日本のビジネスリーダーはCFOがESGの支援を含むリソースおよびテクノロジーの選択により大きな責任を担うべきだと考えており、グローバル全体(81%)に対して日本の期待値が最も高く(90%)顕著な結果となりました。また日本企業のその他役員の87%がCFOと各ビジネスユニットとの関係には改善の余地があると感じており、英国の役員(85%)と同様に高い結果となりました。
今回の調査結果について、Anaplanコネクテッド プランニング統括であるビクター・バーンズ(Victor Barnes)は、「CFOは、デジタル変革を推進し、成長機会を拡大するために不可欠な存在です。また、私たちは、数字にとらわれた保守的な経営者というCFO神話を払拭するために最善を尽くしてきましたが、まだやるべきことがあります。今回の調査でCFOが実際には刺激的で戦略的なリーダーであることが示されたことは、心強いことです」と述べています。
日本に関する結果について、Anaplan Japan株式会社、社長執行役員の中田淳は、「日本企業の役員は、CFOがより現実的な業務に基づくべきであると感じていますが、グローバルの結果からCFOが部門の枠を超えてデータをどのように活用できるかを示すことができる独自の立場にあることがわかりました。CFOがサプライチェーン、人事、販売、マーケティングなどの分野での近代化に取り組めば、企業の発展に大きく貢献することができます」と述べています。
- 不確実な時代においてはCFOが企業の羅針盤に
今日のビジネス環境において、リーダーには、刻々と変化する状況に応じて計画を迅速に調整する能力が求められています。しかし、戦略的な意思決定(プランニング)は、サイロ化され、高度にマニュアル化されたプロセスとなっています。したがって、CFOの大半(82%)とその他役員(86%)は、ハイブリッドワークへの移行やサプライチェーンの変動といった直近のビジネス課題は、より強力なコミュニケーションができれば改善できたはずだと考えています。
実際、その他役員の78%が、CFOと各ビジネスユニットとの関係には改善の余地があると感じており、特に日本(87%)とイギリス(85%)は改善の余地があると回答しています。
グローバルビジネスリーダーは、現在、より協調的で機敏かつリアルタイムなプランニングへのアプローチを見直す必要があります。CFOとその他役員はともに、これには人々のダイナミクス(CFO:その他役員=86%:82%、以下同順)、テクノロジー(86%:86%)、プロセス(86%:81%)の改善が必要であることを認識しています。市場の不確実性に対処し、ビジネス目標を効果的に達成するための計画を民主化するためには、これら3つの検討事項のバランスを取ることが不可欠であり、今日のCFOはその先頭に立つ必要があります。
その他役員は、戦略的ビジョンやプランニングの強化など、CFO により多くの役割を望んでいます。グローバル市場における主な相違点として、オーストラリア(43%)のその他役員は、目先のビジネス上の問題解決をより重視する傾向がある一方、日本企業(43%)は、CFOはより現実的な業務に基づくべきであると感じています。(グローバル全体では34%)
- 他のビジネスユニットと整合していないCFOの自己省察
CFOは、企業の財務的優先事項を管理する以外に極めて重要な役割を担っています。しかし、それを自覚していません。調査によると、CFOが持つ資質として、ビジネス上の問題解決能力、業務実態の理解に関しては、世界中のCFOとその他役員の間で認識が一致しています(前者がCFO:その他役員=85% :86%、後者がCFO:その他役員=82%:85%)。一方、対人能力に関しては、CFO自身の認識とその他の役員からのCFOに対する評価の間にミスマッチがあることが明らかになりました。
全地域の統計では、CFOは、コーチング能力やコラボレーション能力に関して、自分自身を過剰評価しています(前者がCFO:その他役員=27%:12%、後者がCFO:その他役員=34%:27%)。一方、CFOは、自身が想像する以上にその他役員から刺激的であると見られています。これは、多くのCFOが自分自身に見出していない特徴です。その他役員の37%がCFOを刺激的な存在だと評価しているのに対して、自身をそのように評価しているCFOはわずか10%でした。
国別の CFO のイメージでは、フランスのリーダーは CFO を共感的とみなし(44%)、シンガポールのリーダーは柔軟性を特に重視し(50%)、日本は CFO に直接的(指示的)アプローチを期待する(50%)という結果になりました。
このように世界において、CFOが発揮するリーダーシップが過小評価される傾向は、さまざまなビジネス課題においても見られます。特に、ハイブリッドワークの促進や効果的なサイバーセキュリティ対策の確保といった技術関連の取り組みについては、その傾向が顕著です(前者がCFO:その他役員=81%:93%、後者がCFO:その他役員=82%:90%)。世界的な混乱が続いているため、企業は、CFOの重要性を理解し、それを活用することはおろか、それを実感する段階には到達していないようです。
- ESGの進展はCFOに始まりCFOに終わる
このような認識の不整合は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関するイニシアチブについても同様に見られます。CFOは、ESGをビジネス全体の中でもトップ3に入る課題と見なしているにも関わらず、自分たちの取り組みにはあまり効果がないと考えています。
調査によると、グローバルでは85%の役員がESGはCFOが担うべき課題であると考えており、CFOが重要な役割を果たす課題の第2位に挙げられていることが明らかになりました。しかし、CFOは、ESGに関する取り組みを自身の優先順位の5番目に位置づけています。さらに、91%の役員は、CFOがESGイニシアチブの実現に挑戦していると考えている一方で、CFO自身は78%がそれを認識するにとどまっています。
特に日本においては、CFOがESGの支援を含む最適なリソースおよびテクノロジーについて責任を負うべきだとする回答がその他地域と比べても最も高く90%に上りました。
● ESGの支援を含む最適なリソースおよびテクノロジーの選択(日本90%、グローバル全体81%、シンガポール74%、米国66%)
● 一貫したESGへの取り組み (日本84%、グローバル全体79%、オーストラリア71%)
CFOが組織のESGイニシアチブで担う役割を拡大し、主要な優先事項のひとつとしてこれを意識する必要があるのは明らかです。
今後、民主化されたプランニングでも、ESGイニシアチブでも、その成功は、CFOが時代とともに進化できるかどうかが鍵を握っています。自身の役割と責任をその他役員の認識と一致させ、積極的に方向転換することができるCFOは、これを達成する最良の機会を得ることができるでしょう。
ビクター・バーンズは、「ここ数年の混乱は、企業全体のビジネスコネクティビティの重要性を露呈しています。そして、ビジネスリスクとビジネスチャンスを完全に理解するために、CFOは組織の隅々から重要なインサイトを収集できる必要があります。そのためには、意思決定をより民主化することが必要です。なぜなら、サイロ化したビジネスプランニングのやり方は、効果がないだけでなく、まさに有害だからです」と述べています。
中田淳は、「この数年、予期せぬ事象によって、私たちの生活や仕事の方法が大きく変わりました。今日のビジネス環境には、ESGへの取り組みや部門間の問題解決など、包括的でダイナミックな計画が必要です。リアルタイムの洞察を備えたテクノロジーによってサポートされる戦略を迅速に展開し効果的な運用を展開する必要があります。そして、これは、CFOが部門をつなぐ存在としての役割を発揮する機会です」と述べています。
また、Anaplanが効果的なプランニングを通じて、企業のCFOが戦略的目標を達成するための支援の内容については、こちらをご覧ください。
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