三河港は、1962年に豊橋、蒲郡、田原、西浦の4港が統一され愛知県の管理港として誕生。昭和50年代に三菱自動車、トヨタ自動車やスズキが自動車輸出を開始したことに加え、平成に入りプジョー、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、ローバー、フォードなど欧米自動車メーカーの日本法人が相次いで進出したことから、輸出入ともに世界トップクラスの取り扱いを誇る国際自動車港湾になりました。
特に、自動車の輸入は1993年から29年連続で金額、台数ともに日本一を続けています。最新のデータによると、2021年の三河港の自動車輸入台数は17万5300台(名古屋税関豊橋税関支署発表 台数速報値)で、外国車の2台に1台が三河港で陸揚げされています。
多彩な国々の車が輸入される三河港らしく、モーターショーでは、メルセデス・ベンツやボルボなどの人気車種14台が並びました。豊橋市内に本社があるフォルクスワーゲングループジャパンからは、6月に発売されたばかりの新型「Polo(ポロ)」と2021年上半期における輸入SUV登録台数1位の「T-Cross(ティークロス)」が登場。朝から大勢の人がシートの座り心地などを確かめていました。
また、調理学校校長と三河港カレー研究会で考案した「三河港カレー」が初めて披露されました。
三河港をイメージしてカレーのルーはハート型に、地元特産のうずら卵は目玉焼(豊橋焼)や三河湾の「アイドル」スナメリに見立て、イカリ型のニンジンと船型のポテトで見た目もかわいらしいカレーに仕上がっています。
限定300食が無料で振る舞われ、来場者からは「かわいい」「お店にあれば食べたい」などと好評でした。
港らしいイベントも盛りだくさんでした。
普段、鳥羽海上保安部にある海上保安庁の巡視船「いすず」の船内を見てまわったり、造船会社「新来島豊橋造船」の工場が見学できるポートバスツアー、遊覧船「たつみ丸」で港内を巡るクルージングがあったりと、来場者は港について理解を深めていました。
ライフポート豊橋であった講演会では、金髪、セーラー服というおなじみの姿で登場した「令和のお魚王子」こと鈴木香里武さんが、季節に合わせて港に現れる幼魚を写真と動画を交えて紹介。
夏の港では流れ藻に、秋には枯れ葉に扮するなど、身を守るための戦術を通して、幼魚のたくましさについて語っていました。
豊橋みなとフェスティバルは、豊橋港開港5周年記念イベントとして1977年に始まりました。1999年からは毎年、海の日に開催しています。県や市、豊橋商工会議所、港湾関係の企業らによる実行委員会が港に親しみを持ち、港の重要性や役割、港湾整備への理解を深めてもらうことを目的に実施しています。