◆ 小型CO2回収装置のラインアップを拡充し、計画からアフターサービスまで一貫したお客様サポート体制を構築
三菱重工業は、三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング株式会社(MHIENG、社長:寺沢 賢二、本社:横浜市西区)が多様な産業分野への適用拡大を目的に開発した小型CO2回収装置で、株式会社日本経済新聞社(本社:東京都千代田区、以下、日本経済新聞社)が主催する「2022年日経優秀製品・サービス賞」の最優秀賞を受賞しました。表彰式は本日、東京都港区のThe Okura Tokyoにて開催されました。
今回で41回目を迎える同賞は、原則として毎年1月から12月の間に発売し、日本経済新聞社の媒体に掲載された新製品・サービスを対象に表彰を行うもので、2022年は197点の候補の中から特に優れた新製品・サービスとして最優秀賞20点(生産財8点、消費財7点、サービス5点)が選出されました。小型CO2回収装置は、コンパクトで汎用性の高いモジュール化の実現により、輸送・設置に要する期間を大幅に短縮した点で高い評価を受けました。
小型CO2回収装置の商用初号機は、太平電業株式会社(本社:東京都千代田区)の西風新都バイオマス発電所にて2022年6月から稼働を開始しました※1。回収したCO2は、発電所構内の農業ハウスへ供給され農作物の成育に利活用することにより、地球温暖化防止に貢献します。小型CO2回収装置の特長としては、装置の小型化によりhard-to-abate産業※2を含む国内外のあらゆる産業分野へCO2回収技術を適用できる点です。今後、小型CO2回収装置のラインアップを拡充し、⾃動運転や遠隔監視といった装置の設置に留まらない新たなサービスを提案することで、計画からアフターサービスまでの一貫したお客様サポート体制を構築していきます。
このほど、この小型CO2回収装置を「CO2MPACT(コンパクト:商標登録出願中)」と命名しました。将来的には国内外でのプレゼンスを高め、カーボンニュートラル化を進めるステークホルダーへの普及を目指します。名称に込められた“手軽さ”・”軽快さ”・”機動力”・”容易性”を具現化し、脱炭素分野の発展に寄与するとともに事業機会の拡大を図ります。
三菱重工グループでは、エナジートランジションの事業強化に戦略的に取り組んでおり、CO2エコシステムの構築はその中の柱の1つです。今後も高性能なCO2回収技術のグローバル展開を通じ、脱炭素分野のリーディングカンパニーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献するとともに、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていきます。
※1商用初の小型CO2回収装置について、詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。
https://www.mhi.com/jp/news/22063001.html
※2 鉄鋼や化学、セメント、紙・パルプなど、製造過程で化石燃料を使用することから電化が難しく、既存技術や既存原料だけではCO2排出量ゼロの達成が難しい産業を指します。
三菱重工グループのCO2回収技術について
三菱重工グループは、1990年から関西電力株式会社と共同でCO2回収技術KM CDR Process(TM)やAdvanced KM CDR Process(TM)の開発に取り組んでいます。2023年2月現在、KM CDR Process(TM)を用いたプラントを14基納入しており、さらに2基を現在建設中です。またAdvanced KM CDR Process(TM)には、これまで納入した商用のCO2回収プラント14基全てで採用されているアミン吸収液KS-1(TM)に技術改良を加えたKS-21(TM)が採用されています。KS-21(TM)は、KS-1(TM)と比べて再生効率に優れ劣化も少ないといった特長を持ち、優れた省エネルギー性能と運用コストの低減および低いアミンエミッションが確認されています。
詳しくは以下のURLをご覧ください。
【三菱重工グループ「CO2回収技術」製品情報はこちら】
https://www.mhi.com/jp/products/engineering/co2plants.html
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