19年前の10月23日に、新潟県中越地震が発生しました。日没後17時56分に起きた地震の罹災状況が明らかになりだしたのは、翌日になってからでした。暗い時間帯の大地震は、停電を伴うことが多く、周囲を見渡すことができなくなります。特に、就寝中では、唐突さもあってパニック状態になりかねません。災害発生後は、行動によって生死をわけることもあります。
「就寝中」に限って言えば、ほとんどの方が自宅にいる時間帯です。備えとして、住み慣れた間取りの中にある危険性に着目して、安全な行動ができるようにしておきましょう。例えば、家具の配置や転倒防止策を講じること。ベッドや就寝場所に、家具が倒れてこないようにします。また、食器棚など、割れやすいものが収納されている場所を把握し、発生後にはその周辺を歩かないようにしましょう。
夜間の災害では、明かりは重要な備えです。懐中電灯などの明かりの設置場所は固定しておきます。探し回る行動は憔悴感をつのらせ冷静さを失いかねません。灯る光は、周囲を見て状況を把握すること、そして落ち着きを取り戻すきっかけになります。
地震発生時(*)は、布団を頭から被る、可能ならばベッドの下に潜るなどし、頭や身体を守りましょう。その時の体勢は、仰向けではなく、四つん這いになって身を小さくします。揺れが収まっても、慌てて素足で動き回る、倒れた家具や落下したものを元に戻すなどの早急な行動はしてはいけません。余震は続くことも多く、割れた食器や窓ガラスで負傷する可能性があります。
地震は時間を選びません。夜間の就寝中では、冷静に対応するのが、極めて困難です。備えとして、家内の危険性を取り除くこと、焦らず落ち着くことを心掛けるように意識しましょう。
◆テーマ
「就寝中に地震が起きたら? 気を付けるべきポイント」
◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
◆監修協力
新井久美子 (救急科専門医)
横山達郎 (麻酔科/集中治療科専門医)
鈴木正敏 (救急救命士)
中山翠
◆印刷用資料ダウンロードリンク
◆就寝中の地震はパニックになってしまう
1995年の阪神・淡路大震災、2016年の熊本地震など過去の地震の多くは、夜〜早朝にかけて発生しています。就寝時に地震が発生すると、心構えができていないことからパニックになってしまうことがあります
◆身を守ろう!
-
激しく揺れているときは、何も行動できないことが多い
-
布団を頭から被ったり、ベッドの下に潜る
-
体勢は、仰向けではなく、四つん這いの体勢に
-
子どもがいる場合、「ダンゴムシになろうね」などわかりやすく伝える
◆揺れが落ち着いたら、避難経路を確保する
-
揺れが収まったら、まずは周囲の安全を確認する
-
避難できるように、部屋の窓やドアを開ける
◆家具の配置に注意
-
阪神・淡路大震災で亡くなった人の原因は、「圧死」が大部分(約3/4)
-
「圧死」を防ぐには、家屋の耐震性強化と家具転倒防止が重要
-
重いものの前で寝るのは避ける
-
就寝位置は、家具の高さ分だけ離れるか、家具の脇にする
◆光(明かり)はとても大事
-
停電が起きることを覚悟する
-
全部屋に明かりを設置する
-
複数設置する
-
設置場所を把握する
-
ポータブル電源、発動発電機もオススメです
◆してはいけないNG行動
-
慌てて動いてしまう
-
不要不急の連絡をする
-
倒れた家具・落ちたものを元に戻す
-
素足で動き回る
-
揺れている最中に窓を開ける
◆地震はいつ起こるかわかりません
-
一瞬の判断が生死を分けることもある
-
地震発生時は「あわてず、落ち着いて」行動することが重要
◆参考資料
・国土交通省
・総務省消防庁
*関連マンガシリーズ
【震災に備える】発生時の正しい行動と帰宅方法
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
※画像など当コンテンツを報道にて引用いただく場合は、「(株)Smart119 提供」と記載ください。また、その際はpress@smart119.bizまでご一報いただけますと幸いです。
<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療情報システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「レスポンサム(respon:sum)」の開発・運用を行っています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。
【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容:
音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「レスポンサム(respon:sum)」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)