方が求められるのか、業界特有の構造や商習慣、その中でも業界の仕事の面白さ、業界全体を動かすため
にできることなどをテーマに、様々な角度から意見が交わされ、活発な議論の場となりました。
今後も、株式会社ワーク・ライフバランスは、JABMEE とともに、建設設備業界全体の働き方の改善に
向けて取り組んでまいります。
なお、本座談会の内容は、1 月 19 日頃を目途に、株式会社ワーク・ライフバランスのホームぺージ
(https://work-life-b.co.jp/)にて公開されます。また、本件に関する取材も可能です。ご希望の方は、
株式会社ワーク・ライフバランス 広報担当(田村・080-3347-3081)までお問合せください。
▲設備女子会座談会参加者の集合写真
(参加者・後列左から)
渡邊美奈子(新日本空調株式会社 首都圏事業本部 リニューアル事業部 設計部 部長)
林聡子(株式会社大林組 設計本部 設備設計部 設備設計課 担当課長)
宇多聡子(株式会社三菱地所設計 電気設備設計部 R&D 推進部 チーフエンジニア)
村瀨澄江(株式会社竹中工務店 東京本店 設計部 設備部門 設備8グループ シニアチーフエン
ジニア)
(参加者・前列左から)
佐川美佳(新菱冷熱工業株式会社 経営統括本部 人事部長)
宮坂裕美子(株式会社日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ ダイレクター)
司会:浜田紗織(株式会社ワーク・ライフバランス 取締役)
【設備女子会について】
「設備女子会」は、女性にとって魅力ある働きやすい業界の環境作りや社会的評価の向上をめざし、建
築設備業界で働く女性技術者同士の親睦をはかるべく、2012 年 11 月に発足し、これまでに様々な支援ネ
ットワークを構築してきました。これまでに、女性技術者の生の姿を伝えたり、建築設備技術者をめざす
女性へのアドバイスや悩める技術者相互の励まし合いを行ったりすることで、業界全体を活性化するよ
う、男女の区別なくあらゆる立場で認め合い、助け合い、新しい試みに努力する前向きなネットワークを
作っています。
■今回の座談会開催の背景
設備女子会が発足し 10 年が経ちましたが、日々業務が忙しく、なかなか残業が減らないという、建設
業界全体の普遍的な課題がありました。2024 年 4 月の改正労働基準法の時間外労働上限規制の建設業へ
の適用が迫る中、これからの建設業界は、女性のみならず若い人達が働きやすい業界に変わっていく必
要があるのではないか、との思いから、働き方改革のプロフェッショナルである(株)ワーク・ライフバラ
ンスのコンサルタントを司会進行に迎え、設備女子会に参加する株式会社大林組、新日本空調株式会社、
新菱冷熱工業株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社日建設計、株式会社三菱地所設計各社の代表
者との座談会を実施しました。
設備女子会が目指すもの、働き方改革の必要性、改善が進まない業界特有の構造を参加者が本音で語る
一方、建築設備業界特有の仕事の面白さや業界全体を動かすためにできることといったテーマで、議論
は盛り上がりました。
■設備女子会座談会当日の内容要旨
設備女子会座談会では、次のようなことが議論されました。
●働き方改革の必要性
建築設備業界は慢性的な人手不足を抱える一方で、脱炭素化などのミッションに取り組まなければな
りません。働き方改革を実現していかなければ、働き手がいなくなってしまうことが危惧されます。
すでに数年前から取り組まれている新菱冷熱工業では、自社の働き方のありたい姿を定めており、そ
の中で「誇り、やりがいにつなげていこう」「達成感・生産性の向上」という言葉を掲げられています。
同社の佐川美佳氏は「2024 年の労働時間の上限規制適用まであとわずかとなった今では、『どうすれば
長時間労働環境を改善して、労働時間の上限規制に対応できるか』という問題が大きなウエイトを占め
ています。これをクリアできるかどうかは、この先、働き続けられる環境をつくるための条件にもなって
くるので、重要なポイントにもなると思っています」と語りました。
建設業界では働き方改革がまだまだ進んでおらず、そこを打破していきたいという共通の思いが参加●改善が進まない業界特有の構造
建設業界では働き方改革がまだまだ進んでおらず、そこを打破していきたいという共通の思いが参加者全員にありました。「1社だけで取り組んでも駄目」で、司会進行を務めたワーク・ライフバランスの浜田紗織も自身の経験から「自分たちの働き方だけ整えることはできるかもしれない。でも、現場ではみんなで一緒にものをつくっていくのだから、1社だけ良くしても変わらない」と語りました。
新日本空調の渡邊美奈子氏は、「時間外労働や現場の大変さを見るなかで若手と管理職世代の価値観のギャップの大きさを感じ、業界全体の意識改革が必要だ」と警鐘を鳴らします。若い世代の多くがSDGsを意識して育つ中で、多様な働き方が成立しない業界では若手からは見向きもされず、新しく人材が入ることもなく業界が廃れていってしまうという危機感がその場の共通認識としてありました。
●建築設備業界の仕事の面白さ
男性育休の取得が推進されるなど社会的に働き方改革が進む一方で、いま建築設備業界では男女問わず、若い人たちがどうすれば仕事を続けていけるかが大きなテーマとなっています。
竹中工務店の村瀨澄江氏の「責任は伴うものの裁量の大きいところが建設業の仕事の面白さである」という発言や、大林組の林聡子氏の「発注者に喜ばれることはもちろん、設備単独で建物をつくることはできず、意匠、構造、社内のコラボが必要なため、上手にコミュニケーションできて、お互いが目指すところにいけたときに成功体験が得られる」という実感のこもった言葉も聞かれました。とはいえ、中には成功体験を持てず、会社の先輩が残業をしているのを見て「将来の希望が持てなくなった」と言って、辞めてしまう若手がいるのも事実で、若い人が仕事を続けていくための対策が必要であるということが議論にあがりました。
●業界全体を動かすためにできること どうすれば業界の商習慣は変わるのか
