上場企業の倒産1件、2年ぶりに発生 私的整理へ移行進み、今後発生は少数に

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帝国データバンクは、2022年に発生した上場企業倒産について調査・分析を行った。
<調査結果(要旨)>

  1. 東証スタンダード上場のバイオベンチャー「テラ」(2022年8月、破産)

東証スタンダード上場のバイオベンチャー「テラ」(2022年8月、破産)

2022年の上場企業倒産は、29日17時時点で1件となっている。2020年以来2年ぶりの発生となったほか、1件にとどまったのは2019年以来3年ぶり。倒産したのは当時東証スタンダードに上場していたバイオベンチャーのテラ(株)(東京都)で、8月に破産手続き開始決定を受けた。同社はコロナ治療薬の開発などを行っていたが、インサイダー取引など金融商品取引法違反などのトラブルが発生。研究開発費負担が重いなか、第三者割当増資などの資金調達がままならなくなり、資金繰りに行き詰まって事業継続を断念した。

上場企業倒産はリーマン・ショックが起きた2008年(33件)をピークに減少傾向が続いており、政府が2023年にも通常国会への提出を目指すとされる「私的整理の多数決制導入」が実現することでさらに強まる可能性もある。ステークホルダー(利害関係者)を多く抱える上場企業では、混乱やブランドイメージの毀損を最小限にとどめるために法的整理(倒産)回避の動きがさらに進むことが予想され、2000年代前半や2008年のリーマン・ショック時に多発した「上場企業倒産」はほとんど発生しなくなるとみられる。

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