東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」募集終了!今期の応募総数は1114件。9年間の累計応募数は1万件を超える!

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東京都主催、NPO法人ETIC.(エティック、東京都渋谷区)が事務局のスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY(トーキョー・スタートアップ・ゲートウェイ) 2022」は、2022年7月3日、第9期の募集を終えました。今年度の応募総数は1114件でした。たくさんのご応募ありがとうございました。
また、初年度2014年からの累計応募数は1万件を超えました。重ねてお礼を申し上げます。

今年で9期目を迎える本コンテストは、起業をめざす15歳から39歳までの個人が、400文字のアイデアでエントリーが可能な日本最大級のスタートアップコンテストです。

今後は、4ヶ月間のブラッシュアップ期間を経て11月27日にファイナリストが選出されます。最優秀賞と優秀賞にはそれぞれ100万円、50万円の賞金が授与されるほか、都内での法人設立時には100万円の活動資金が提供されます。さらにコンテストの過程では、先輩起業家等のメンターやサポーターをはじめ、これまで1800名以上の起業家を輩出するエティックによる実践的な創業支援メニューが提供されます。

●TOKYO STARTUP GATEWAYとは

テクノロジーから、モノづくり、ソーシャルイノベーション、リアルビジネス、グローバルを見据えた起業など、分野を越えて、「東京」から世界を変える若き起業家を輩出するスタートアップコンテストです。

●スケジュール:コンテスト部門(2022年5月10日~11月27日)

先輩起業家による実践的な講義&メンタリング、ユーザーインタビューやプロトタイプの開発等の具体的なアクション、共に起業を目指す応募者同士の切磋琢磨を通じて、起業家としてのビジョンを深め、アイデアを、「世界」を変える事業計画にブラッシュアップしていきます。

・5月10日(火) 14時エントリー開始 【終了】
・7月3日(日) 23時59分 エントリー〆切 【終了】
・7月上旬 エントリー審査通過者発表 【終了】
・8月20日(土)First Stage Gathering
・9月24・25日(土日)集中Mentoring Day
・10月中旬 セミファイナリスト審査 結果発表
・11月上旬 Final Stage/決勝大会進出者発表
・11月27日(日) ファイナル・各賞発表

■「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」コンテスト参加者の声

今年で9期目を迎える本コンテストを経て起業した方の声をご紹介します。7月31日はクールジャパンの日。クールジャパンといえば、海外で評価されている日本文化ですが、中でも日本のアニメやマンガはやはり人気がありますね。昨年のアニメ産業の市場規模の調査で、海外市場が国内市場を上回ったことも話題になりました。

今回は、そんなマンガやイラストの描き方をオンラインで手軽に学べるサービス「パルミー」を手がける伊藤貴広(いとう・たかひろ)さんの体験談です。
 

パルミーWEBサイトよりパルミーWEBサイトより

■イラスト・マンガの定額制オンラインスクール「パルミー」

「パルミー」は、月額定額制でイラストやマンガの描き方が学べるオンラインスクールです。入門編から上級編まで200本以上の講座がいつでも見放題のサブスクリプション型サービスで、イラストレーターやマンガ家をめざしている方、副業で仕事にしたい方などを中心に、2014年のサービス開始から今まで2万人以上の方に利用されています。
一言で「描き方」と言っても、人物なら「立体感のある頭の描き方」「顔の描き方ー女性編・男性編ー」「髪の毛の塗り方」「洋服のシワの描き方」「キャラポーズ基本編」、背景なら「都市背景の描き方」「室内背景の描き方」「3D機能を使った背景作画講座」など細かくポイントを絞って学ぶことができます。さらに、「イラスト業界のお仕事講座」「イラストレーターのための確定申告」など、絵を仕事にするための情報もあります。
半年プランに入会すると、2ヶ月に1回無料でプロの添削指導も受けられます。

「子供の頃から絵を描くのが好きで、絵の道に進むのは断念したけど、今は就職して自分のために使えるお金と時間ができたので、改めて学びたい」というような30代前後の方を中心に、ユーザーも増え続けているそうです。2022年5月には、台湾でのサービスも開始しました。

台湾でのサービス提供WEBサイトより台湾でのサービス提供WEBサイトより

■田舎で絵を学ぶのは不便だと感じていた高校生時代

「パルミー」を立ち上げたのは、株式会社パルミー代表取締役の伊藤貴広(いとう・たかひろ)さんです。伊藤さんは、小さい頃から漫画家を目指し、自分のマンガを出版社に持ち込みたい一心で、親の反対を押し切り福岡から上京して美大に進学します。しかし、当初抱いていた漫画家への夢は徐々に遠ざかっていきました。

