1 実証実験概要
(1)実施日時 11月28日(火)13時頃
(2)搬送物資 ウェアラブル端末(Apple Watch)、通信機器(iPad mini)、処方箋医薬品(本実験では処方箋医薬品を想定したダミー)
(3)実験内容 災害発生による道路寸断を想定した集落へのデジタルデバイス、医薬品の空路輸送及びウェアラブル端末を活用したオンライン診療・服薬指導
(4)実施体制 主催:(株)NEXT MOTION・ (有)徳吉薬局
協力:鳥取市、すがクリニック(医師:菅 敏光)
機体・運航管理:エアロセンス(株)
(5)使用機体 エアロセンス製 「AS-MC03-T-Box」
(6)飛行ルート
鳥取市佐治総合支所(鳥取市佐治町加瀬木2519−3)~ 佐治町津野地区公民館(ふれあいの館)(約1.5Km、約5分)
2 実証実験の内容
台風災害により陸路が寸断された鳥取市佐治町津野地区住民への専門医による診療と必要な医薬品の提供を想定し、鳥取市佐治町総合支所からウェアラブル端末、通信機器をドローンにて空路輸送。
(今回実証実験を行った佐治町津野地区は本年1月の大雪、8月の台風の2度に渡る災害により周辺幹線道路が寸断され孤立し、その状況下では医療提供が困難な状況にあった。)
津野地区公民館(ふれあいの館)に着陸したドローンから端末を受け取った住民はウェアラブル端末を手首に装着し、生体データを計測。
翌日同時刻を想定し、その後、鳥取市内の「すがクリニック(鳥取市湖山町東 医師:菅 敏光)」、「徳吉薬局こやま」とのオンライン診療・服薬指導を実施。
オンライン診療・服薬指導ではウェアラブル端末からクリニックへオンラインで届いた生体データ(心拍・歩行・睡眠・心電図)を確認しアドバイスを行い、患者役の住民からのヒアリングも実施し、基礎疾患(持病)に対する薬の処方・服薬指導を行なった。
その後、再度ドローンにて処方箋医薬品の空路輸送を行い、患者役の住民は以前から服用している薬を途切れなく受け取ることができた。
(今回の実証実験では患者役住民の生体データ・疾患・処方箋医薬品については仮定のものとし、シナリオに基づいた実証実験を行なっています。)
3 今後のビジョン
今回の実証実験により、災害発生時等の孤立集落へ対してウェアラブル端末やドローンを活用することにより、精度の高い遠隔医療の提供が可能となることが実証されました。
今後、行政や関係団体とも協議を行い、災害発生時の遠隔医療提供の体制作りや、ウェアラブル端末による生体データを活用した診療や中山間地域へのドローンによる医薬品配送の普及に努めて参ります。
4 会社概要
【株式会社 NEXT MOTION】
代表者:代表取締役 西原 徹
資本金:3,000万円
設立:2006年9月
所在地:鳥取県鳥取市中砂見936
事業内容:
無人航空機を利用した写真撮影及び測量
無人航空機を利用した種子、肥料、除草剤、農薬等の散布
無人航空機パイロットの育成及び教育事業
RUSEA(一般社団法人地域再生・防災ドローン利活用推進協会)鳥取支部、兵庫南支部
【有限会社 徳吉薬局】
代表者:代表取締役 徳吉淳一
資本金:400万円
設立:1979年3月
所在地:鳥取県鳥取市秋里738-1
事業内容:調剤薬局事業、病児保育事業、居宅介護支援事業、健康サポート事業
URL:https://www.tokuyoshi-pharmacy.jp/
【エアロセンス株式会社】
代表者:代表取締役社長 佐部 浩太郎
資本金:1億円
設立:2015年 8月
所在地:東京都文京区小石川5-41-10 住友不動産小石川ビル
事業内容:自律型無人航空機によるセンシング等とクラウドによるデータの処理・ 管理を組み合わせた産業用ソリューションの開発・製造・販売
URL:https://aerosense.co.jp/home
5 NEXTMOTIONの紹介
株式会社NEXT MOTIONは、「ばぁどドローン」というブランド名にてドローン事業を行い、ドローンの正しい知識・活用方法・楽しさを広め、ドローンの普及をめざす企業です。
鳥取県全域、兵庫南地区においてドローン講習会の開催、ドローン国家資格取得支援やドローンでの撮影(空撮)、ドローンによる農薬散布もおこなっております。また、ドローンの災害時活用の推進活動を行う一般社団法人地域再生・防災ドローン利活用推進協会「RUSEA(ルシア)」鳥取支部・兵庫南支部としても活動をしております。
今回実験にて飛行させたルートに関しては株式会社トルビズオン(福岡) https://www.truebizon.com/ がサービス提供する「sora:share(ソラシェア)」を利用し、飛行ルート下の土地所有者様に対し、本実証実験だけではなく、今後のドローン飛行の合意を取得し実施しました。この合意形成には、地域住民の協力や無人航空機への理解など、地域連携が必要となり、ドローン物流社会には必要な飛行ルートデザインの基盤となっていきます。ソラシェアのスカイデベロッパーとして、地域を代表するドローン事業者として、今後も過疎化の進む中山間地や災害対策が必要な地域などに向け、明るい未来へつながる空の道の形成を進めて参ります。