鳴り砂カルチャーふしぎ探究隊!琴ヶ浜の文化と砂をとことん体験しました。

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一般社団法人海と日本プロジェクトinしまねは、小学5~6年生20名に鳴り砂の浜・琴ヶ浜の不思議を学び、体験してもらうことで、海への興味・関心を高めようと2023年8月26日(土)~27日(日)の2日間に島根県大田市仁摩町馬路の琴ヶ浜にて、「鳴り砂カルチャーふしぎ探究隊!」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

  • イベント概要

・開催概要:日本三大鳴り砂の浜の一つ琴ヶ浜で、鳴り砂がなぜ鳴るのか?なぜ人々と密接な関係にあるのか?鳴り砂のピンチとは?さまざまな視点で”砂浜”の魅力と不思議を知るイベント

・日程:2023年8月26日(土)27(日)【1泊2日】

・開催場所:琴ヶ浜(島根県大田市仁摩町)仁摩サンドミュージアム(島根県大田市仁摩町)

・参加人数:20人(島根県内の小学5~6年生)

・協力団体:島根大学、大田市教育委員会、馬路まちづくりセンター、馬路おこし会、琴ヶ浜盆踊り保存会、馬路町体育協会、B&G琴ヶ浜海洋クラブ、仁摩サンドミュージアム

  • 1日目:鳴り砂ってどんな音?

砂浜を歩くとキュッキュと鳴る「鳴り砂の浜」は国内に30カ所程しかなく、中でも砂浜のほぼ全体約2kmに渡って鳴り砂が広がる島根県大田市の琴ヶ浜は日本三大鳴り砂の浜の一つとされていて、とても貴重な海洋資源で、国の天然記念物にも指定されています。また、琴ヶ浜には琴姫伝説が語り継がれ、盆踊り、大運動会など古くから地域住民と密接な関係にあります。

鳴り砂カルチャーふしぎ探究隊の隊員たちは、まず琴ヶ浜はどんな音がするのか?なぜ鳴るのか?について科学的に探究しました。

子どもたちが砂浜を歩くと「ギュー」「キュッキュ」などいろんな音が鳴りました。砂がこすれるようにすり足にした方がよく鳴るなど、歩いてみるといろいろなことが分かりました。その砂をデジタル顕微鏡で見てみると…透明に輝く小さな丸い石がたくさん!正体は石英と呼ばれる鉱物で、石英を多く含む砂浜は、こすれると 「キュッキュ」と音をたてます。

このような不思議な砂浜は日本や世界の各地にあり、ハワイのグリーンサンドや、ブラックサンド、ホワイトサンドや、島根県松江市小波の微小貝の浜など色や形はさまざまです。子どもたちはこれらの”砂”を顕微鏡で観察するなどして、砂浜の多様性を学びました。

■鳴り砂の音 動画① https://youtu.be/IpQWXmDjFB0

■鳴り砂の音 動画② https://youtu.be/CgoL4fgnUF0

(左)観察の様子(右)琴ヶ浜の砂 白い粒が石英(左)観察の様子(右)琴ヶ浜の砂 白い粒が石英

  • 1日目:琴ヶ浜には文化がいっぱい!

琴ヶ浜は平安時代末期から伝わる琴姫伝説や、江戸時代から盛んな砂浜盆踊り、戦後70回以上の歴史をもつ砂浜大運動会など古くから伝わる文化があり、琴ヶ浜は馬路の人たちにとても愛されています。

盆踊り体験では保存会の皆さんと一緒に踊り、盆踊り初体験の子どもが多い中、すぐに習得することができました。

さらに砂浜大運動会は馬路町体育協会の皆さんに教えていただきました。「地元以外の人たちに今回のように体験として実施するのは初めて!」と協会の方々も意欲満々の様子で、子どもたちを2つのチームに分け、砂浜リレーと、しおくみリレー対決を行いました。どちらも大接戦の大熱戦に!鳴り砂の浜は他の浜と違ってフカフカで、足を取られる中、必死で走り抜けました!運動会のあとは、SUP体験やスイカ割りで大いに盛り上がりました!

