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取り組みの背景
腸内細菌と全身の健康の関連性について明らかになりつつある今、特に腸内細菌が産生する代謝産物(ポストバイオティクス)に注目が集まっています。腸内細菌は人体が消化吸収できない食物繊維やオリゴ糖などをエサに、短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸など)を産生します。これらの短鎖脂肪酸が産生される事で腸内環境が酸性に傾き、要注意菌が減って有益菌が増えやすくなったり、体に吸収されることで、エネルギー生成・肥満予防・免疫機能向上といった効果を発揮し、全身の健康維持・増進に寄与しています。
サイキンソーは、研究支援サービス「Cykinso Research」を通して、様々な研究機関や企業から研究・解析を受託し、細菌叢と疾患の研究や食品の高付加価値化試験など、細菌叢の研究を多方面からサポートしてきました。
腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸の解析は、「細菌叢で人々を健康に」という当社理念の実現に向けて取り組むべきテーマであり、より多くの食材や医薬品のポストバイオティクス効果を見出すことで人々の健康維持・増進に大きく貢献できると考え、この度の新メニュー開発に至りました。
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Cykinso Research 短鎖脂肪酸解析に関して
Cykinso Research 短鎖脂肪酸解析では、食材の機能性検討や腸内環境の変化に起因する疾患研究およびその治療や診断への応用というニーズにおいて、食品や治療が腸内細菌にどのような影響を与え、健康増進に寄与しうる短鎖脂肪酸をどの程度産生するかを解析いたします。16S rRNA遺伝子解析に加え、短鎖脂肪酸解析をメニューに追加する事で、幅広い細菌叢研究をご支援いたします。解析は、テクノスルガ・ラボが提供する糞便中有機酸分析を活用いたします。
Cykinso Researchの詳細、お問合せはこちら( https://research.cykinso.co.jp/ )をご確認ください。
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担当者のコメント
株式会社サイキンソー 取締役 CSO 竹田 綾
近年、医療や食品関連の研究業界において腸内環境の評価における細菌の代謝産物への関心が高まっています。特に短鎖脂肪酸は健康や免疫機能などに重大な役割を果たしており、当社が得意とする菌叢解析に加えて短鎖脂肪酸などの理化学分析を行うことで、腸内環境のさらなる深層を探求するサポートが可能となります。テクノスルガ・ラボ様との提携により、両社の強みを結集させ新たな価値を創造し、相乗効果を生み出せると確信しております。
株式会社テクノスルガ・ラボ 営業部
これまで私たちは、糞便中の有機酸(短鎖脂肪酸)、胆汁酸、IgAなど腸内環境を評価するための様々な物質を分析するサービスを提供してまいりました。また、より精度の高い結果をお届けすべく高品質な技術を磨き、分析に関わるノウハウも蓄積してきました。その中でも、近年特に注目されている糞便中の有機酸(短鎖脂肪酸)について、一人でも多くの研究者様が利用しやすい環境を整えるべく、サイキンソー様との業務連携を決めました。弊社の様々な理化学分析や採取キットで腸内環境をより多面的に把握し、共に健康な社会の実現に寄与したいと考えております。
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マイキンソー(Mykinso)について
自宅で誰でも簡単にできる腸内フローラ(腸内細菌叢)検査サービス。累計検体数は 90,000 件を誇ります。有益菌の代表格として知られるビフィズス菌の他、乳酸産生菌や、酪酸産生菌、エクオール産生菌の割合もわかります。全国 1,000 件以上の医療機関で受けられる「マイキンソー プロ(Mykinso Pro)」や乳幼児に特化した検査サービス「マイキンソー キッズ(Mykinso キッズ)」も展開しています。
・サービスサイト:https://mykinso.com/
・紹介動画:https://youtu.be/GtIxFi92RFA
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会社概要
( 1 )株式会社サイキンソー概要
「細菌叢で人々を健康に」を企業理念として、腸内フローラをはじめとする人体の常在細菌叢をデータサイエンスの力で解き明かし、ヘルスケアに貢献することを目指しています。
・会社名:株式会社サイキンソー
・設立: 2014 年 11 月 19 日
・所在地:東京都渋谷区代々木 1 – 36 – 1 オダカビル 2 階
・代表者:代表取締役 沢井 悠
・主な共同研究先:大阪大学微生物病研究所
( 2 )株式会社テクノスルガ・ラボ概要
技術に基づく「FACT (真実、事実)の追求」を企業理念として、微生物同定、微生物群集構造解析、腸内環境分析など、幅広いサービスでお客様の試験・分析・研究をお手伝いします。
・会社名:株式会社テクノスルガ・ラボ
・設立:2007年年5月
・所在地:静岡県静岡市清水区長崎388番地の1
・代表者:代表取締役社長 望月 淳