そして、この見解の裏付けとして、中国の国営モジュール入札に関する公式統計において、M10モジュールが1月から5月までの間に落札総額の81%を占め、市場の主流となったことを示しました。
図:PV InfoLink「シリコンウェハのサイズ別市場シェアに関する統計と予測」(左:2021年第2四半期発表、右:2022年第2四半期発表)
モジュールの世界出荷量に関しては、第三者機関であるPV InfoLinkがウェハサイズ別シェアの2022年第2四半期版を公開しています。その中で、他のサイズに比べてM10製品の市場シェアの高さが明らかになっています。2021年の結果では、M10 製品が約48.5GWでシェア27%であり、一方G12(210mm)製品は約23.5GWでシェア13%でした。そして、2022年の予測では、M10製品が1年前の予測の46%から修正され、56%まで大幅に拡大していく一方、G12製品は26%止まりとなっています。
これまで第三者機関のアナリストは、メーカー側の状況がサイズのシェアを決定するものと考え、セル生産ラインの生産能力の情報をもとに、直近数年のサイズアップの傾向を直線的に当てはめて予測していました。しかし実際にはサイズのシェアは製品の市場での価値や評価に左右されたことから、予測と実際の結果はこの様に異なりました。M10製品は全体的なパフォーマンスが優れているため、2021年に顧客からの好評を得て、相当量のウェハとセルの生産能力がM10に置き換わりました。
M10仕様は、太陽光発電(PV)業界の利用者側の観点から開発され、製品の信頼性、製造、梱包、設置、システム設計、および電気的安全性の点で成功を収めています。また、2021年に経験した輸送コストの高騰も、M10モジュールの優位性を更に際立たせ、分散型電源(DG)市場の中小規模太陽光発電でもM10製品のシェアは拡大しています。
M10セルは現在、主に高効率PERC技術が採用されていますが、将来、更に高効率な新技術採用のセルが登場した後もM10 製品の優位性は変わらずに長期に渡り証明されていくでしょう。実際、182mmのM10仕様は既にPV業界の多くの主要プレーヤーが新製品に採用しています。M10の世界市場シェアは現在50%を超えており、モジュールサイズ等の標準化の推進と共に、産業チェーン内でのM10の優位性がより明確になることで、市場シェアは更に急速に拡大していくものと当社は考えています。
【ロンジ・グループ(LONGi Green Energy Technology Co., Ltd.)について】
LONGi(ロンジ)は2000年設立の世界最大級※1・2の太陽光発電用単結晶シリコン専門企業。上海証券取引所:601012。本社:中国陝西省西安市、総資産2022年3月末時点:約2兆2千億円超※3。太陽光発電事業は2006年から開始し、インゴット生産から行うウェハ事業は2019年推計シェア約39%の世界1位※2。太陽電池セル/パネル(モジュール)事業は2014年から開始し、パネル出荷量は2年連続世界1位(2020年・2021年)。Solar Media社「PV ModuleTechバンカビリティ格付け」で最高格付けの「AAA」を10期連続獲得※4。RE100、EP100、EV100加盟。2021年3月には水素エネルギー事業も開始。WEBサイト:www.longi.com/en
※1:太陽電池製造4大工程(原料ポリシリコン/ウェハ/セル/モジュール)各生産量の合計において
※2:PV InfoLink ” Supply and Demand Database ” (2021年7月版)より当社集計
※3:0.051人民元/円として換算
※4:Solar Media Limited, ‘PV-Tech’ “PV ModuleTech Bankability Ratings Quarterly report” 2022年Q2より
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