稲富裕光氏はJAXAにて宇宙環境を利用した科学研究の推進に従事し、特に物質科学分野での基礎研究および関連する技術開発を牽引してきました。
この度の稲富裕光氏の科学顧問就任を受け、技術実証機及びサービス機を用いた宇宙利用の研究開発を加速させていきます。
- 詳細
当社は、東北大学吉田・桒原研究室でこれまで開発してきた15機以上の小型人工衛星の技術を基に、2021年2月に設立された東北大学発宇宙スタートアップです。
ISSは、これまで実験・研究から産業まで幅広く利用されてきました。しかし、2030年末で運用を終了する計画であり、運用終了後は宇宙を利用する環境が無くなると考えられています。
そこで、当社は小型人工衛星内での宇宙実験や製造を可能とする小型宇宙利用・回収プラットフォーム「ELS-R」を開発しています。
当社のサービスの実現には、宇宙から物資を持ち帰ってくる大気圏再突入技術が欠かせません。
大気圏再突入技術は人工衛星が軌道を離脱し、大気圏に突入、そして燃え尽きずに大気圏を突破し、その後回収するという通常の人工衛星よりも複雑で難易度の高い技術です。日本ではJAXAがこの技術を実証しており、世界でもこの技術を持っている企業はわずかしかいません。
当社は2025年打上を目指して現在開発している200kg級の技術実証機にて、大気圏再突入技術の獲得を行います。
今回科学顧問として就任した稲富裕光氏は、小型航空機、観測ロケット、宇宙実験・観測フリーフライヤ、ISSといった飛翔体の利用による数多くの微小重力実験にて主導的役割を果たし、凝固・結晶成長過程の解明、新しい材料プロセスおよび評価法の開発に取り組んできました。
- 稲富 裕光氏経歴
【学歴】
1989年 東京大学大学院工学系研究科金属材料学専攻修士課程修了
1992年 同専攻博士課程修了、博士(工学)取得
【職歴】
1992年〜1995年文部科学省宇宙科学研究所 助手
1995年〜2014年宇宙科学研究所 助教授(2003年にJAXA宇宙科学研究所へ改組)
2014年〜JAXA宇宙科学研究所学際科学研究系 教授
2017年〜同研究系 研究主幹
【受賞】
材料科学分野および宇宙環境利用分野にて、第14回本多記念研究奨励賞 (1993年)、The COSPAR Space Science Award 1998 (The Zeldovich Medal) (1998年)、他を受賞。
- 稲富 裕光のコメント
宇宙への人類の活動領域拡大に挑戦するElevationSpaceの事業に、科学の視点で協力出来ることをうれしく思います。その挑戦の端緒としてELS-Rが実現する宇宙環境でのタイムリーな観測、実験そして製造が、地上での科学研究、技術開発の発展にも大いに貢献することを期待しています。
- 採用情報
当社では現在
・Engineer 6ポジション (Lead Thermal Engineer等)
・Lead Recruiter
・General Affairs
・Operation & Alliance
・Business Consultant・
の計10ポジションを募集しております。
興味のある方は下記採用ページから詳細をご覧ください。
▼採用ページ:
https://troubled-venom-3f2.notion.site/ElevationSpace-c75ef61ef314406695dddc35aa918ea5
- ElevationSpace概要
ElevationSpaceは、誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにすることを目指している東北大学発の宇宙スタートアップです。東北大学吉田・桒原研究室でこれまで開発してきた15機以上の小型人工衛星の知見・技術を生かし、人工衛星内で実験や製造等を行うことのできる小型宇宙利用・回収プラットフォーム「ELS-R」を開発しています。
会社名 :株式会社ElevationSpace(英文表記:ElevationSpace Inc.)
所在地 :〒980-0845 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1 東北大学マテリアル・イノベーション・センター401号室青葉山ガレージ
設立 :2021年2月
代表者 :代表取締役CEO 小林稜平
ホームページ:https://elevation-space.com/
事業内容 :小型宇宙利用・回収プラットフォーム事業、宇宙輸送事業、宇宙建築事業