べ4,000人を超える介護関係者に対する研修を実施。博士号取得のタイミングで、研究成果を社会実装へとつなげる取り組みとして、研究パートナーと一緒に非営利型株式会社KOTOBUKIを設立。現在は、国内外のNPO、介護団体、自治体と連携しながら、日本の介護実践を国際社会に向けて発信している。

(関連情報)
GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2024
ともに生きるケアのための「思考の補助具」

https://newhope.g-mark.org/award/2024/24NHA040015.html 

■会社概要

左: CEO 金子、右 COO 宗像

法人名:非営利型株式会社KOTOBUKI

代表者:金子智紀

設立:2025年1月

事業内容:介護・ケア領域における視察研修事業、教育プログラム開発、国際連携

URL:https://www.kotobuki-care.global/ 

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