赤十字国際委員会(ICRC)は11月15日、医療スタッフや水処理関連のエンジニア、武器汚染・爆発物処理の専門家からなるチームをウクライナ南部ヘルソンに派遣。現地の人道状況を調査しながら、支援物資も届けました。
「ヘルソンにおける人道ニーズは膨大です。一方で、現地の人々やボランティア、保健医療を専門とする人たちの頑張りには目を見張るものがあります。非常に厳しく困難な状況下でも、再生を目指して不屈の精神を維持しています」と、現地を訪れたICRCのステファン・サカリアン首席代表は語りました。
ヘルソンの住民が緊急に必要としている支援には、身内など大切な人たちと連絡を取るための通信回線の復旧、寸断されている電気の復旧や水道施設の再稼働のための発電所の修繕、安全な飲み水の供給などがあります。
以下は、現地で実施した支援物資の内訳
- 2つの病院に対して、負傷者500人、一次医療を必要とする患者2,000人の治療に必要な医薬品を3カ月分支給。
- 精神病院1カ所に対して、食料と衛生用品一式が入った箱600個を提供。
- 地元の水道事業者に給水車1台を提供。
- 赤十字運動の地元パートナーであるウクライナ赤十字社に対して、食料と衛生用品一式が入った箱600個を提供。これらは、同社を通じて最も弱い立場に置かれている人々へ渡される。
現地を訪れたICRCチームは、喫緊のニーズを把握した上で支援を行えるよう、ウクライナ赤十字社ヘルソン支部や地元当局と対話を行いました。戦闘の影響を受けたコミュニティーにICRCがたどり着けるよう、こうした関係を保つことは非常に重要となってきます。
ICRCは引き続き、現地での活動を継続し、都市だけでなく、膨大な人道ニーズを抱える農村地方においても人々に寄り添えるよう力を尽くします。