「田舎で絵を学ぶのは不便だな、本屋にはイラストの技術書が揃ってないし、出版社は東京にあるし、と思って上京しました。最初は出版社にマンガを直接持ち込んで交渉もしましたが、美大の同級生の熱量に追いつけなくなって、絵を描くのをやめてしまいました」

上京して1年。絵を描かなくなった自分にがっかりしていた頃、伊藤さんに転機が訪れます。

「会社は作れる。ビジネスは面白い」

伊藤さんが、たまたま顔を出したインターカレッジサークルには、起業する元気な同世代がいました。ビジネスの面白さを知った伊藤さんは、残り3年の大学生活をビジネス活動中心に過ごしました。

■背伸びして入ったDeNAを3年半で辞めて起業

新卒でDeNAに入社した伊藤さんは、「仕事はすごく面白かったけど、背伸びして入った分、大変でした」と振り返ります。

「同期の50人は学歴も高く、ついていくのがやっとで、最初は苦しくてトイレで泣くこともありました。それも1年ほどで慣れて楽しくなり、頑張るほど評価して応えてくれる会社でした」

しかし、伊藤さんは入社して3年半後、「起業するので退職します」と、会社員生活を手放しました。当時流行していたゲームのアバターをつくるのは楽しい仕事でしたが、足りないものがありました。

「より世の中の課題を解決できるエンタメの仕事をつくれないか?」

伊藤さんは、「楽しさを追求するエンタメ」の世界では得難く感じられた「役に立っている実感」を自分なりに模索しはじめました。

■ペルソナは、あの頃の自分。どこにいても好きなことが学べるサービス。

起業のプランは、「自分が高校生の時に、あったら嬉しかったなと思えるサービス」でした。

どこにいても、インターネットで学べる動画コンテンツビジネスを考え、起業準備をしている時に、TOKYO STARTUP GATEWAY(以下、TSG)を知りました。2014年、第1回のコンテストで伊藤さんはファイナリストに選ばれます。
エントリー当初のプランと比べて、アプリではなくPCをメインにし、まずは国内マーケットでコンテンツを提供してきました。そして今年5月に台湾でサービスを開始。創業から9年、当時のビジネスプランを着々と実現させています。
学生(25歳未満)の月謝を半額にしているのも、高校生の頃の自分のような若者に、学びやすい環境を提供したい思いからでした。

■一番素晴らしいのは、起業の同級生ができる体験。

TSG2014のファイナリストになって以降、伊藤さんは毎年メンターとしてTSGに関わっています。ちょうど今、審査を終えて1stステージに進む参加者へのメッセージとして、伊藤さんからこんな言葉をいただきました。
「TSGはビジネスプランコンテストですが、合格だけを目的にしないでください。一番素晴らしいのは、起業の同級生ができる体験です。同期はだいたい同じフェーズで同じ困りごとを抱えます。その時に、利害関係なく、弱音を吐いて相談できる関係は貴重です。

私も、1期のメンバー3人とは2ヶ月に1回近況報告をしています。オフィスが移転したと聞いたら遊びに行き、お互いの社員の顔と名前も覚えていて、『元気ですか?』と声をかけます。周りをライバル視しないで、できるだけ対話して、役に立てることや、サポートしたい人を見つけてください。ここで出会う人の中に、この先何年も相談できる人が見つかる可能性があります」
 

株式会社パルミー代表取締役 伊藤貴広さん株式会社パルミー代表取締役 伊藤貴広さん

起業の同級生とともに、世界へアニメ・イラストの技術を届けたい伊藤さんの「パルミー」の今後の展開が楽しみですね。
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東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」についての詳細はこちらをご覧ください。
●TOKYO STARTUP GATEWAY2022 WEBサイト https://tokyo-startup.jp/

主催:東京都
事務局:特定⾮営利活動法⼈ETIC.  https://www.etic.or.jp/

ETIC.は、社会の未来をつくる⼈を育む認定NPO法⼈です。1993年の創業以来、手がけてきた実践型インターンシップや起業⽀援プログラムへの参加を通して、1800⼈以上が起業しました。これからも企業・⾏政・NPOといった多様なセクターを巻き込みながら、挑戦したい⼈を⽀える仕組みづくりを続けていきます。 
 

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