モデルナのオミクロン株を含む追加接種用2価ワクチン候補 mRNA-1273.214は、Spikevaxと比較して、オミクロン亜系統BA.4BA.5に対して極めて強力な中和抗体反応を示す

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この資料は、モデルナ(マサチューセッツ州ケンブリッジ)が2022年7月11日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳したもので、報道関係者の皆さまに参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.modernatx.comをご参照下さい。
mRNA-1273.214は、オミクロン亜系統BA.1およびBA.4/BA.5、起源株、アルファ株、ベータ株、デルタ株、ガンマ株を含め、評価したすべての変異株に対して非常に高い抗体価を示した

モデルナはmRNA-1273.214の承認申請をEU、英国、オーストラリアの規制当局へ提出しており、他の規制当局へも順次申請予定

モデルナは、FDA(米国医薬食品局)の勧告に沿って、BA.4/BA.5に対する追加接種用2価ワクチン候補のmRNA-1273.222を開発中

【米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、2022年7月11日発】 メッセンジャーRNA(mRNA)治療薬とワクチンのパイオニアであるバイオテクノロジー企業のモデルナ(NASDAQ:MRNA)は本日、オミクロン亜系統BA.1を含む追加接種用2価ワクチン候補 mRNA-1273.214に関する新しい臨床データを発表しました。初回接種ならびに1回の追加接種が行われた被験者にmRNA-1273.214を50 µg追加接種したところ、1ヵ月後には接種時の感染の有無や年齢(18歳以上65歳未満、65歳以上)を問わず、Spikevaxによる追加接種と比較して、オミクロン亜系統BA.4およびBA.5に対する有意な中和抗体反応が誘導されました。

接種時に感染のない被験者では、Spikevaxによる追加接種と比較して、mRNA-1273.214はBA.4/BA.5に対し有意に高い中和抗体価を示し、幾何平均比は1.69(95%信頼区間:1.51~1.90)1でした。追加接種から1ヵ月後では、BA.4/BA.5に対する中和抗体価は、mRNA-1273.214では、776(95%信頼区間:719~838)、Spikevaxによる追加接種では458(95%信頼区間:421、499)でした。同臨床試験における追加接種前の値を基にしたBA.4/BA.5の幾何平均増加倍率(GMFR)は、mRNA-1273.214の被接種者で6.3倍(95%信頼区間:5.7~6.9)、Spikevaxの被接種者では3.5倍(95%信頼区間:3.2~3.9)でした。65歳以上の患者を含むサブグループにおいても、同様の結果が示されました。本試験の全データは査読付き論文として投稿し、規制当局とも共有しています。

「モデルナの2価ワクチンが、現在の追加接種用ワクチンであるSpikevaxよりも良好な結果を示し続けていることを、大変嬉しく思います。本日発表したmRNA-1273.214のデータは、接種によりBA.4/BA.5およびBA.1のオミクロン亜系統を含め、評価したすべての変異株に対して、非常に高い抗体価を示しました。これは2価ワクチンアプローチの優越性をさらに裏付けるものとなりました。2価ワクチンの追加接種後の持続性に優れた、広範な免疫反応は、数千人を対象とした複数の第2/3相臨床試験でも示されました」とモデルナの最高経営責任者ステファン・バンセル(Stéphane Bancel)は述べています。「モデルナは、各市場におけるオミクロン亜系統の状況、臨床データの要件、感染リスクの高い集団を対象とした今秋の追加接種の緊急性を鑑み、mRNA-1273.214とmRNA-1273.222の2種類の追加接種用2価ワクチンの開発を規制当局と連携して進めています」。

本日公開したデータは、先月モデルナが発表した約800人を対象とした進行中第2/3相臨床試験のデータに加わることになります。これまでmRNA-1273.214の50 µg追加接種は、事前に規定されたすべての主要評価項目を達成し、忍容性は概ね良好で、反応原性および安全性プロファイルはSpikevaxの50µg追加接種と一致していました。

