■プロジェクトの概要
三菱地所は、2025年に竣工予定の「(仮称)内神田一丁目計画」※¹において、食や農に関する分野の企業活動支援及び交流促進のためビジネス・産業支援施設(以下「本施設」)を建物2、3、4階に整備します。本施設は、チャレンジャーのシェアオフィスといった用途に加え、食や農に携わる企業やプレイヤーが集まり、チャレンジャーとのコミュニティを形成し、多様な共創が生まれる場として活用します。そこで「めぐるめくプロジェクト」では本施設の開設に先立ち、全国各地の食農共創拠点や共創の活動を推進する自治体とのネットワークを広げ、地域間・プレイヤー間の交流、生活者とチャレンジャーの交流の促進により、食産業および農産業の新たな価値創造を支援し、日本の地域活性化を目指していきます。
■取組みのポイント
食生産の分業化や経済合理性の追求に伴い、生活者は生産者と分断され、食を総合的・多面的に理解する機会を失いつつあります。一方で、人生100年時代を迎え生活者のウェルビーイングの追求が進む中、食に対するニーズは多様化しており、既存のバリューチェーンに依存しない、個性豊かで多彩な生産・加工の在り方が求められています。
本プロジェクトでは、食の生産・加工を「タベモノヅクリ(=食べ物+モノづくりの造語)」と定義し、都市の生活者がタベモノヅクリに関与する機会を提供することで地域チャレンジャーと繋がり、食に纏わる想いや資源がめぐる、豊かな社会づくりを目指します。また、エネルギー等を含めた持続可能な地域づくりも目指し、食と農を通じた地域と都市の豊かな関係づくりに取り組んでいきます。
【食と農に関するコンソーシアムの構築】
本プロジェクトでは、各地域のチャレンジャーの活動を支援するために、地域間をつなぐネットワークを構築し、人的・物的リソースの共有を図ります。地域の食農共創拠点だけでなく、食農に携わる企業の新規事業担当や大学・研究機関などのアカデミア、更には異業種から新たな食農に参加するプレイヤーなど幅広い参加を募り、情報や人材、技術といった各種リソースの共有を目指していきます。また、生活者がタベモノヅクリへ関与する機会を提供することで多様な食のプレイヤーが連携し、生活者も巻き込みながら食の価値創造に取り組む、新たな食と農のコンソーシアムを構築します。
【キックオフイベントの開催】
2022年9月29日、めぐるめくプロジェクトのキックオフイベントとして、都市生活者と地域チャレンジャーの共創型交流会「めぐるめ倶楽部」を下記の通り開催します。生活者が生産・加工に携わるチャレンジャーの想いを知り、タベモノヅクリのプロセスに参加し、両者による食品や食サービスを共創することで新たな食の価値創出を目指します。「めぐるめ倶楽部」は今後、定期的な開催を予定しております。都市生活者、外食中食産業従事者、バイヤー、アーティスト、アカデミア・研究者など随時参加者を拡大し、都市生活者と地域チャレンジャーのコミュニティ活動へと発展させていきます。
<めぐるめくプロジェクト キックオフイベント>
・開催日時:2022年9月29日(木)
・開催場所:大手門タワー・ENEOSビル1F 3×3 Lab Future サロン
第1部:プロジェクトの概要発表会(11:00-12:00)
登壇者
地域食農拠点①:宮崎県宮崎市 MUKASA-HUB/株式会社一平ホールディングス
地域食農拠点②:奈良県曽爾村 そにのわの台所katte/曽爾村役場
第2部:キックオフイベント「めぐるめ倶楽部」(12:00-13:00) ※招待制
出席者
地域チャレンジャー①:宮崎県宮崎市 株式会社九州築地
地域チャレンジャー②:奈良県曽爾村 びょうぶ・山桜の郷 長野生産加工組合
・地域食農拠点詳細(敬称略・順不同)
株式会社一平ホールディングス(宮崎県宮崎市、代表取締役社長:村岡浩司)
“世界があこがれる九州をつくる”を経営理念として、九州各地にて様々な地元創生活動や食を通じたコミュニティ活動にも取り組み、宮崎から世界を目指す若い起業家たちを支援する廃校を活用した「MUKASA-HUB」を整備。
曽爾村役場(奈良県宇陀郡曽爾村、村長:芝田秀数)
奈良県奥大和地域に位置する人口1300人の農山村で、農林業を軸とした持続可能な村づくりを模索する中、老朽化する農産加工場をリノベーションし、令和2年7月、食を起点に人が繋がりあえる交流拠点「そにのわの台所katte」の運営をスタート。
※今後連携予定の地域食農拠点(敬称略・順不同)
株式会社積丹スピリット(北海道積丹町、代表取締役:岩井宏文)
積丹ブルーの海が輝く積丹半島。「積丹ブルー蒸溜所」はその先端でボタニカル生産からジン製造を一貫工程で行うファームディスティラリー。地域の食や自然、歴史文化を未来につなぐ会員事業「SHAKOTAN海森計画」プロジェクトも始動中。
GOODGOOD株式会社(大阪府大阪市、代表取締役:野々宮秀樹・半田光正)
