日本国内では約2,200万人の睡眠時無呼吸症候群の潜在患者がいると言われており※2、その数は国民の6人に1人に該当します。睡眠時無呼吸症候群を始めとする様々な睡眠不足による社会損失は15兆円にも上り、重大な事故を誘因する他、睡眠時無呼吸症候群の罹患者は健常者と比べて脳卒中や心不全、生活習慣病のリスクが数倍高いとの調査データもあります※3。しかしながら、睡眠障害検査のために、クリニックに足を運ぶ機会は忙しい日々の生活の中では後回しとなっているのが現状です。
Sleep Docは、スマートウォッチ型のウェアラブルデバイスを睡眠時に装着して、2日間分の睡眠計測をすることで、睡眠時無呼吸症候群のリスクを自宅で簡単にチェックできるサービスです。計測の前に、ウェブ上で睡眠に関するセルフチェックをしていただくことで、睡眠時無呼吸症候群以外の様々な睡眠障害についても簡易的なリスクチェックを行うこともできます。運輸運送業のドライバー、プロ・アマのスポーツ選手、テレワークで運動不足が気になる会社員等、日々の健康管理とパフォーマンス改善を必要とする全ての方に、睡眠課題の可視化サービスを提供します。また、Sleep Docでは、睡眠障害リスクチェックに加え、睡眠専門医による豊富な動画コンテンツの提供や、睡眠障害リスクチェック後のフォローアップとして看護師による電話相談や睡眠専門クリニックの紹介もします。
Sleep Docのサービスバリューは、睡眠に関する理解促進から計測後の改善施策までをワンストップで提供することです。Sleep Docのご利用を通じ、ご利用者様が睡眠に関する課題意識を持ち、自ら改善行動をすることは、日々のパフォーマンス改善や事故の防止につながり、結果的にご利用者様が属する企業における健康経営の推進にもつながります。
■Sleep Docのサービスバリュー
■Sleep Docの主な特徴
1.Sleep Docでは、ソニーのウェアラブルデバイスmSafety™※4を用いて睡眠時の生体データを取得します。
mSafety™のLTE-M通信を活用することで、スマートフォンとのペアリング設定やデバイス自体の特別な操作をすることなく、安心・安全・簡単に睡眠データを計測でき、当該データは計測終了後に自動でクラウドにアップされます。
2.mSafety™で計測した睡眠データについては、ソニーグループ株式会社及び株式会社ハートビートサイエンスラボが共同開発したアルゴリズムを用いて睡眠時無呼吸症候群のリスク解析を行います。さらに、計測の前に睡眠専門医監修の睡眠に関するセルフチェックをしていただいた場合には、睡眠時無呼吸症候群以外の様々な睡眠障害についても簡易的なリスク解析を行います。
解析結果については、様々な角度から睡眠障害リスクを分析した、秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座の三島和夫教授監修のレポートにて解説します。当該レポートに加え、三島教授による動画コンテンツの内容を学習いただくことで、睡眠に関するご自身の状況をより深く把握することができます。また、Sleep Docを導入いただいた企業のご担当者様には、計測を実施いただいた社員様の統計レポートを提供します。従業員の睡眠課題の傾向把握ができます。
3.さらに、Sleep Docをご利用いただくと、Sleep Docが提携する看護師に、お電話にて無料でご相談でき、レポートに関するご質問やアドバイスを受けることができます。また、睡眠障害リスクの高いご利用者様には、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療に関するサービスを全国展開する帝人ファーマ株式会社と連携し、睡眠障害専門クリニックを紹介します。睡眠に関するお悩みから、生活習慣改善のご相談まで幅広く、お気軽にご相談いただける窓口を用意しております。
■Sleep Docを支える 「慣性センサー疾患スクリーニング技術」
従来、一般的なウェアラブルデバイスにおける心拍や呼吸情報の取得は、LEDを皮膚に照らした際に戻ってくる光を測定して心拍を推定していますが、Sleep Docを支える「慣性センサーによる疾患スクリーニング技術」は、ウェアラブルデバイスの慣性センサー(加速度センサー・ジャイロセンサー)から得られる微細な体動データを、クラウド上で独自のアルゴリズムを用いて解析することで、様々な疾患の兆候を推定します。従来のLEDによる計測に比して、慣性センサーによる計測は、消費電力が少なく、安価であり、服の上からでも測定できるメリットがあります。
