■エフティーピー化学研究所でのアニサキス死滅検証について
アニサキスの死滅検証は、以下の検査方法で行いました。
・検査機関:エフティーピー化学研究所
・検査方法:鏡検法によるアニサキスの検出と検出後の中体の運動性の確認
・提出検体:1)~3)の方法で凍結/保管したサバ検体(2検体)を提出
1)アニサキスを目視で確認した生サバを特殊冷凍機「アートロックフリーザー」で25分特殊冷凍
2)芯温-20℃以下を確認後、-24℃設定の冷凍庫で24時間保管
3)24時間経過後は冷蔵環境へ移して保管
・検査結果:サバから検出された虫体はアニサキス幼虫であることが確認でき、いずれも死滅していました。 また、12時間後、24時間後の運動性を顕微鏡観察しましたが、完全に死滅している事が確認されました。
・判定日:2022年7月13日
■一般的な業務用冷凍庫では温度帯によって厚生労働省基準に達しない可能性を示唆
今回、アニサキス死滅の検証と合わせて、特殊冷凍と一般的な業務用冷凍庫2種(A:-24℃設定、B:-20℃設定)のサバの温度変化を観測し、以下の結果となりました。
・特殊冷凍したサバ
-20℃までの所要時間は25分。-30℃以下を確認した後、-24℃設定の業務用冷凍庫Aに移動させましたが、-20℃を上回ることはありませんでした。
・業務用冷凍庫A(-24℃設定)で48時間冷凍したサバ
-20℃までの所要時間は6時間(360分)。特殊冷凍の所要時間の10倍以上。-20℃以下到達以降は多少の温度上昇は見られるものの、-20℃を上回ることはありませんでした。
・業務用冷凍庫B(-20℃設定)で48時間冷凍したサバ
最低温度は-20℃に至るものの、デフロスト(霜とり)による庫内の温度上昇から-20℃以下を保てておらず、厚生労働省が定める-20℃以下24時間を満たすことが困難であることが確認されました。
これらの結果から、緩慢冷凍(一般的な業務用/家庭用冷凍庫)の場合、冷凍庫の対応温度および環境によって、48時間冷凍しても、厚生労働省がアニサキス死滅の基準として定めている「-20℃以下24時間」に到達しない場合があることが明らかになりました。特殊冷凍はより速く安定したアニサキス対策が実現でき、冷凍による品質劣化も極めて少なく、高品質と安全性を保つ有効な方法であると言えます。
■特殊冷凍でアニサキス対策を行う飲食店のコメント
・コメント提供:漁師料理の店ばんや(千葉県九十九里)
アニサキスが懸念される生魚は急速冷凍処置をしてから調理しています。急速冷凍を導入後、アニサキス食中毒の発生件数は0件で、お客様に急速冷凍/解凍したお刺身をご提供しても、全く冷凍だとは思えないと評価いただいています。保健所の指導が入ることもありますが、実際のオペレーションをお伝えすると、チェックを問題なくクリアできました。アニサキス食中毒対策の他にも、魚の仕入れが少ない時に冷凍ストックしておいた魚を使用し、安定して人気メニューを提供できています。なるべくとれたてを素早く急速冷凍することで、解凍後により新鮮な味をお楽しみいただけます。
■特殊冷凍とは
急速冷凍に凍結媒体ごとの特殊な技術を踏襲することで、さらに高品質な冷凍を実現する技術です。一般的な冷凍の場合、細胞内の水分が氷に変わる温度帯(氷結晶生成温度帯:0℃~-5℃)の通過時に、 氷結晶が大きく歪になることで細胞が損傷。一方急速冷凍は、急速かつ均一に冷却することで氷結晶が小さく生成され、細胞の損傷を極少化でき、うまみ成分の流出を防ぎます。さらに特殊冷凍では、冷風の湿度や冷風の当て方などの特殊技術が加わり、形状維持や調理済みのあたたかい食品の急速冷凍を実現。これまで困難とされていた食材の急速冷凍を可能にするとともに、従来を上回る高品質な冷凍食材を生み出します。
■デイブレイク株式会社について
「作り手から食べ手までのより良い未来を創造する」をミッションとして掲げ、特殊冷凍機に特化した国内唯一の専門会社として2013年創業。食品事業者(飲食店や食品メーカー、生産者など)への特殊冷凍機の販売および導入支援、特殊冷凍食材「アートロックフード」の流通事業など、特殊冷凍テクノロジーを活用した「Freezing as a Service™(Faas™)」を展開。2021年10月には、自社開発の特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を発売し、3ヵ月で注文件数100件を達成しました。デイブレイクは、これらも特殊冷凍のパイオニアとして、食品流通のあらゆる課題を解決する事業を展開・推進してまいります。
※「特殊冷凍™」「アートロック®」「アートロックフード™」「Freezing as a Service™」「FaaS™」は、デイブレイク株式会社が商標登録または商標登録出願中です。