モデルナは、各市場におけるオミクロン亜系統の状況に応じて、今秋に向け2種類の追加接種用2価ワクチン候補の開発を進めています。

追加接種用2価ワクチン候補mRNA-1273.214は、Spikevaxを追加接種した場合と比較して、今秋の追加接種シーズン前に実施した臨床試験の結果として、オミクロン亜系統BA.4/BA.5に対して有意に高い抗体価が得られている唯一のワクチン候補です。モデルナが開発中の2つ目の追加接種用2価ワクチン候補mRNA 1273.222は、オミクロン亜系統BA.4/BA.5に対応しており、FDAから出た最新の勧告に基づき開発を進めています。いずれの2価ワクチン候補も、SpikevaxのmRNA25 µgとオミクロン亜系統のmRNA25 µgを含んでいます。

モデルナ社について
モデルナは、2010年の創業から今日までの10年強の間に、メッセンジャーRNA(mRNA)分野の研究型企業から、現在は7つのモダリティにわたる多様なワクチンと治療薬の製品並びに臨床開発段階のプログラムを有する企業へと発展しました。モデルナはmRNAと脂質ナノ粒子製剤を含む幅広い知的財産ポートフォリオを構築し、最新の大規模製造設備では目覚ましく迅速な臨床開発と臨床使用を目的とした生産が可能です。モデルナでは、これからも、革新的な科学の進展と速やかな製造拡大の実現を追求してまいります。最近では、これらモデルナの能力を結集した例として、新型コロナウイルス感染症拡大に対し、効果的なワクチンを早期に開発、承認取得に至ったことがあげられます。
モデルナのmRNAプラットフォームは、基礎および応用の研究・医薬デリバリー技術・製造においての継続的な進歩を目指して構築されており、感染症、免疫腫瘍学、希少疾患、循環器疾患、並びに自己免疫疾患のための治療薬とワクチンの創出を可能にしています。過去7年間、Science誌によりトップのバイオ医薬品企業として選出されました。さらなる詳細は、www.modernatx.comをご覧ください。

将来予測に関する表明
本プレスリリースには修正後の1995年度民事証券訴訟改革法の意味の範囲内における将来予測に関する記述[COVID-19を標的としたモデルナの追加接種用2価ワクチン候補(mRNA-1273.214およびmRNA-1273.222)の開発、新型コロナの起源株に対するモデルナのワクチンSpikevax(mRNA-1273)と比較して、オミクロン亜系統BA.4およびBA.5に対して経時的により高い中和抗体価を誘導し、感染歴に関わらずすべての年齢群において強力な免疫応答を起こすmRNA-1273.214の性能、mRNA-1273.214の安全性および忍容性プロファイル、今秋に予想される感染拡大に対する強力な防御として提供可能なモデルナの追加接種用2ワクチンの戦略とその性能、mRNA-1273.214のレビュー用としてモデルナから規制当局へ提出したデータ、その提出時期とレビュー時期]が含まれています。本プレスリリース中の将来予測に関する表明は約束と保証のいずれでもなく、それらには既知および未知のリスク、不確実性、およびその他の要因が関わり、その多くはモデルナ社の統制の範囲外にあり、かつ実際の結果を将来予測に関する表明に表現されている、あるいはそれから黙示的に示されるものから大きく異なる可能性があるため、これらの将来予測に関する表明に対して過度に依存しないようお願いいたします。これらのリスク、不確実性、およびその他の要因には、米国証券取引委員会(SEC)のウェブサイトから入手可能な、モデルナ社がSECに直近に提出したフォーム10-K年次報告書およびそれ以降にSECに提出した書類の「Risk Factors」欄に記載されたリスクと不確実性が含まれています。法によって求められる場合を除き、モデルナ社は本プレスリリースに含まれるいずれの将来予測に関する表明についても、新たな情報、将来的な展開、あるいはその他のいずれを理由とするかを問わず、更新または改訂する意図または責任を持ちません。これらの将来予測に関する表明はモデルナ社の現時点での予測に基づくものであり、本プレスリリースの日付においてのみ有効です。

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