当該アルゴリズムの基礎技術開発は、ソニーグループ株式会社と名古屋市立大学の名誉教授であり株式会社ハートビートサイエンスラボの代表取締役である早野順一郎教授との共同研究により実現しました。この研究により開発に成功した技術(脈波や心電図などの生体信号から様々な生体情報を抽出する特徴量エンジニアリング技術を応用し、慣性センサーから睡眠時の無呼吸・低呼吸の推定を行う技術)については特許出願中です。
■Sleep Docの監修医からのコメント
名古屋市立大学 名誉教授、株式会社ハートビートサイエンスラボ代表取締役 早野順一郎様
「睡眠時無呼吸は居眠り事故だけでなく心血管疾患のリスクを高めますが、患者さんの8割は疾患に気づいていません。この度ソニーと共同開発したアルゴリズムにより、睡眠時無呼吸リスクの検出を可能にしました。ご自宅で簡単に計測が可能となり、潜在的な疾患の発見に貢献するものと期待しています。」
秋田大学大学院 医学系研究科 精神科学講座 三島和夫教授
「睡眠時無呼吸症候群や不眠症を始めとする睡眠問題はその頻度の高さからもはや日本の国民病と言われています。睡眠問題の本質は生活の質やパフォーマンスの低下、生活習慣病の悪化など心身への深刻な悪影響です。健やかな睡眠と休養は、個人の健康生活、企業の健康経営、産業事故のリスク低減など社会全体にとって大切です。本サービスを睡眠問題の早期発見と改善にお役立てください。」
■Sleep Docのモニター利用企業様からのコメント
出光興産株式会社 地域創生事業室シニア事業開発グループ 新田 登志夫 様
「運輸業界においてドライバーの事故防止と健康管理は重要なテーマであり、中でも睡眠問題は交通事故と密接に関連しており、対策の必要性を認識しております。 Sleep Docは自宅で簡単に睡眠障害リスクの計測ができ、多くのドライバーに利用いただけるサービスになると感じています。睡眠障害の早期発見と改善により、ドライバーの安全と健康に貢献するサービスとなることを期待します。」
ソニー仙台FC 秋元 佑太 選手
「この度Sleep Docの利用は、自分の睡眠を見直す機会になり、睡眠の重要性を再認識しました。睡眠の質はコンディションやパフォーマンスに影響を与え、自身の睡眠障害のリスクを知ることは大切だと考えています。Sleep Docが多くのスポーツ選手の睡眠問題の改善に役立つことを期待します。」
サプリムは、Sleep Docを通じて睡眠障害による社会損失や、睡眠障害を起因として発展する様々な病気のリスクを未然に防ぐ、未病ソリューションを企業向けに提供し、社会課題解決に向けて貢献して参ります。なお、企業への主な提供方法については、エムスリーが健康経営企業向けにヘルスケアソリューションサービス提供をする、ホワイトジャックプロジェクトと連携し、Sleep Docを提供いたします。
Sleep DocサービスサイトURL:https://sleep-doc.jp/
注釈
※1 Sleep Docは医療行為(診断、治療、予防)を行うものではありません。また、本サービスで用いるウェアラブルデバイスは医療機器ではありません。
※2引用: Benjafield et al. (2019) Estimation of the global prevalence and burden of obstructive sleep apnea: a literature-based analysis. Lancet Respir Med. 7(8):687-698.
※3 引用:「Why Sleep Matters: Quantifying the Economic Costs of Insufficient Sleep」/RAND CORPORATION
引用:Mokhlest B. et al. The effect of sex and age on the comorbidity burden of OSA: an observational analysis from a large nationwide US health claims database. Eur Respir J. 2016; 47(4): 1162-1169
※4 mSafetyは、Sony Network Communications Europe B.V.が開発提供、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が国内展開するソリューションです。詳しくは、こちら https://msafety.sonynetwork.co.jp/
お問い合わせ
株式会社サプリム
Sleep Solution事業部
sleepdoc@sapplym.com