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開催レポート
■ 新規奨学生証書授与式・懇親会
・当財団理事長川野幸夫より新規奨学生へ証書授与
奨学生証書授与式には、北海道から広島まで全国各地の大学医学部で学び小児医学を志す9名の医学生が、2023年度の新規奨学生として出席しました。どの奨学生も緊張の面持ちで、理事長からの奨学生証書を受け取っていました。式には、既に当財団の奨学生となっている6名も出席し、先輩奨学生として温かなまなざしで見守りました。
・新規奨学生代表者の決意表明
今年度からの新規奨学生を代表して、1名の奨学生が決意表明を行いました。幼いころの自身の経験から医師を目指すようになったこと、また、これから子どもたちとそのご家族の健康と幸福に寄り添える医師になりたいことなど、熱い想いを表明しました。
奨学生のみならず、理事長、来賓、そして事務局一同改めて身が引きしまる内容となりました。
・懇親会でのメッセージフラッグ
懇親会では、事務局がメッセージフラッグを用意し、当日出席した奨学生の皆さんに、心に描く「なりたい医師像」を記入してもらいました。どのメッセージにも、子どもたちの健やかで明るい未来につながる熱い志が込められていました。
このメッセージは、授与式に出席した奨学生の方々から毎年いただき、歴代の奨学生をつないでいく予定です。
■ 医学生のためのコミュニケーション研修
医療現場においては、「患者さんを怒らせてしまった」「良かれと思ってしたことの真意が伝わらなかった」など、コミュニケーション不足に起因する様々な問題があります。質の高い医療を提供できる人材となるためには、医療の知識や技術だけでなく、患者さんやそのご家族はもちろん、ドクターやナースの方々と丁寧で緻密なコミュニケーションをはかる力が必須です。
そのため、全国から奨学生が集まる機会を利用して同日、医療現場で働く前の医学生にコミュニケーションの基礎を身につけてもらうための研修を実施しました。研修は、医療現場に限らず普段の学生生活や日常生活で実践できるものとなっており、医師が医療現場で求められる「正解がないコミュニケーション」を図る際に、臨機応変に考え表現できる人材を育成することを目的とした内容になっています。
・講師:松田幸子氏 YOU企画代表
大学卒業後大手電機メーカー教育部にてユーザー研修に携わり、ユーザーインストラクター養成などを担当。
退社後は、企業研修講師、大学・短期大学非常勤講師、人材育成コンサルタントとして活動。
医療機関における接遇・クレーム対応・PS向上の研修実績も多数。
現在は、大学看護学部にて「看護のためのコミュニケーション論」 を担当。
・内容:
➀コミュニケーションの基本と重要性
②感じの良い話し方
③<実習>話の聴き方
④<実習>正しい情報伝達
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参考:医学生の「コミュニケーション能力」に対する意識について
当財団は今年5月に、「医学生の志望理由・学生生活・進路に関する意識調査」を発表しました。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000104845.html
調査は、全国の大学医学部医学科に通う、医学生166名を対象にアンケートを行いました。その調査の「医師に必要だと思うことは何ですか」という質問では、「コミュニケーション能力」は「医学の知識と技術」に次いで2位となりました。医学生は医師になるための一つとして、「コミュニケーション能力」を重要視しており、今回の研修はその基礎を育成することを目的に実施いたしました。
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奨学生参加者のアンケート結果
Q.1奨学生証書授与式の満足度を教えてください ※参加者14名のうち13名が回答
満足11名(85%)/やや満足1名(7.5%)
普通1名(7.5%)/やや不満足・不満足0名(0%)
Q.2上記を選択した理由を教えてください
・同じ奨学生のみなさんと出会えて、それぞれの方々が考える未来像や理想、やりたいことなどを熱く語っていて、自分も頑張りたいと刺激をもらえたからです。また理事長や選考委員の方々とお話しできたのもとてもいい機会になりました。(5年生)
・奨学生証書をいただくことで、改めて感謝の気持ちと、勉学に励もうというモチベーションが上がりました。(2年生)
Q.3コミュニケーション研修の満足度を教えてください ※参加者10名のうち9名が回答
満足6名(67%)/やや満足2名(22%)
普通1名(11%)/やや不満足・不満足0名(0%)
Q.4上記を選択した理由を教えてください
・コミュニケーションの基本的なことを教えてもらう機会が初めてだったので今後に活かせると思いました。(2年生)
・「人と関わる際にはすべてコミュニケーションが発生する」ということを痛感させられ、とても良い機会になりました。人の話を聞くだけの場合でも、精一杯の表現をしなくてはならないのだと学べた、とても有意義な時間でした。(4年生)
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奨学金給付について
当財団では、小児医学の永続的な発展のためには人材の育成・輩出が重要であるという考えから、1990年に小児医学を志す医学生への奨学金事業を開始しました。現在は埼玉県内または千葉県内の高校を卒業し、小児科医や小児医学研究者を目指す医学生を対象として、月額7万円を給付しています。2023年度までで当財団の奨学生は114 名となり、卒業生の多くが第一線で医師として活躍をしています。
新たに当財団の奨学生となった医学生に、当財団の奨学生としての意識を持ち、充実した大学生活を送ってもらうため、授与式にご参加いただいています。また、奨学金という経済的な支援とは別に、コミュニケーション研修のようなプログラムの提供も行っています。
<財団概要>
財団名: 公益財団法人川野小児医学奨学財団
所在地: 〒350-1124 埼玉県川越市新宿町1-10-1
理事長: 川野 幸夫(株式会社ヤオコー 代表取締役会長)
設立: 1989年12月25日
行政庁: 内閣府
URL: https://kawanozaidan.or.jp/
TEL: 049-247-1717
Mail: info@kawanozaidan.or.jp
事業内容: 研究助成/奨学金給付/小児医学川野賞/医学会助成
小児医療施設支援/ドクターによる出前セミナー