笠寺観音 全景（中央：本堂）
■改修工事について
笠寺観音は尾張の名刹として約1300年の歴史を持ち、お堂の修理、改築、新築、境内整備など、10年にわたり再整備事業が行われて参りました。中村社寺は、2002年に玉照堂・六地蔵堂新築を承り、2020年より現在の本堂建立以来最大となる本堂改修・護摩堂新築、信徒会館新築・庫裡新築、境内整備と3年に渡り取り組ませて頂きました。
■笠寺観音（笠覆寺）とは
笠寺観音は名古屋城を中心に恵方がめぐる尾張四観音の一つです。今から約1300年前の天平5年(733)、呼続の浜に流れついた流木に禅光上人が十一面観音像を刻んで安置し、小松寺と号したのが始めと言われています。旅の途中で通りかかった藤原兼平（藤原基経の子、875年 – 935年）が、雨の日にこの観音像を笠で覆った娘を見初め、都へ連れ帰り玉照姫と名付け妻としたというエピソードから、縁結びの観音様としても有名です。
■中村社寺について
中村社寺は創業天禄元年（西暦970年）に社寺造営のため初代当主が京都から一宮に移り、この地で大工集団を束ね、一家を成したのが始まりとされ、以降愛知県を拠点に全国で社寺建築を手掛けてきました。愛知県内では最も古い会社であり、全国的にも7番目に長い歴史を持つ会社です。
2007年、髙松建設株式会社より支援を受け、世界最古の企業である株式会社金剛組の子会社、髙松建設のグループ企業となりました。1000年以上続いた伝統および先人たちの知恵や技術は失われる事なく、現代の職人たちへ継承され、さらに磨きをかけています。2022年には現代表取締役会長の加藤雅康が創業家二十一世三代目中村豊三郎を襲名し、社寺の番人としての職務を、当地の老舗として後世へ受け継いでいます。
