■概要・社会的背景
【概要】
「FAST-Dモニタリングエディション」とは、機械や設備が発する音をAIで分析して、故障時の早期対応や部品交換時期の見極めに代表されるような、予防保守や予知保全に活かせるサービスです。現場にAI用エッジ端末を設置し、その結果をクラウドで管理することができます。
作業員が集まりづらいことや高齢化が進んで定年が近いこと、労働集約型による賃金上昇やコスト増による経営難に代表されるメンテナンス業務に関する社会課題が叫ばれて久しいですが、少子高齢化や労働人口減少に対する直近での改善の兆しは見えづらく、対策の必要性が日に日に増している状況であることから、当社の長年研究開発の成果をもとに、メンテナンス業務のDX化の側面から尽力していきたいと考えております。
【メンテナンス業務に関する社会課題】
・現場の労働力不足
現場担当者からは79.5%の現場で作業員が不足していると考えられておりますが、現場作業員の採用に対しては87.2%の担当者が「集まりにくい」と回答していることから、慢性的な人手不足を解消することが非常に難しいことが分かります。ほかにも、60歳以上の作業員比率は約35.0%以上となっており定年退職の対応が必要となりますが、73.0%の担当者からは「現場従業員の若返りが図りにくい」という消極的な回答が出ており、抜本的な改善までは時間を要することがうかがえます。(※1)
・育成コストの高さとロスの多さ
作業員の離職率は19.9%あることから、人手不足に関する課題は採用の難しさだけにとどまらず、十分に定着がなされないことも課題として残っています。5人に1人が離職することからも、官能的な知識や経験が重要視される業務であるにもかかわらず、教育に関するコストで大きなロスが生じていることがうかがえます。(※2)
・抽象的なコミュニケーションの難化
外国人技能実習生のビルメンテナンス業務への受け入れは、72.2%の企業が前向きに検討中であることから、文化社会的背景などを含めて今以上に多様な価値観をもった業務チームが構成されることになることがうかがえます。「音」に関する点検項目は抽象的な表現がほとんどである反面、メンテナンス品質維持のためには、数値情報を基にした定量的なコミュニケーションを取る必要が増していくことが予想されます。(※3)
(※1): 公益社団法人全国ビルメンテナンス協会発行 ビルメンテナンス情報年鑑 2020 (第50回実態調査報告書)より抜粋
(※2): 厚生労働省 平成30年雇用動向調査結果の概要より抜粋
(※3)公益社団法人全国ビルメンテナンス協会発行 ビルメンテナンス情報年鑑 2020 (第50回実態調査報告書) -月商1億円以上の事業所における 在留資格「特定技能」を有する外国人の受け入れ意向(「受け入れを前提に検討している」「周辺状況を調査検討中である」の計)
■商品特長(主な機能)
①点検業務の効率化
・遠隔での点検効率アップ
現場の状況を24時間365日監視して、好きなタイミングで結果を確認することができます。SIMルータ等のネットワーク機器と組み合わせることで、普段立入が難しい場所や遠い場所も関係なく、複数場所を音によって同時に監視することができます。
・簡単に増台や撤去が可能
初期費用が最小限に抑えられることから、作業員を採用するよりも柔軟な業務対応を行うことができます。設置や設定はすべて現場作業者にて対応可能であり、現場側のペースで導入を進める事ができます。
②分析データを基にした情報共有
・分析データの可視化
AIスコアの移り変わりを時系列ごとの数値情報で確認でき、AIが「いつもと違う」を検出した項目について、音の情報を目で見える形でチームメンバーに共有することができます。データを見ながら正しく情報共有ができることから、異常状態に関する暗黙知(ノウハウ)を定量的に示すことや時系列比較により、「おかしくなる」傾向を考察することに役立ちます。
・コミュニケーションの効率化
AIスコアが高いものについては、録音データをダウンロードすることができるため、故障が24時間365日いつ発生したとしても、実際の音声データを活用して関係者に説明ができます。
■販売方法
本プレスリリース末尾記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
■関連プレスリリース
・Hmcomm、安川電機との「製品完成検査におけるAI異音検知」の共同開発を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000033941.html
■異音検知とは
AI異音検知とは、機械が正常な場合の音や、異常な場合の音を機械学習させることで、安定的なモニタリングや良否判定、予兆検知などに役立てる技術です。
人が音を聞いて正常か異常かを判断する場合は、判断基準があいまいでバラツキが生じることや、熟練の技が必要となる課題がありますが、AIでの異音検知により定量的な分析が可能となります。
人の耳で聞いてわかるものは、現在の技術レベルでも実現可能となっており、音による異音検知は、工場インフラの異常検知、機械音検知をはじめとして、足音や防犯、ヒトの発する音や動物の鳴き声など、幅広い業種・業態で利用が始まっています。
■異音検知プラットフォーム「FAST-D」とは
FAST-D(Flexible Anomaly Sound Training and Detection, https://fast-d.hmcom.co.jp/)とは、「AI異音検知」を利用することができるサブスクリプション型のプラットフォームです。
人工知能技術者でなくても、異音検知用のAIモデル作成とメンテナンスを行うことが出来るようになります。当社はFAST-Dプラットフォームの機能を利用した業務アプリケーションとして「FAST-Dモニタリングエディション」を提供しておりますが、貴社のアプリケーションにFAST-Dプラットフォームの機能を提供することも可能です。
【Hmcomm株式会社について】
・会社名 Hmcomm株式会社
・URL https:// hmcom.co.jp
・設立日 2012年7月24日
・本社 東京都港区芝大門2-11-1 富士ビル2階/5階
・熊本AIラボ 熊本県熊本市中央区桜町1-25 未来会議室 桜町店1階
・事業内容 産総研発のベンチャー企業として、産総研独自の音声処理技術を基盤とした要素技術の研究/
開発およびソリューション/サービスの提供を行っております。音声処理プラットフォーム
「The Voice」と異音検知プラットフォーム「FAST-D」を基盤とし、「音から価値を創出し、
革新的サービスを提供することにより社会に貢献する」を理念としています。
・関連取得特許
特許4604178「音声認識装置及び方法ならびにプログラム」
特許4997601「音声データ検索用WEBサイトシステム」
特許5366169「音声認識システム及び音声認識システム用プログラム」
【国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)について】
日本最大級の公的研究機関として日本の産業や社会に役立つ技術の創出とその実用化や、革新的な技術シーズを事業化するための「橋渡し」機能に注力する研究所。全国10か所の研究拠点で約2,000名の研究者がイノベーションを巡る環境の変化やそれらを踏まえて策定された国家戦略等に基づき、イノベーション・ナショナルシステムの中核的、先駆的な立場で研究開発を行っています。
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<報道関係、企業様からのお問合せ先>
Hmcomm株式会社
担当 :R&Dセンター セールスマネージャー 高須賀 健人
TEL:03-6550-9830 FAX:03-6550-9831 E-mail:sales_team@hmcom.co.jp
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