◆ 今年度の受賞対象の中で、特に審美性、提案性、可能性などにおいて総合的に優れた100件として選出
三菱重工業は、プラント自動巡回点検防爆(注1)ロボット「EX ROVR(エクスローバー)」の第二世代機”ASCENT(アセント)”で、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2022年度グッドデザイン賞」(注2)における「グッドデザイン・ベスト100」を受賞しました。EX ROVR “ASCENT”は、石油・ガス・化学製品を扱うプラント内を自動で点検し、万が一の事故時には現場に行けない人に代わって状況把握することで、人と資産を守り、働きやすい職場環境を実現するタフで頼れるパートナーです。
グッドデザイン・ベスト100は、2022年度グッドデザイン賞受賞対象の中で、審美性、提案性、可能性などにおいて総合的に優れているとして特に高い評価を受けた100件に贈られるものです。EX ROVRシリーズは、引火性ガスが発生した過去のトンネル事故において、現場作業員がいかなる対応も取り得なかったことを教訓として、当社の原子力発電所向けの遠隔保守技術をベースに開発され、事故等の有事だけでなくプラントでも活躍しています。今回の受賞に当たっては、EX ROVR “ASCENT”が、防爆性能を担保しながら作業員の代わりに昼夜問わず点検を行い、人の安全と設備稼働率の向上に寄与する多くの機能をコンパクトなボディに凝縮した技術力やデザイン、IoTとロボティクスを駆使した先進性などが高く評価されました。
EX ROVR “ASCENT”の特長は、ポリウレタン製の突起(グローサ)を回転させて走行するクローラ機構の採用による高い走破性、マニピュレータによる長いリーチ、IECEx(注3)やATEX(注4)といった国内外の防爆認証を取得していることなどが挙げられます。最大46度の階段や20cmの段差、がれきなどの不整地を難なく走行でき、マニピュレータを最大1.5mの高さまで伸ばすことで圧力計や配管などの対象に近づいて点検することが可能です。
三菱重工は、国内・海外の石油採掘サイトや製油所、防爆エリアを有するプラント向けにEX ROVR “ASCENT”採用の提案を行っています。今回の受賞を弾みに、EX ROVR “ASCENT”のハードウェア・ソフトウェア両面についてさらなる改良を加えるとともに、多様な環境における「安心・安全」を実現するパートナーとして防爆ロボット技術によるソリューションを提案していきます。
(注1)防爆とは、引火性ガスが充満する環境下において、機器自体が発する電気火花や熱などによる爆発や火災の危険性を抑える性能を指し、プラントなどで使用する機器は防爆認証を取得することが義務付けられています。
(注2)1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザイン評価とプロモーション活動で、受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.g-mark.org/
(注3)爆発性雰囲気下で使用する機器の認証に関する国際システムで、その品質評価規定はIEC(国際電気標準会議)が作成した規格に基づいています。
(注4)IECExをベースに、爆発性雰囲気下で使用する機器および保護システムをEU(欧州連合)市場に投入するまでに適用しなければならない安全衛生上の必須要件および適合性評価手順について定めたものです。なお、ATEXとIECExは同じ規格に沿っているため、技術的内容について基本的な違いはありません。
【「プラント巡回点検ロボット EX ROVR」製品ページはこちら】
https://www.mhi.com/jp/products/energy/ex_rovr.html
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