介護保険居宅サービスの最新動向

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高齢者住宅・居宅サービスのデータベースとコンサルティングを提供する株式会社タムラプランニングアンドオペレーティングは、7月末日、TPデータ・サービス「2.介護保険居宅サービスデータ〔全国版〕」2023年度上半期号を発行いたしました。
当商品は、全国を網羅した介護保険居宅サービスに関する業界随一のデータ集であり、訪問介護、デイサービス、居宅介護支援をはじめ、17種類・約18.4万ヶ所の介護保険居宅サービスを収録しております。事業所名、事業主体、所在地、介護保険事業所番号等の基礎情報のほか、スタッフの常勤換算人数、定員数等の詳細情報も提供しております。
この度、「2. 介護保険居宅サービスデータ〔全国版〕」2023年度上半期号及び既存発表データを用いて、介護保険居宅サービスの最新動向に関する分析を行い、主要サービスの開設動向に加え、近年、増加傾向の著しい訪問看護の現況等を明らかにしました。

■介護保険居宅サービスの最新動向に関する分析

 ●主要サービス事業所数推移

 訪問介護、訪問看護の増加傾向続く一方、居宅介護支援の減少傾向が鮮明に

訪問介護、訪問看護の増加傾向が続いている。2023年1月から2023年7月にかけて、訪問介護は244ヶ所増、訪問看護は444ヶ所増となっており、いずれも2020年以降のコロナ禍においても増加傾向が続いている。特に、訪問看護は、ホスピス系の㈱アンビス並びに日本ホスピスホールディングス グループ、精神疾患者向けサービスを提供する㈱ファーストナースなど、従来とはタイプの異なる訪問看護事業者の動きが目立っている(次項で詳細に分析)。

一方、居宅介護支援は減少傾向が鮮明となっており、2023年1月から2023年7月にかけて、422ヶ所減で推移している。但し、同サービスの利用者は増加傾向が続いており、大手運営事業者を中心に、事業所の再編や効率化などが一層進んでいると考えられる。

また、デイサービス(※地域密着型を含む)は2023年7月時点で44,304ヶ所となり、ほぼ横ばいで推移している。近年のコロナ禍によって大きな影響を受けたものの、デイサービス全体としては、事業所数に大きな変動は見られていない。

●訪問看護(1)

 「精神疾患系」、「ホスピス系」オペレーターがランキング上位に進出

近年、訪問看護は、在宅における医療ニーズの高まりによって、事業所数の増加が顕著となっており、下記では、訪問看護事業所数ランキングの2018年7月時点及び2023年7月時点を比較している。

この中で「精神疾患系」(精神疾患系の利用者に特化した訪問看護を運営するオペレーター)及び「ホスピス系」(がん末期等の医療依存度の高い利用者が入居対象となる「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」を運営するオペレーター)オペレーターの上位進出が目立っており、2018年7月時点では、「精神疾患系」の㈱N・フィールド1社のみであったのに対し、2023年7月時点では、「精神疾患系」の㈱ファーストナース(1位)、「ホスピス系」のシーユーシー グループ(4位)、㈱アンビス(9位)、日本ホスピスホールディングス グループ(16位)と従来のスタンダードな訪問看護とは異なるタイプのオペレーターがランキング上位に進出している。

このように、訪問看護のサービス内容は5年前に比べ多様化しており、同サービスは、今後も「精神疾患系」や「ホスピス系」等、幅広いニーズが求められていくと予想される。

●訪問看護(2)

 「ホスピス系」訪問看護の事業エリアは首都圏が中心

下記グラフでは、前項の訪問看護における「精神疾患系」及び「ホスピス系」オペレーター5社の事業エリアを見ている。

「精神疾患系」の㈱ファーストナースは、北関東エリア(49ヶ所)が最多となり、以下、首都圏(35ヶ所)、東海(28ヶ所)と続く。関西エリア以西では開設がなく、同社の事業エリアは東日本限定となっている。一方、同じく「精神疾患系」の㈱N・フィールドは、8つのエリアすべてで幅広く開設しており、㈱ファーストナースとは対照的なエリア展開となっている。

「ホスピス系」では、3社ともに首都圏エリアの割合が最も高く、概ね50%を占めている。次いで、東海エリアも概ね15~30%と一定の割合を占めている。但し、関西エリアでの開設は少なく、さらに、中国・四国エリア及び九州エリアでの開設は見られず、エリアによって偏りが大きい。

また、同オペレーター5社の2021~2023年における開設状況を見ると、首都圏エリアが最も多く、次いで、㈱ファーストナースの進出が目立つ北関東エリアと続く一方で、関西エリア以西における開設数は少ない。

西日本は、比較的、東日本より医療機関が充実している傾向が見られるが、今後、上記オペレーターの事業エリアが西日本へと拡大していくかが注目される。

※本資料に掲載の情報・図表の無断転載を禁じます。

■TPデータ・サービス

高齢者住宅に特化した開設支援コンサルタントとして長年の実績を持つ株式会社タムラプランニング&オペレーティングは、2005年より高齢者住宅や介護保険居宅サービス等のデータ・分析レポート集(TPデータ・サービス)を提供しております。全国の高齢者住宅・施設、介護保険情報公表制度対象外の住宅型有料老人ホーム、分譲型ケア付きマンションや居宅サービス事業所までも網羅する等、他の追随を受けない業界最大のデータ・サービスです。

2023年度版TPデータ・サービスでは、「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」、「2.介護保険居宅サービスデータ〔全国版〕」、「3.自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ」を中心に、「1-a.高齢者住宅データ〔地域分割版〕」、「1-b.高齢者住宅データ〔分析レポート〕」、「2-a.介護保険居宅サービスデータ〔地域分割版〕」、「2-b.介護保険居宅サービスデータ〔分析レポート〕」、「3-a. 自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ〔地域分割版〕」、「3-b. 自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ〔分析レポート〕」を提供しております。「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」では、高齢者住宅・施設のデータ及び分析レポート、オープン予定ホーム情報や公募情報等を提供するホームページサービス等で構成され、ワンストップで高齢者住宅の概況を把握できる商品となっております。

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