次戦は、決勝戦で渡辺 明九段と糸谷哲郎八段の勝者と対局予定。
【実施概要】
タ イ ト ル: 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 準決勝第一局
日 程: 2023年10月21日(土)
場 所: Asueアリーナ大阪 メインアリーナ(住所:大阪府大阪市港区田中3丁目1-40)
【JTプロ公式戦結果】
対 局: 永瀬拓矢 九段(先手)対 藤井聡太 JT杯覇者(後手)
結 果: 84手にて藤井JT杯覇者の勝ち
【「JTプロ公式戦」今日のハイライト】
藤井JT杯覇者、二連覇まであと1勝
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が3枚で永瀬九段の先手と決まる。
序盤は両者ほぼノータイム。角換わり腰掛け銀に進むかと思いきや、銀を腰掛ける前に先手が29手目▲3五歩。それに対し後手も△7五歩と応じる展開に。後手は54手目△6六飛と切り飛ばし、△5七桂成~△7九角の決戦に出る。駒損ながら玉形の差で、後手がやや優勢に。先手は▲4五桂の勝負手を放つも時すでに遅し。藤井JT杯覇者がそのまま押し切って勝利。二連覇に向けて決勝進出を果たした。
【対局前の両者のコメント】
藤井JT杯覇者「『JTプロ公式戦』は持ち時間が短いですし封じ手もあり、うまく対応する必要があります。永瀬九段とは直近の王座戦でも対戦して、その強さは承知しています。大変な戦いになると思いますので集中して臨みたい。大阪大会は初めてですが、みなさんに楽しんでもらえるような将棋を指したいと思います。」
永瀬九段「『JTプロ公式戦』はスピーディな上に、途中で封じ手もあるなど独特な棋戦ですので、そこに対応しないといけません。藤井JT杯覇者は長い持ち時間の棋戦はもちろんですが、早指しでも結果を出されています。一番倒さないといけない相手ですので、しっかりいい将棋を指したいと思います。」
【勝利棋士 藤井JT杯覇者」のコメント】
今日の将棋ですが、昨年のJTプロ公式戦準決勝の斎藤慎太郎八段戦で永瀬九段が全く同じ将棋を指しています。29手目▲3五歩に対し、斎藤八段は△6二金としましたが。一方的に受けるのはつまらないので、攻め合い志向で行こうと思いました。それが△7五歩です。47手目▲4七銀が仕掛けを誘っているように感じましたので、△6六飛の飛車切りから△7九角の順をやってみました。駒損の攻めですが、先手陣はバラバラなので。△5九飛▲同飛△同馬と進んで、先手の受けが難しいと思いました。
決勝進出は3回目ですが、1回目は豊島九段に負かされました。昨年のことを思い出して、いい将棋にしたいです。
【講評】
永瀬九段は29手目▲3五歩と仕掛けました。△同歩と取らせて▲4五桂という攻め筋です。まずは自分の土俵に引きずり込もうとしたのですが、藤井JT杯覇者は△7五歩と攻め合いの手で応じました。永瀬九段も読みが外されたのではないかと思います。
後手は△8八歩~▲同金としてから、△6六飛~△5七桂成~△7九角と踏み込みましたが、それが素晴らしい判断でした。
60手目△3六歩に対し、▲4五桂と跳ね以下△3七歩成▲5六銀△3六と▲7八金△6八角成▲同玉△4六と▲3五角が唯一勝負できる順だったでしょうか。本譜は粘ることができず永瀬九段らしさが出ませんでした。藤井JT杯覇者の快勝だったと思います。 谷川浩司十七世名人談
【投了図】 永瀬拓矢 九段(先手)対 藤井聡太 JT杯覇者(後手)
【棋 譜】 永瀬拓矢 九段(先手)対 藤井聡太 JT杯覇者(後手)
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3二金
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲1六歩 △1四歩 ▲3八銀 △3三銀 ▲3六歩 △6二銀
▲7八金 △6四歩 ▲6八玉 △7四歩 ▲3七桂 △4二玉
▲4六歩 △6三銀 ▲9六歩 △7三桂 ▲3五歩 △7五歩
▲同 歩 △6五桂 ▲6六銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲8七歩 △8三飛 ▲3四歩 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三銀 ▲2九飛 △2四歩 ▲4七銀 △8八歩
▲同 金 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △6六飛
▲同 歩 △5七桂成 ▲同 玉 △7九角 ▲6八飛 △3六歩
▲同 銀 △5六銀 ▲同 玉 △6八角成 ▲4八金 △5九飛
▲同 飛 △同 馬 ▲5七銀 △4八馬 ▲同 銀 △5八飛
▲4七玉 △8八飛成 ▲6七角 △2六金 ▲4五桂 △3六金
▲同 玉 △3五銀 ▲4七玉 △4六銀 ▲3六玉 △3五金
まで84手で後手の勝ち
お問合せ
「将棋日本シリーズ」総合事務局 TEL/03-5166-0290 E-mail/info@jt-shogi.jp
〒104-6038東京都中央区晴海1-8-10晴海トリトンスクエアX棟㈱I&S BBDO内
※「棋士の写真」や「各種調査データ」の提供等もいたします。