日本の伝統的な技術である左官に注目し、「土」「水」「光」といった自然とつながる美意識を倉庫の空間全体で表現します。今回のために制作した新作のほか、500㎡の倉庫の床を「土」で覆った独自の世界観を通じて、進化を続ける挾土秀平氏のいまを体験していただく展覧会になります。
東京・天王洲は、江戸時代までは海中の土砂が蓄積してできた砂洲であった土地です。大正時代末期ごろより埋立てが始まり、工場や倉庫が立ち並ぶ戦後の復旧を支える物流拠点となりました。その天王洲を拠点とした当社は、約70年もの間、倉庫で美術品やワイン、貴重品などお客様の大切なものをお預かりしてきました。天王洲の土地の記憶は、長い年月の砂や土の蓄積に加え、その上に建てられた倉庫でお預かりする大切なものに込められた人の思いが降り積もって成り立っています。文化を創る企業として、土地の記憶を大切にしながら、その地で文化を豊かに花開かせることは、当社のミッションに通じる願いでもあります。
日本を代表する左官職人であり、その技術をアートの世界まで昇華させている挾土秀平氏もまた、土を通して人間の原点に迫ろうとしています。そのような挾土氏の土への思いに共鳴し、このたび当社にて特別展覧会を開催することとなりました。
現在はビルも立ち並ぶ天王洲の倉庫空間において、「土」「水」「光」といった自然とのつながる美意識を体験する場を表現するために、新作を含む挾土氏の作品を展示するほか、倉庫の床全体を「土」で覆い独自の世界観を演出します。都会で「土」を身近に感じることで、鑑賞する人が土地と人との関係を身体的に再解釈し、歴史と未来に思いを馳せる時間を提供いたします。
当社はこれからも日本の伝統技術の継承をサポートし、地域の歴史を未来へ語り継ぎつつ、天王洲を国際的なアートシティとして牽引してまいります。
■挾土秀平氏コメント
人間らしさ、生身であること、
これこそが「ものづくり」の根源である
今の時代とはひと味違うアナログ感、
自然観、環境的な社会性、
「土」「水」「光」でつくりだす美意識を
一つの世界観としてつたえたい
人間はどこからきたのか、
その原点を探すように歩くうちに、
訪れた人が自然にもてなされている
巨きな茶室とでも言うべき空間である
【本展のみどころ】
・「土」が敷き詰められた500㎡の倉庫に大型作品が浮かび上がる独自の世界観を感じる展示空間
・挾土氏が本展のために挑戦した大型のステンシル作品を含む渾身の新作3点を公開
〈展示作品〉
【開催概要】
タイトル:挾土秀平 「土に降る」
展示期間:2023年1月21日(土)~2月14日(火)
URL:https://www.terrada.co.jp/ja/news/hasado-exhibition
会場:寺田倉庫 G3-6F(〒140-0002東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号)
営業時間:12:30 ~ 17:30 (最終入館17:00)
入場料:無料
主催:企画フェノミナ(職人社秀平組)、寺田倉庫株式会社
協力:近藤以久恵、津賀洋輔
グラフィック:関川航平
※感染症拡大防止の観点により開催中止・一部内容や時間が変更になる場合があります。
【挾土秀平(はさどしゅうへい)氏について】
職人社秀平組代表。1962 年、左官職人の2代目として岐阜県高山市に生まれる。
熊本、名古屋などで修行。1983年には技能五輪全国大会左官部門優勝。地元に戻り、父の会社で美術館やホテルなどの現場を手がける。2001年「職人社秀平組」を設立。土・砂・石灰・藁など、自然素材の質感や色を活かし、ストーリーのある壁を制作。
ザ・ペニンシュラホテル東京、アマン東京、羽田空港国際線JALファーストクラスラウンジ、馬事公苑などのほか、NHK大河ドラマ「真田丸」の題字・タイトルバックも手がけた。土を用いたアート作品も制作する。著書に『のたうつ者』(毎日新聞社)、物語詩3部作『青と琥珀』『歓待の西洋室』『光のむこう』(木耳社)、『左官 挾土秀平の生きる力』(六耀社)、『ひりつく色』(清水弘文堂書房)。
■主な代表作
【寺田倉庫について】
社 名:寺田倉庫株式会社(Warehouse TERRADA)
代表者:代表取締役社長 寺田航平
所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-10
設 立:1950年10月
U R L : https://www.terrada.co.jp
【展覧会に関するお問い合わせ先】
寺田倉庫アートプロジェクト推進室 E-MAIL: artpj@terrada.co.jp