■熱戦動画!しおくみリレー https://youtu.be/IU8gEMe7u8I

■接戦動画!なりすなリレー https://youtu.be/pZGBOVP6Zrs

  • 2日目:砂浜がピンチ!砂浜クリーンアップ作戦!

現在、環境悪化や文化継承などの問題によって、琴ヶ浜の砂浜に危機が迫っています。地球温暖化の進行による海面上昇や、護岸や砂防工事で砂の供給ストップによる砂浜の減少や海洋汚染、マイクロプラスチック問題など、このままでは鳴り砂が鳴らなくなる様々な問題を抱えています。イベントでは海洋工学の専門家を招き、琴ヶ浜を守ってきた人工リーフなどの海洋構造物について学び、さらに、地域の人たちとごみ拾いを実施し、ごみ問題についても触れました。

鳴り砂の天敵の一つがマイクロプラスチックで、小さなプラスチックが砂に混ざると鳴らなくなります。実際、砂浜の海側は鳴りますが、陸側は鳴りません。これは、海側の砂は海によって洗われ、綺麗になりますが、陸側は徐々にマイクロプラスチックが増えることにより鳴らなくなっているのです。また陸側は砂防対策から重機によって踏み固められているのも鳴らない一因です。子どもたちは実際に見て、触れて、聞いて、鳴き砂の浜は地域の人で日々行う清掃活動によって守られているということを学びました。

  • 大田市の新たな学習に活用へ

砂浜はかつて消滅の危機にあり、護岸による砂浜減少、防波堤設置による”音”の悪化など、地球温暖化や海面上昇による悪影響も危惧されている中、試行錯誤の末、人工リーフにより砂浜や音が守られ、自然、文化を守ろうという活動が復活しつつあるということを、琴ヶ浜のミクロな海の生き物の学習などから学んだ子どもたち。琴ヶ浜の”稀有なCULTURE”をどう守り、伝承するのか2日間で学んだことのまとめ学習を行いました。

今回のイベントには大田市内の教職員が視察に訪れました。本イベントを基に、大田市内の小学校での新教育プログラムの構築を目指し、今年度中に実施する計画です。

また、本イベントの学びを広く発信するため、新教育プログラムで使用する学習ノートには、隊員たちが感じた学びについて深く盛り込む予定です。

  • 参加した子ども・保護者からの声

参加した子どもからは「鳴り砂の浜は海が汚れたら鳴らなくなる。だから海や巣は浜が汚れていることに気付くことができる。でも普通の砂浜は鳴らないから、なかなか海や砂浜の危機に気付くことができない。これからは海の異変に気付けるようもっと耳を澄まし、注意深く海に接していきたいです。」「SUP体験が一番楽しかったです。SUPで沖に出たら海がとても綺麗でびっくりしました。でも岸に帰ったら砂浜にごみがありました。家族などで琴ヶ浜に来た時は、みんなでごみ拾いをしたいです」「いつも家族で運動しています。これからは運動の代わりにごみ拾いをやって、海をきれいにしたいです」などこれから海を守っていきたいという声が多く聞かれました。

保護者からは「夏休みの最後に良い思い出づくりになりました」「費用がかからないため、参加しやすく助かっています」との声が聞かれました。

<団体概要>

団体名称 :一般社団法人海と日本プロジェクトinしまね

URL:https://shimane.uminohi.jp/

活動内容:海と日本プロジェクトの活動の一環として、島根の海に密着したイベントの開催や情報発信、また、ごみ拾い活動や推進を行い、海を未来につなぐ活動をしています。

日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。

海と日本PROJECT【日本財団】
日本全国の海に関する様々な情報を日本財団「海と日本PROJECT」がお届けします。おでかけにぴったりなイベント情報や、海の現状を知る最新調査報告など、海を知って、海を思い、海に集うための情報が満載です。

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