※2023年度グッドデザイン賞審査委員が選ぶ、個人的なお気に入りや気になる受賞デザイン約90点を、審査委員のコメントとともに紹介するグッドデザイン賞の人気企画です。
■袋とじ機「コニクリッパ」用 結束クリップ『バイオマス コニクリップ』
軽く差し込むだけでクリップ留めと袋口カットが同時にできる袋とじ機「コニクリッパ」は、野菜・果物などの青果物やパン、菓子などの食品の袋・ネットとじに活用されています。
専用消耗品の『バイオマス コニクリップ』は、植物由来のバイオマス素材を２８％配合し、環境負荷の軽減を実現しました。ハサミや包丁を使わず、袋やネットを破ることなく指先で簡単に取り外しができるため、食品が残った際にも、とめ直すことで購入時の袋を再利用して保存できます。
＜「私の選んだ一品」選出審査委員名・コメント＞
筏 久美子／ギャラリーディレクター・TOTOギャラリー・間 代表
約３㎝角の小さな切片が、私たちの日常生活を支えている。二辺で結び合うための曲げの角度、とじる袋ごとの性質に合わせた開口部の形状、軽い力で何度もとめ直せる凹凸、要るだけ使えるテープ状、バイオマスプラスチックを使用した環境配慮などを一枚１円に満たない価格で実現した、工夫満載の一品だ。
清水 久和／プロダクトデザイナー
私たちの生活に浸透して誰でも目にしていながら、使い終わったら見向きもされない目立たない存在。暮らしを支えてくれている縁の下の力持ちのような、そんなデザインに日の目をあてたい私にとって、これ以上ないぴったりの製品でした。徹底した機能的な作りに、検討を重ねた気配を感じます。愛すべきデザインです。
＜グッドデザイン賞審査委員による評価コメント＞
スーパーマーケットに行くと青果売場で必ず目にするであろう、袋入りの野菜や果物の袋口を留める樹脂製のクリップ。本製品はそんなコニクリップをバイオマスプラスチックを配合し、環境対応マークを印字した上で、明るいグリーン色を採用したものである。カーボンニュートラルを目指す社会状況の下で、このような資材の供給において、国内で一定のシェアを持つ企業がもたらす、日々の生活の中では小さな変化ではあるものの、多くの人々に対して環境配慮への啓蒙を日常的に促すことが期待できる点を評価した。
商品ページ https://www.max-ltd.co.jp/product/af/coni_clipper/af_product_category/CK90200.html
■充電式袋とじ機『モバイルパックナー』
当社の袋とじ機では初の充電式モデルで、電源コンセントがない場所でも袋とじ作業を可能にしました。本体重量は６．５ｋｇ(電池パック、専用消耗品除く)と軽量かつコンパクトで、ハンドルグリップ付きで持ち運びやすく、狭いスペースでの作業も快適に行うことができます。
１充電で約５，０００回の連続作業が可能で、袋・ネットを軽くひねりながら差し込むだけで瞬時に結束ができるため、疲れにくく習熟度にかかわらず簡単に均一な袋とじ作業ができます。
使いやすさにこだわったシンプルな設計が特徴です。
＜グッドデザイン賞審査委員による評価コメント＞
モバイル型機器の開発に対して、すでにある大型据え置きとの棲み分けが適正に行われ、必要十分な仕様など製品コンセプトが明快な製品として実現している。機構部の各パーツが機能、使い勝手、安全性に対して合理的に設計され、そこから導かれる秩序が機械美の魅力を創り出している。
商品ページ https://www.max-ltd.co.jp/product/af/packner/vegetable_fruit/HR90101.html
【グッドデザイン賞とは】
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
●グッドデザイン賞のウェブサイト http://www.g-mark.org/
●「私の選んだ一品」展示について（2023年10月5日(木)～11月30日(木)東京・丸の内で開催）
https://marunouchi.g-mark.org/exhibition.html
