「脱炭素を、難問にしない」のビジョンのもと、社会課題解決に挑戦する気候テックカンパニーのレジル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:丹治保積、以下 当社)は、一括受電サービス導入マンションに設置している2台の蓄電池において、最適アービトラージ※1制御を開始いたしました。
当社は、防災レジリエンス強化の機能を付加した一括受電サービスの「マンション防災サービス※2」を通してマンションへの蓄電池設置を進めており、2030年までに設置数は3,000台に達すると見込んでいます。時間帯による電力価格差を活用した蓄電池のアービトラージ制御によって、当社は電力調達のコストを低減できるため、結果としてマンション防災サービスの収益性向上につなげることができます。
また、蓄電池設置数の増加に伴い、需給調整市場への調整力の供出等、蓄電池の用途を広げてさらなる収益性拡大を図ってまいります。RAシステム※3の機能開発も進めており、2024年度中には、複数用途での制御を最適化する複合制御ロジックの実装を目指しています。
※1 小売電気事業者が、卸電力市場等を通じて電力価格の差益を得る取引。30分毎に単価が定まっており、安い時間帯に充電、高い時間帯に放電を行う
※2 マンション敷地内に太陽光発電システムと蓄電池を設置し、停電時にも共用部の電気を使用できる。設置にかかる初期費用はレジルが負担
2023年4月から提供開始。詳細:https://denryoku.co.jp/bousai/
※3 リソースアグリゲーターシステム
■背景
当社は、約2,200棟 17.5万世帯にマンション一括受電サービスを提供していますが、災害時の停電対策へのニーズの高さが高まっていることから、2023年4月よりマンション防災サービスの提供を開始し、災害停電時にマンション共有部に電気を供給するための蓄電池および太陽光発電システムをマンション敷地内に設置します。
ただ、蓄電池はマンションの防災レジリエンス強化に寄与する設備である一方、高価な初期導入費用を当社が負担するため、平常時の充放電による費用回収が重要なテーマとなっています。
■蓄電池の最適アービトラージ制御のメリットと今後について
当社の顧客基盤である一括受電マンションの電力需要パターンを分析の結果、JEPXの価格パターンと近しく、大きな需要変動も生じにくいことが分かりました。そこで、時間帯による電力価格差を活かしたアービトラージに着目して収益最大化ロジックを開発しました。このロジックを実装したRAシステムで蓄電池の充放電を制御することで、電力調達コストを低減※4し、蓄電池の初期導入費用の効率的な回収に寄与します。
マンション防災サービスの導入拡大により、2030年にはアービトラージ制御できる蓄電池数を3,000台程度まで増加させ、マンション防災サービスによる収益インパクトを高めるとともに、需給調整市場・容量市場への調整力の供出等、用途も広げていきます。今後は、RAシステムの機能開発も進め、2024年度には、複数用途での制御を最適化する複合制御ロジックを実装し、収益性のさらなる向上を実現します。
マンション防災サービスの成長にともなう制御リソース及び蓄電池制御システムの機能拡大により、マンションVPPネットワークを作り、各種電力市場へのサービス提供を進め、さらには開発したシステムを活用した他社展開を推進していきます。
※4 レジル株式会社の子会社である中央電力エナジー株式会社が一括受電マンションへ電力供給する小売電気事業者として電力を調達
■レジルの蓄電池活用の取り組み
<マンション防災サービス>
太陽光発電システムと蓄電池をマンションに設置。創電・蓄電した電気を、平常時はアグリゲーションビジネスに活用、災害停電時はマンション共有部に放電し、安心安全な在宅避難を可能にします。初期費用はレジルが負担。
<蓄電池活用によるビルのBCP対策強化プロジェクト>
蓄電池をビルに設置。蓄電した電気を、平常時はアグリゲーションビジネスに活用、災害停電時はビルの共有部およびテナント専有部に放電し、企業のBCP対策を強化します。初期費用はレジルが負担。
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企業情報
会社名 : レジル株式会社 ※2023年9月1日に中央電力株式会社はレジル株式会社に社名変更しました
代表者名:代表取締役社長 丹治保積
本社所在地 :東京本社 東京都千代田区永田町2-13-5 赤坂エイトワンビル2階
設立日:1994年11月21日
資本金:1億円
会社HP:https://rezil.co.jp
事業内容:分散型エネルギー事業、エネルギーDX事業、グリーンエネルギー事業