【2023年10月10日 ジュネーブ/エレバン(アルメニア)】
ユニセフ(国連児童基金)が支援し、ここ数週間、アルメニアから逃れてきた子どもと家族に専門的なケアを施しているソーシャルワーカーからの報告によると、到着した難民の子どもたちは、深刻な心理的苦痛を抱えている兆候を示しています。
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ユニセフはパートナーと協働し、1日に最大300人の子どもに対応できる、2つの安全な空間をゴリス市に設置しました。そこで支援を行うソーシャルワーカーたちは、子どもたちが悲しみ、不安、恐怖、怒りといった激しい感情に襲われており、それが悪夢や夜尿症、泣き止まないといった形で現れていると報告しています。また、心を閉ざしてしまい、感情を表現したり、周囲と関わりを持ったりすることができなくなっている子どももいます。
2週間前に彼らの出身コミュニティで敵対行為が激化して以来、3万人以上のアルメニア系住民の子どもたちがアルメニアに到着しました。避難を余儀なくされたことに加え、アルメニアに到着した子どもたちは、継続的に質の高い教育を受けることができず、家族が攻撃の恐怖を訴えるなど、危険あるいは不安定な環境で暮らしています。
ユニセフ・アルメニア事務所代表のクリスティン・ヴァイガントは、「私たちは今、子どもたちがどれほど苦しんでいるかを目の当たりにしています。避難生活と敵対行為、さらには喪失感が、子どもたちの心身の健康と心理的ウェルビーイングに大打撃を与えています。持続的な支援がなければ、子どもたちは今後何年にもわたり、こうした深い苦しみを伴う出来事の影響を背負い続ける危険があります」と、述べています。
ヴァイガント代表はまた、「ユニセフは、10月10日の世界メンタルヘルスデーに際し、保健、子どもの保護、教育の各制度を通じて、子どもたちのメンタルヘルスケアと心理社会的サポートに十分な投資を行うよう呼びかけています。このことは、早期特定と即時支援という観点からだけでなく、家族が喪失や心的外傷後ストレスに対処し続けるという長期的な観点からも同様に重要なのです」とも述べています。
ユニセフは、アルメニア政府およびその他のパートナーと協力して、難民の子どもたちが、直面する困難を克服するために必要なケアや支援を受けられるよう、現地で支援を行っています。またユニセフは、心理的応急処置と心理社会的サポートを提供できるよう、現場の専門家を訓練し支援しています。ユニセフはアルメニア保健省と共に移動式小児科チームを結成し、メンタルヘルス上のニーズを特定し、それに対応するためのスクリーニングを、国内でより広範に展開できるようにしています。
ユニセフは、初めの半年間に教育、保健、子どもの保護、栄養、水と衛生に関する重要なサービスを提供するために必要な資金として、1,260万米ドルを国際社会に要請しています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/