近年のコンサルティング業界の急激な変化と各ファームの領域拡大に伴い、前年作成したコンサルティング業界カオスマップ2021より8社追加、合計75社(一部組織)をまとめた業界地図を作成致しました。
【コンサルティング業界カオスマップ2022年度版サマリ】
- クライアント企業のDX加速に伴い、デジタル領域特化部隊の立ち上げ・外部連携が活性化大手ファームから誕生した「デジタル特化・実行部隊」
- デジタル化で急成長。DXコンサル3傑「NBA」とは?
- コンサルティングと投資ファンドの掛け算で、社会変革を目指す「事業経営×事業投資
【コンサルティング業界カオスマップ2022年版の考察】
①クライアント企業のDX加速に伴い、デジタル領域特化部隊の立ち上げ・外部連携が活性化
大手ファームから誕生した「デジタル特化・実行部隊」
2020年の新型コロナウイルスの蔓延による影響がトリガーとなり、2021年に引き続き2022年はさらに企業のDXが一気に加速しています。これに伴い、コンサルティング業界へのデジタル関連プロジェクトの依頼が急増しています。IDC Japan株式会社のレポート(※1)によると、2020年コンサルティングファームの案件のうち、およそ半分をデジタル領域の案件が占めるようになりました。
“デジタル”といっても、IT系ファームへの依頼が増えているだけではなく、デジタルベースで経営戦略を描くことが必須となっている中で、戦略系ファームや財務系ファームなど、様々なファームへの依頼が増えています。
政府は、DXが進まなければ2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると警鐘を鳴らしており、コンサルティング業界にとってDX支援案件の比重はますます大きくなってくるでしょう。数年前から戦略ファームで「デジタル特化部隊」が設立されていましたが、コンサルティング業界は解決策の“提示“から”実行“支援へと進んできており、大手総合コンサルティングファームから「デジタル実行部隊」が新たに誕生していいます。
アクセンチュアは2022年4月にアクセンチュア インタラクティブを「アクセンチュア ソング」に改称し、マーケティング刷新・ビジネス改革の強化を図っています。デロイト トーマツはITシステム導入後の保守・運用サービスの提供を担ってきたエー・フレーム株式会社を2021年6月1日に「デロイト トーマツ アクト株式会社」に社名変更し、グループのIT保守の強化を掲げ、更に同社から同年10月に「デロイト トーマツ ノード合同会社」を立ち上げ、デジタル化・クラウド化を通じた大手企業のDX支援の展開を公表しています。この動きは他の大手ファームでも展開されると予想され、デジタル実行部隊の登場は加速してくるでしょう。
(※1 IDC:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ48037421
②デジタル化で急成長。DXコンサル3傑「NBA」とは?
コンサルティング業界において戦略大手3社の「MBB」、世界四大監査法人の「BIG4」など通称がありますが、近年のデジタル化で売上・従業員数ともに大きく伸びている、アクセンチュア(Accenture)、ベイカレント・コンサルティング(BayCurrent)、野村総合研究所(NRI)の頭文字をとって「NBA」と一部で称されています。
これら3社は元々、ITコンサルティングやシステム導入、シンクタンクなど特定領域のコンサルティング支援を行っていました。しかし、更なる業務の拡大に向けて、他社のコンサルティングファームを買収しながら新たなコンサルティング領域を手掛け、非常に幅広く扱うようになり、現在においては「総合系コンサルティングファーム」と扱われていることも増えております。従来の特化領域を離れて、幅広い領域を融合する中で、企業の経営課題をワンストップ、一気通貫で対応できることが大きな強みとなっており、コンサルティングファームの巨大勢力として「NBA」の通称が一般化する日も近いのではないでしょうか。
③コンサルティングと投資ファンドの掛け算で、社会変革を目指す「事業経営×事業投資」
これまでコンサルティング業界では、アクセンチュアやシグマクシスなどを代表的に、クライアントとの合弁事業を作るモデルとしての事業投資はいくつも事例があり、その他の事業投資モデルとしては、大型投資による事業経営やベンチャー投資が挙げられます。
近年の新たな動きとして、一部のファームでは事業投資だけでなく、コンサルティング×DX領域の中で実際の新規事業の立ち上げを行う「事業経営」の事例が出てきています。その背景として、イグニション・ポイントやリブ・コンサルティング、Sun Asterisk、グッドパッチなど新興系コンサルファームがスタートアップ支援をする中で、デジタルエコノミーのビジネス力を身に着けて、それを自社の事業としてスタートさせたことが考えられます。
デジタル化が進む中で、前述したデジタル特化・実行部隊の設立や事業経営に加えて、新たな動きが生まれてくるでしょう。
■リブ・コンサルティングは、ベンチャーコンサルティングのノウハウをもとに、大手企業の事業開発のブーストを仕掛ける存在に。
2012年に創業した当社は、ベンチャー・中堅企業向けコンサルティングファームとしてコンサルティング業界とともに更なる成長を遂げていきたいと考えています。当社はコンサルティング業界の中でも「ベンチャー・スタートアップ」向けファームの位置付けであり、「“100年後の世界を良くする会社“を増やす」をミッションに、事業やサービスによって社会に”Before”“After”を生み出しインパクトを生む企業=「インパクトカンパニー」を増やすことを使命に経営コンサルティングを展開しております。
2021年に顕著だった動きとしては、当社のモビリティ領域のコンサルティング支援のうち、大手企業向けMaaS/GX事業開発支援において2020年は約10%の比率だったものが2021年には40%超と急増しています。テックベンチャーの事業開発・グロース支援や業界攻略の伴走パートナーとして培ったノウハウをもとに、大手企業向けに伴走型支援を活かしていく動きが加速しています。この動きはモビリティ業界だけでなく、住宅・不動産、ヘルスケア、製造業にも同様に大手企業の事業開発支援において、ベンチャーマインドを呼び覚まし、新たなものを生み出していく動きが評価されています。
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【代表取締役プロフィール】
関 厳(せき いわお) 代表取締役
国際公認経営コンサルティング協議会認定 マスター・マネジメント・コンサルタント
東京大学卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。
住宅・不動産、自動車、電機メーカー、卸売など幅広い業界のコンサルティング業務に従事した後、ボードメンバーとしてコンサルティング部門を統括。
2012年「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を理念としてリブ・コンサルティングを設立。現在は当社代表に加えて株式会社Impact Venture Capitalの代表パートナーも務める。コンサルティング活動以外にも執筆・講演活動も行っており一部著書は国外のアジア諸国でも発刊されている。代表的な執筆書籍として『経営戦略としての紹介営業』『東大生はなぜ会社で使えないのか?』等がある。
【株式会社リブ・コンサルティング 会社概要】
代表取締役 : 関 厳
設立 : 2012年7月
所在地 : 【東京本社】東京都千代田区大手町1丁目5-1大手町ファーストスクエア ウエストタワー19階
【支社】タイ支社(バンコク)
事業内容 :総合経営コンサルティング業務、DXコンサルティング業務
URL :https://www.libcon.co.jp/