日本政府、ハイチ南部における教育施設再建のため、UNICEFに2億4,500万円の無償資金協力を実施

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2023年10月20日 ポルトープランス(ハイチ)発

日本政府は、ハイチ南部における教育施設再建事業を支援するため、国連児童基金(UNICEF)に2億4,500万円の無償資金協力を供与しました。24カ月間にわたる本事業は、ハイチ国民教育・職業訓練省(MENFP)との協力のもと、地震で甚大な影響を受けた同地域の教育へのアクセスの強化を目的としています。

2021年8月14日にハイチの南県 、グランダンス県、ニップ県の3県を襲ったマグニチュード7.2の地震は深い傷跡を残し、多くの学校が損壊しました。これにより、教育活動は中断され、甚大な人的被害をもたらしました。2,200人以上の命が失われ、1万2,700人以上が負傷し、13万7,000棟以上の家屋が倒壊しました。

この度の日本政府の寛大な資金協力により、ハイチ南部に常設の総合学校が2校建設され、就学前教育から中等教育までの質の高い教育が提供されます。各学校には、事務棟、食堂、バリアフリーの男女別のトイレが設置され、教室や食堂には同地域で作られた家具などの必要な備品が備えられます。持続可能な運営を行うため、学校には太陽光発電による電力が供給され、安定した水の供給を受けることができます。さらに、すべての子どもたちに個人用の学習キットが提供され、子どもたちの教育のニーズにも対応します。

久保雄嗣 駐ハイチ共和国特命全権大使は、「基礎教育は、国の経済的・社会的発展の基盤であるため、日本はハイチの教育環境の改善のための継続的な支援を行っています。この取り組みは、教育の促進という、同国における日本の協力の優先分野に沿ったものです。」と語りました。

本事業の主な目標は、ハイチ南部の子どもたちに質の高い教育を提供するための環境を創出することです。また、これらの学校の建設を通じて、学習への障壁を取り除き、同地域の子どもたちのウェルビーイングの促進にも貢献します。

就学前教育の年齢である3歳~5歳の子どもたち200人と、6歳~16歳の子ども900人の計1,100人が2校に分かれて通学し、この新しい学校の恩恵を受けます。1校あたり9つの教室が設置され、各教室は50人の生徒を収容できるように設計されており、すべての生徒にとって学習しやすい環境が整えられます。

「教育はすべての子どもたちの基本的な権利です。UNICEFは、ハイチ南部の子どもたちに安全で質の高い学習環境を提供する本事業に貢献できることを誇りに思います。本支援は、子どもたちのウェルビーイングに関する長年の懸念に対応したものであり、子どもたちがより良い未来に備えることができるようにするものです。」とUNICEFハイチ事務所代表のブルーノ・マエスが述べました。

本事業は、ハイチ南部地域の子どもたちの教育とウェルビーイングに対する強いコミットメントを体現しています。この取り組みは次世代のためのより良い未来に向けた重要な一歩であり、日本政府の資金協力のもと、UNICEFは地震の影響を受けた子どもたちが質の高い学校に通うことができるように支援を行います。それにより、子どもたちの未来を守り、彼らが自らの可能性を最大限に発揮できるようにするための最良の機会を提供することができます。日本政府とハイチ政府、そしてUNICEFの模範的な協力関係は、ハイチの子どもたちのウェルビーイングへの継続的なコミットメントと、子どもたちのためにより良い未来を築くという共通の決意を表しています。

■ UNICEFについて

国連児童基金(UNICEF)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190以上の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。

※UNICEF国内委員会が活動する33の国と地域を含みます

※UNICEFの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ UNICEF東京事務所

UNICEF東京事務所は、ニューヨーク本部直轄の国連機関事務所として、日本政府からの政府開発援助(ODA)による資金協力や、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)等との連携を促進しています。

UNICEF東京事務所
UNICEF東京事務所は、UNICEFの駐日事務所として、日本政府からの政府開発援助(ODA)による資金協力や、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)等との連携を促進しています。
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