放牧牧草和牛などの一貫生産と、精肉店、レストラン、卸売業などをワンストップでSPA経営を行う次世代型和牛畜産ベンチャー。熊本県阿蘇の自社牧場に加え、現在、北海道厚真町内の町有地約300haにおいて、サーキュラー・アグリ・エコノミーを実践する滞在型生産施設「GOODGOOD Secret Maison &Farm」を建設/構築中。
■めぐるめくプロジェクト事務局
食と農を通じて「やさしさ」がめぐる社会が作れないか。という問いを起点に集まった4社で「めぐるめくプロジェクト」を2022年5月に始動しました。食・農や地域の持つ可能性を信じ、新たな価値創出に繋がるこれからの食と農の在り方を生活者やチャレンジャーと共に模索していきます。地域と都市の持続可能な関係づくりを進める三菱地所を幹事として、ロフトワークは地域のクリエイティビティを高める共創プログラムの開発を、シグマクシスはフードテックなどを中心とした先進的なイノベーションの知見とネットワークを、70seedsは地域のそれぞれの背景や想いを大切にしたエモーショナルな表現を担い、プロジェクトを推進します。生活者が消費に留まらず、生産者と新しい関係を築き、人的交流、経済的・資源的に循環する社会と持続可能な地域を共につくるムーブメントを実現していきます。
・めぐるめくプロジェクト Webサイト:https://megourmake.studio.site
【三菱地所株式会社】 https://www.mec.co.jp/
三菱地所は、これまでもバスあいのり便※²やEAT&LEAD※³など食や農に関する取組みを推進しています。また、TOKYO TORCHでは、日本全国の地域と連携し、共に地域の魅力を発掘・発信するまちづくりに取り組んでいます。これらで得た知見やネットワークも活用しながら、食農バリューチェーンの川上である生産や加工などのチャレンジャー支援に取り組み、地域における持続可能なまちづくりに貢献します。
【株式会社ロフトワーク】https://loftwork.com/jp/
社会に新しい価値を生み出すために、状況を創造的に捉え、デザインの力で解決するクリエイティブ・カンパニーです。「日本全国の地域でこれから重要となっていく食と農の共創活動の一助を担いたい」という想いを胸に、食と農に携わる全ての人、そして地域のうちにある創造性を信じて、本プロジェクトに参加します。
【株式会社シグマクシス】https://www.sigmaxyz.com/sx/
シグマクシスは、業界横断型の食のカンファレンス「SKS JAPAN」を2017年に立ち上げて以来、国・地域や業界を越えた多様なプレイヤーによる食の価値共創活動を推進してきました。食への知見と洞察力、国内外に擁する広大なネットワーク、事業開発のナレッジを生かし、日本各地の豊かさが生きる「食・農の価値」の共創に貢献します。
【70seeds株式会社】https://www.70seeds.jp/
「次の70年に何をのこす?」をコンセプトに掲げる、チェンジメーカーのためのPRと編集の会社です。ウェブメディア『70seeds』の運営を通じて出会った日本全国の「つくるひと」の技と「たべるひと」ひとりひとりの生活がより深く、より軽やかに交わっていくようなプロジェクトをつくります。
■参考
※¹「(仮称)内神田一丁目計画」始動:
https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec210415_uchikanda.pdf
※² 産地直送あいのり便:
全国農業協同組合中央会、農林中央金庫、三菱地所株式会社、一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会、 株式会社アップクオリティの 5 者による、旅客用高速バスのトランクを利用した地域産品運搬の仕組み。 旅客用高 速バスの貨客混載によって、配送ルートの確保がネックとなり県外へ出荷できていない希少品や伝統野菜、朝どれの 野菜、水産物等、特色ある産品を丸の内エリアに定期搬送している。 都市生活者のニーズに応えながら、各地の地 域産品の継続的な消費・購買、地域振興につなげる。
http://www.ainoribin.com/
※³ EAT&LEADプロジェクト:
生産者・消費者・レストランが共に手を携え、人々が心身共に健康になれる社会づくりを目 指し、2008 年より「食」に関する様々な活動を行ってきた「食育丸の内」プロジェクトが、 より一層、「食」を通じて一人ひとりの本来的な幸せと成長に向き合える場作りを“リード”し “伴走”をしていきたいという想いから、2021 年 6 月より「EAT&LEAD」として再始動。
https://shokumaru.jp/eat-and-lead/