国際NGOワールド・ビジョン調査報告書
「若くして結婚して(原題:Young and Married」 2023年10月3日発表
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調査結果ハイライト
・結婚した少女は未婚の少女に比べて性的暴力を受けるリスクが5倍高い
・結婚した少女は多くが学校の中途退学を強いられている。結婚した少女と未婚の少女の就学率には20%~50%の開きがある。
・結婚した少女は未婚の少女に比べて、「悲しみ」や「価値のなさ」を感じているとの回答が17%高い。
・結婚した少女は未婚の少女に比べてエンパワメント評価が70%高い。これは結婚した少女の妊娠・出産に関するケアへのアクセスが向上することに起因。女性に対して抑圧的な地域では、未婚の少女が妊娠・出産に関するケアを受けるだけで結婚を強要されたり、身体的暴力を受けるリスクが高く、少女たちはケアを受けることを恐れている。
調査概要
調査プロジェクト「子ども花嫁の声を聴く」(原題:Listening to Child Brides)
【目的】結婚した少女や若い女性の経験やニーズ、また、少女や女性の多様で複雑な、結婚内外のことに関する自己決定権や裁量について理解を深め、少女や若い女性をよりよい支援につなげる
【調査時期】2021年~2023年 【実施国・地域】タンザニア、モーリタニア、ネパール、バングラデシュの4カ国。調査は、ワールド・ビジョンが活動する地域で実施され、各国の代表的な地理的特徴を持った地区を選定 【調査手法】複合セクターの混合研究法。量的データは12歳から14歳の既婚・ 未婚の少女や若い女性たち9,469人から収集。質的データは16歳から18歳の既婚・未婚の少女や若い女性たちからグループディスカッションを通して収集
ワールド・ビジョンでアドボカシーと渉外の責任者を務めるダナ・ブズドゥーシャのコメント
「毎年、約1,200万人の少女が18歳未満で結婚を強いられ、非常に高い確率で、学校の中退、性的暴力、家庭内暴力、うつ病のリスクにさらされています。選択肢が限られた厳しい生活の中、少女や若い女性の早期結婚はあたかも合理的な最善策のように見なされることもありますが、決してそうであってはなりません。児童婚が当たり前となっている地域では、慣習や周囲の期待が少女たちの思想を形成してしまい、少女が自己決定する機会がほとんどないのです」
「誰ひとりとして、結婚を強要されるべきではありません。世界のどこで生まれても、すべての女の子に教育を受ける権利があり、進路を選択する自由があるべきです。言うまでもなく、性的暴力に怯えて暮らすべきではありません。しかし残念ながら、何百万人もの少女たちの今は、そうなっていません。『国際ガールズ・デー』を目前にひかえた今、地域の有害な慣習を変えることで少女たちがより大切にされ、あらゆる暴力から守られ、豊かな人生を楽しめるようになる重要性を強く訴えます」
少女の声
「幼い時はたくさん勉強して成功することを夢見ていました。でも、わたしの夢が叶うことはありません。私は自分の子どもには18歳までは結婚させません。子どもにはよい教育を受けさせ、よい市民になって欲しいと願っています」
チャダニさん(18歳)ネパール。14歳で結婚を強いられた
「私は女の子・女性のエンパワメントを信じています。すべてのお父さん・お母さんに次のように言いたい。女の子はあなたの家族の重荷ではありません。女の子が家族にとって強さになるように育ててください。女の子を子どものうちに結婚させないでください」
シーラさん、バングラデシュ。14歳で強制的に結婚させられ、暴力と虐待を受けたが、勇気をもって行動し、復学した
<ワールド・ビジョンとは>
キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳しくはこちら: https://www.worldvision.jp