三菱地所設計の宇多聡子氏からは「時代の流れに応じて新技術や 災害対策を随時取り入れたいという考えはわかります。ですが、それら以外にも様々な設計変更が頻発し、業務時間を圧迫、モチベーションの低下を招いているため、業界全体で安易な設計変更を防ぐ方策を講じることができたらいいなと思っています」という具体的な発言がありました。さらに、司会の当社取締役・浜田紗織からは「業界に対して明確にNOと言っている若者にも期待したいと思いますし、その気持ちに応えるメンバーが、実は業界の中にもいるのだというところも伝えていきたいですね」と設備女子会の存在意義を再確認するコメントがありました。
▲司会進行を務める(株)ワーク・ライフバランス コンサルタント/取締役の浜田紗織
まとめとして、設備女子会の会長を務める日建設計の宮坂裕美子氏が「これまでもさまざまな場で学生に対して業界の魅力を訴えてきましたし、これからも続けないといけないと思っています。若い世代がずっと続けられるような環境をつくるためには、国や他の企業との連携が必要であるという発信をして、それを共通認識として意識しなくてはならないと再確認しました」と締めくくりました。これらの議論の内容は、今後JABMEEにおいても発信していく予定です。
なお、議論の詳細は、株式会社ワーク・ライフバランスのホームページ(https://work-life-b.co.jp/)にて、2023年1月19日頃を目途に公開されます。参加者のプロフィールに加え、各人の仕事のコツもご紹介します。
者全員にありました。「1 社だけで取り組んでも駄目」で、司会進行を務めたワーク・ライフバランスの
■設備女子会座談会に関する取材のお申込み
本件に関する取材をご希望の場合は以下までご相談ください。
<本件に関する報道関係者様からのお問合せ先>
株式会社ワーク・ライフバランス 広報 田村
TEL:03-5730-3081 / Mobile:080-3347-3081(田村) / Email: media@work-life-b.com
サイト:https://www.setsubijoshi.jp/
一般社団法人建築設備技術者協会※の広報活動の一環として、女性技術者の情報交換・発信の場を設ける
ことにより、活躍の場を広げ、一層社会に貢献していくことを目的に発足。
各エリアでは講演会や見学会、交流会を開催。日刊建設通信新聞にて「設備女子会からのメッセージ」を
※一般社団法人建築設備技術者協会(https://www.jabmee.or.jp/)は、建築士法に基づく国家資格者で
ある「建築設備士」、「設備設計一級建築士」および公益社団法人空気調和・衛生工学会「設備士」を中心
とした会員を擁する高度な建築設備技術を備えた専門家の職能団体。
2018年成立の「働き方改革関連法」で企業には残業時間の上限が規制されましたが、建設業などは5年の猶予が与えられました。 建設業は2024年4月から施行となり、労働時間の上限規制を遵守しながら働くことが必要になります。
しかし、週休2日制も導入されていない現場が多い建設業で、残業せずに働くのは無理だ、難しい、できない、と考えている経営者・従業員も多くいるでしょう。 これをピンチととらえるか、チャンスととらえるかで取り組むべきアクションが変わります。
鹿島建設株式会社や東芝プラントシステム株式会社、三建設備工業株式会社では、すでにこの法改正に向けて働き方改革をすすめられ、2年前から4週8休や土日完全閉所などを実現している現場もあります。株式会社ワーク・ライフバランスが提供する「建設業2024年問題伴走プログラム」は、働き方改革が難しい、無理だ、と思われがちな建設業に特化した、働き方改革コンサルティングサービスです。
意識改革を行う講演会のほか、現場の声を吸い上げ対策するヒアリングや、具体的な打ち手の検討を行います。講演会は現場におうかがいする対面方式とオンラインスタイルいずれも対応可能です。ヒアリングは全国の建設現場で多忙な担当者とのセッションであり、率直な声を寄せていただく心理的安全性を確保するため、オンラインで実施しております。
※詳細:https://work-life-b.co.jp/kensetsu-consulting
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
2006年創業、以来16年にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。これまでに自治体・官公庁も含め企業2,000社以上を支援。残業30%削減に成功し、営業利益が18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業などの成果が出ている。長時間労働体質の企業への組織改革が強み。コロナ禍において、「朝メールドットコム」導入企業は7倍に伸びている。
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
代表者:代表取締役社長 小室 淑恵
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
働き方改革コンサルティング事業・講演・研修事業、コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業、働き方改革支援のためのITサービス開発・提供、「朝メールⓇドットコム」「カエル会議オンラインⓇ」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビⓇ」、カードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチⓇ」
実績:2,000社以上(国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、株式会社アイシン、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会など)
・代表 小室 淑恵プロフィール
2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。紗織も自身の経験から「
自分たちの働き方だけ整えることはできるかもしれない。でも、現場ではみ
んなで一緒にものをつくっていくのだから、1 社だけ良くしても変わらない」と語りました。