当協会は主に家庭での入浴に焦点をあて、入浴好きの日本人ならではの問題である高齢者の入浴にかかわる事故を確実に減らすことを目指します。今まで多くの研究者が、高齢者の入浴にかかわる死亡事故について研究し、多くの論文が発表されてきました。脱衣所や浴室の温度、お湯の温度、入浴時間、入浴方法など、それぞれ危険を回避できそうな目安はわかってきましたが、それを具体的にどう高齢者に伝え、習得してもらうかまでの策はなかったように思います。ひと昔前の高齢者であれば、熱い湯に入り顔を真っ赤にしているというイメージがありましたが、最近では比較的ぬるめのお湯を好んでいる方が増えてきているように感じています。(高齢者講座アンケートより)そこで考えたのが「望まれる高齢者入浴法」です。
★高齢者安全入浴 10ヵ条
1.冬は夜早めに入浴する
2.食事直後、深酒直後、深夜、早朝は入浴を避ける
3.冬は脱衣所、浴室の温度を上げる
4.一番風呂はなるべく避ける
5.入浴前後に水分補給する(入浴前は軽く、入浴後はコップ1杯)
6.入浴前後は家族に声をかける
7.浴室内は滑らない工夫をする
8.温度は39℃±1℃を基本とする
9.かけ湯(かかり湯)をしてからゆっくり入る
10. 最初の2~3分間だけはぬる湯で半身浴→その後全身浴へ
【60歳以上の人のための入浴法】
入浴時の危険は二度あります。湯船に浸かり始めと肩まで浸かった後(全身浴)です。湯船に浸かる前は十分な
かけ湯(かかり湯)が重要、浸かり始めは40℃で半身浴からスタートしましょう。浸かった後は長湯は禁物、1回の入浴時間をなるべく5分以内(合計ではなく1回です)にしてください。体を洗っている間に自分の好きな温度に追い炊きしてOKです。急な立ち上がりはせず、ゆっくりと・・・頭を低くしながらゆっくりと脱衣所へ。(お辞儀出浴法)もともと低血圧の人は、両手を水で冷やしてから浴槽から出ましょう。(めまい、立ちくらみ防止)
ご家族と同居している場合は、絶対に一番最後に入浴しないでください。危険度が増してしまいます。
入浴事故は”自分には関係ない”と考えがちですが、その考えが命取りなのです。注意しましょう!