2023(令和5)年 9月 24日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
<発表のポイント>
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ヒト細胞内総タンパク質を疎水性度と分子量で2次元分離する新規法を開発しました。これにより、患者さんのわずかな末梢血から、疾患の診断等に役立つ自己抗体を効率的に同定することが可能となります。
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プロテオミクス解析用の2次元分離膜を安価に再現性よく大量に調製可能で、大規模スクリーニングを行うことが可能となります。
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実際に26種類の自己抗体バイオマーカーを発見しており、免疫モニタリングシステムの高精度化に貢献します。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の学術研究院ヘルスシステム統合科学学域(工)の二見淳一郎教授と、大学院ヘルスシステム統合科学研究科博士後期課程の伊達実鈴大学院生は、培養細胞中の総タンパク質から核酸などの不純物を取り除いた後、変性状態の総タンパク質を水溶性で抽出する独自の技術の開発に成功しました。この技術を活用し、総タンパク質を疎水性度(HYD)と分子量(MM)に基づいて、再現性よくHYD/MM-2次元で分離する新しいプロテオミクス技術を開発しました。
さらに、実際に肺がん患者からの微量の血漿検体を使用して、この技術を用いた実験を行い、26種類の有望な自己抗体バイオマーカーを発見し、免疫プロファイリング・モニタリング技術開発に活用できることも示しました。この手法は一般的な生化学実験設備があれば再現性の高いプロテオミクス研究を行うことができ、大規模なスクリーニングにも適しています。
この研究成果は2023年8月28日、タンパク質科学会誌「Protein Science」にオンライン版として掲載されました。
◆研究者らからひとこと
患者さんから提供していただく貴重な血液検体に含まれる自己抗体バイオマーカーを効率的に探す方法を開発しました。実験作業はまるで「宝探し」ですが、変性状態のタンパク質を取り扱う技術を駆使して、効率的に宝探しができる技術を開発することができました。この宝物を並べれば免疫が関わる様々な疾患に対する個別化医療を実現するツール開発につながると思います。
◆論文情報
論 文 名:Hydrophobicity and molecular mass-based separation method for autoantibody discovery from mammalian total cellular proteins
掲 載 紙:Protein Science
著 者:Mirei Date, Ai Miyamoto, Tomoko Honjo, Tsugumi Shiokawa, Hiroko Tada, Nobuhiro Okada, Junichiro Futami
D O I:10.1002/pro.4771
U R L:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pro.4771
◆研究資金
本研究は、日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業(基盤B :22H01881)および科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム(START)(JPMJST1918)の支援を受けて実施しました。
◆詳しいプレスリリースについて
新規で安価なプロテオミクス技術の開発に成功!~個別化医療の精度を上げる自己抗体バイオマーカー探索の強力ツールに~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230919-1.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学学域(工学部・化学・生命系)蛋白質医用工学研究室(二見研究室)
https://www.okayama-u.ac.jp/user/proteng/
・岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科
https://www.gisehs.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学 工学部
https://www.engr.okayama-u.ac.jp/
◆参考情報
・【岡山大学】がんと免疫の戦歴と戦況を評価する技術が実用化に近づく ~網羅的な自己抗体バイオマーカー測定の定量性を保証するシステムを構築~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000700.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域(工学部 化学・生命系)教授 二見淳一郎
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中3-1-1 岡山大学津島キャンパス 工学部6号館 460室
TEL:086-251-8217
https://www.okayama-u.ac.jp/user/proteng/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2023年9月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001623.000072793.html
岡山大学「THEインパクトランキング2021」総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください