多くの製品に使われるバーコードは、店員か購入者がバーコードリーダーに読み込ませる必要があり、無人化が難しい、バーコード探しが煩わしいなどの課題があります。また特殊タグで製品を自動認識するRFIDは、タグの設置やリーダーの導入が高コストで普及していません。
本サービスは、低コストで設置カメラのAI実装をする「エッジネットワーク」技術を採用することで、バーコードなし・低コスト・高速・正確性のすべてをかなえます。導入が進めばバーコードやRFIDシステムの課題を解決し、多くの店舗での無人レジ化を進め、日本社会の人手不足問題の解消に寄与します。
シーエスコミュニケーションはエッジ技術を駆使し、店舗をはじめあらゆる現場の人材不足などの社会課題の解決に向け、サービスを展開していきます。
■バーコード不要 0.2秒(※)で製品を正確に認識する「無人レジ」を実現
今回、株式会社シーエスコミュニケーション(以下、シーエスコミュニケーション)が2023年春より提供開始を予定する「エッジIRリーダー(仮、以下エッジIRリーダー)」は、バーコードなしの製品を、人の確認を介さず、たった0.2秒(※)で正確に認識するものです。利用者や端末と物理的に近い場所にAI処理装置を分散配置し、ネットワークの端点(エッジ)でデータ処理を行うエッジコンピューティング技術と、POS(Point of sale、販売時点情報管理)システムを組み合わせることで、バーコードなし・低コスト・高速・正確性のすべてをかなえた、今までにないサービスとなりました。
※かかる時間については環境により変動する場合があります。
既存に普及しているバーコードは専用リーダーでの読み込みが必要で無人化が困難、代わって登場したRFIDシステム(Radio Frequency IDentification System 、媒体に電波・電磁波を用いたIDシステム)は、特殊タグ付けの手間やコストが高額で普及が進まないなど、店舗での会計は課題が多く残っています。
「エッジIRリーダー」は、低コストかつバーコードが不要であるため、1〜2名で運営する小さな店舗、飲食店やイベントでのグッズ販売店など、バーコードの添付/表示が困難な商品を取り扱う店舗でも導入が可能です。社会に活用されることで、多くの店舗の課題である人手不足問題を解消する「無人レジ化」を進めることができます。
■バーコードやRFIDシステムで解決できなかった人手・コスト問題を解消
近年、人口減少や少子高齢化が主な原因となり、あらゆる業界で人材不足が問題となっています。特にすべてのIoTが難しいリアル小売店舗などの現場では、人材不足や人件費削減の課題が色濃く残っており、無人レジやRFIDの導入が検討されてきました。
しかし、一般に普及しているバーコードは、店員か購入者による専用バーコードリーダーでの読み取りが必須で、バーコード探しに時間がかかり煩わしさを感じる、正確に読み込ませたはずなのにミスが生じて会計がずれるなどの問題がありました。また、無人レジは1台200〜300万円という高額な初期費用がかかり、防犯対策も万全ではありません。
さらに、バーコードを商品に添付することができないパン屋、ラーメン屋、イベントでのグッズ販売店では、店員が対応するか、一台300万円ほどする券売機を導入するよりほか、対応のしようがありません。
情報が書き込まれたICタグ・RFタグ(RFIDタグ)を電波などでワイヤレス通信で読み取るRFIDシステムを検討する企業もありますが、導入するためには、すべての商品に特殊タグを付けなければならず、人件費がかさむこと、タグ自体が1個あたり4〜8円のコストかかかること、RFIDタグリーダーが高額であることから導入が困難で、製造から管理、販売までを一気通貫できる一部の企業でしか活用されていません。
今回発表した「エッジIRリーダー」は、低コストで設置カメラのAI実装をする「エッジネットワーク」技術を採用することで、バーコードなし・低コスト・高速・正確性のすべてをかなえます。つまり、バーコード、券売機、RFIDシステムで解決できなかった、リアル店舗での課題が解決できるのです。1〜2名で運営する小さな店舗、商品へのバーコード添付ができない店舗をはじめ、幅広い現場での導入が期待されます。
■誰でも、年間数十万円ほどで「無人レジ」の導入が可能に
エッジコンピューティングとは、データ処理をネットワーク上で行い、加工したデータのみをクラウドに送信する技術です。データの通信やクラウド上での処理に要する時間を削減することができ、AIカメラから読み取ったデータを高速で処理します。これまでの動画認識技術では、読み込みに5〜6秒かかっていましたが、「エッジIRリーダー」では、エッジコンピューティングの技術を採用することで、わずか0.2秒ほどで認識されるようになりました。
その短い時間で分析するデータ内容は、色、形状、大きさ、質感など製品の動画/画像データのあらゆる因子が組み合わされています。複数の因子を組み合わせて分析することで、非常に高い精度で物体を認識することが可能となりました。今までの検証では、醤油ラーメンか塩ラーメンか、牛・豚・鶏のうち何の挽き肉かまで分別できることを確認しています。
このように複数因子のデータ分析を瞬時に行うように「AI実装」された設置カメラは、一般のカメラ8台分の性能を持ち、POSレジがAPI(Application Programming Interface、ソフトウェア・プログラム・Webサービスの間をつなぐインターフェース)連携できれば、無人レジのように自動で会計ができるシステムとなっています。商品を入れたカゴを指定の場所に設置することで、商品が自動的に認識され、POSレジで高速会計を実施。人件費削減とともに、消費者によるスキャンの手間やミスも軽減します。
また、市販のカメラをAI実装してエッジコンピューティングを活用することで、初期費用、ランニング費用とも大きなコスト削減を実現しました。
<新サービスと既存サービスの比較表>
1台あたりの年間計算 | シーエスコミュニケーションの新サービス | RFID | 無人レジ |
初期費用 | 20万円〜 | 30万円程度〜 | 200〜300万円 |
運用費用 | 12万円〜/年 | 40万円〜/年 ※商品数1万個の場合(ドラッグストア規模) |
40万〜/年 |
年間合計 | 32万円 | 70万円〜 | 240万円〜 |
その他 メリット |
・学習させるほど精度を高められる・飲食店では、初期費用300万円程度の券売機も不要 | ・製造から販売まで一気通貫の現場では在庫管理に効率的 | ・無人で運用できるため、人件費が削減される |
■日本のすべての業界がぶち当たる、人手不足問題の解決に向けて
「エッジIRリーダー」は、エッジコンピューティングの技術とPOSシステムを組み合わせることで、低コストでバーコードなしの製品を高速・正確に認識する「無人レジ」の導入を可能にする、日本初のサービスとなります。人手不足で悩む小さな小売店、バーコードが添付できないイベントグッズや飲食を取り扱う企業はもちろんのこと、バーコードの面倒さや煩わしさに課題を感じる、既存の無人レジ、RFID、券売機が高額すぎて導入できないすべてのリアル店舗での活用が期待されます。
この製品が普及することで、リアル店舗を展開する業界を中心に、日本のすべての業界がぶち当たっている人手不足問題解決の糸口となるはずです。
■今後も「AI実装」の知見を生かし社会課題の解決につながるサービスを
「シーエスコミュニケーション」は、インターネット黎明期から約四半世紀以上にわたり、企業のネットワーク構築を手がけ、エッジコンピューティングの技術を駆使して社会全体の「AI実装」に向き合ってきました。単に技術を磨くのではなく、お客さまのため、またその先の社会全体の課題を解決するためのサービス展開の一貫として、今回のサービスがあります。
今後も、創業より蓄積した知見と技術を生かしながら、あらゆる産業での「AI実装」を進め、社会課題の解決につながるサービスを展開していきます。
【「エッジネットワーク」とは】
「エッジコンピューティング」技術を用い、一般の設置カメラの「AI実装」をする仕組み。低コスト・高速・正確な動画/画像のAI分析を可能にします。
エッジネットワークに関するプレスリリース
https://www.cs-com.co.jp/news/news_20221006.html
【株式会社シーエスコミュニケーションとは】
社会を支えるIT・ネットワークをメインに、「技術力」「誠実さ」「向上心」を信条に20数年にわたり築き上げてきた信用のもと、AI、IoT、クラウドなど広くDXに関わるシステムインテグレーター企業です。
ITインフラの要件定義や設計構築から現地への展開、運用保守に至るまですべてのフェーズを請け負います。また、AIなどの先進的な技術をより社会に広める「エッジコンピューティング」を、新規事業として扱っています。
●社名 :株式会社シーエスコミュニケーション
●本社 :
東京本社 〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-3-3 秋葉原ファーストスクエア 8F
大阪本社 〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島7-1-8 WINビル 8F
●代表者 :代表取締役 牧草 亮輔
●創業 :1998年8月
●設立 :2000年1月
●事業内容:コンピュータのネットワークシステム及び通信システムの企画、設計、開発、保守、及びコンサルティング、電気工事業
●会社HP :https://www.cs-com.co.jp/index.html