守山市では、地方創生の1つとして「起業家の集まるまち守山」に向けた取り組みを進めています。こうした中、今回は起業家をはじめとする企業経営者の健康面に焦点を当てました。一般的な起業のイメージでは、ストレスフルで規則正しい生活が難しく、不健康なイメージがあり、起業家・経営者になるには心理的ハードルがあると考えています。
そこで、行政である守山市は、上記ハードル(課題)の実態を把握すると共に、より健康的な起業機会を創出すべく、ヘルスケア事業に関わるイヴケア社とユーグレナ社の最先端ヘルスチェックサービス及びバイオテクノロジーを用いて、企業経営者の健康面のサポートの可能性を探ります。
今回の実証実験を通じて、地域課題の解決とヘルスケア事業振興の両立に向けた取り組みを推進していきます。
【実証実験の概要】
事業名:守山市健康起業プログラム
期間:2023年9月7日(木)から10月11日(水)まで
主催:守山市、株式会社イヴケア、株式会社ユーグレナ
協力:守山商工会議所青年部
参加者:18名(守山商工会議所青年部会員、守山市長)
内容:
プログラムに参加する起業家・経営者の方々が、実証実験開始日に、最先端ヘルスチェックサービス2種(①、②)を受診、合わせて期間中は毎日、サプリメント(③)を摂取します。期間終了時に、再びヘルスチェックサービスの診断を受けることによって、実証実験前後の健康状態の変化を確認します。また、診断結果を基にした講座を受講し、ストレスに対する基礎的な知識の習得をします。
①毛髪によるストレス診断(イヴケア社)
診断に必要なのは毛髪10本程度で、独自のストレス解析技術により、高効率・高精度に分析します。心と身体の健康状態を、長期的、かつ客観的に知ることができます。
ストレスをどれだけ感じていたか(ストレスの強さ)だけでなく、将来に向けたストレスへの抵抗力も一緒に測定することができます。
②尿検査による栄養診断(ユーグレナ社「ユーグレナ・マイヘルス」)
ユーグレナ社が栄養検査ベンチャーのユーリア社と共同研究、および開発している簡易迅速尿検査サービスです。尿をかけた検査キットをスマートフォンの専用アプリで撮影すると、約2分で栄養バランスをチェックできます。測定できる項目は、ビタミンやミネラルなど直近の食生活に関連するものから、酸化ストレスなど日々の生活環境が関連するものまで幅広く対応しています。
③サプリメント「からだにユーグレナ 睡眠・ストレスWサポート 機能性表示食品」提供(ユーグレナ社)
睡眠の質・ストレスにWで働く機能性表示食品です。自然豊かな石垣島で育った微細藻類ユーグレナの59種類の栄養素を一度に摂ることができます。本品に含まれるユーグレナグラシリス由来のパラミロンには、作業時の一時的なストレスを緩和する機能、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善する機能が報告されています。
④結果説明会+ワークショップ1日(守山市、イヴケア社、ユーグレナ社)
診断結果とストレスに対する認知傾向のアンケートデータを活用し、自身のストレス度合いや落ち込んでいる原因を分析します。自己認識とのズレや陥りやすい認知傾向等を理解することで、パフォーマンス低下の予防に役立てます。基本的な知識が学べる講座です。
【森中高史 守山市 市長のコメント】
守山市では、8月14日に新庁舎の供用を開始し、「まちのDX」や「オープンイノベーション」を強力に進めてまいります。今回のように、市外の企業や起業家の皆様と繋がり、本市に関わっていただくことで、地域の企業や事業者が元気になり、まちが活性化すると考えています。こうした官民連携事業を進めるため、守山市を実証実験のフィールドとしていただき、今後も積極的に新技術・新サービスへの挑戦を受け入れてまいります。
【五十棲計 イヴケア社 代表取締役社長CEOのコメント】
株式会社イヴケアは、「優しい眼差しに満ちたWell-beingな社会の実現」を目指し、2019年に滋賀大学で初めての第一号認定ベンチャー企業です。私たちは、これまで滋賀大学様からのご協力だけでなく、滋賀発成長産業発掘・育成コンソーシアム様やそこから生まれた滋賀テックプランターの仕組みなど、滋賀県のスタートアップを見守る地域性に支えられて成長をしてきました。その成果として、昨年7月に「ストレスと向き合い働く方々」に向けたサービスとして「ストレスバイタリティチェック」として、リリースいたしました。今回の取り組みでは、守山市様の「起業家が集まるまち守山」というコンセプトに大きな共感と感銘をうけ、これまでに支えていただいた滋賀に我々の得意な「健康」という文脈で貢献したいと思い参画をしております。今回、我々のサービスを受けていただく経営者の方々にとって、心の健康増進に繋がるプログラムとなるよう、皆さまと協力をして参ります。
【出雲充 ユーグレナ社 代表取締役社長のコメント】
日本経済を成長に向け盛り上げていくためにはスタートアップによる活力が必要です。しかし、起業数はアメリカやヨーロッパに比べ、低い水準で推移しています。政府は、2022年を「スタートアップ創出元年」とし、各種政策を推進していることもあり、スタートアップを取り巻く環境は徐々に向上していますが、さらなる支援強化が必要です。その1つが「健康面」。健康であればあるほど、経営や業績の安定にも繋がると思っています。ユーグレナ社は栄養豊富な微細藻類ユーグレナを使ったサプリメントと、栄養に関するヘルスチェックの最新技術を用いた検査キットを提供することによって、フィジカル面でのサポートを目指します。起業にまつわるストレスフルなイメージを変えていくべく、「起業家の集まるまち守山」で経営者の新たな健康チャレンジに挑んでいきます。
<「起業家の集まるまち守山」について>
守山市は、地方創生の柱に「起業家の集まるまちづくり」の実現を掲げ、起業創業支援に取り組んでいます。こうした取り組みの一環として、地域を挙げて応援するための機運醸成や受入環境の整備を積極的に進め、市内外から起業家が集まる、本市が市内外の起業家とのハブになることを目指しています。
<株式会社イヴケアについて>
私たちの目的は、Well-beingに満ちた社会を実現し、人々のQOLの向上に貢献することです。そのためには、「カラダの健康」と「ココロの健康」を保持‧増進する社会的な仕組みをつくる必要があり、私たちはそのお手伝いをしていきます。そして、個人の健康とその先にある幸福を見守り、優しさに満ちた社会の実現を目指します。
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。