ふく初競りの様子
例年通り、9月1日に、市場関係者が集まり、航海の安全と大漁を祈願するふぐ延縄船団出航式が行われました。以降、ふぐ漁が正式に解禁となり、25日に水揚げされた「ふぐの初競り」が行われます。下関漁港南風泊分港にある南風泊市場は、全国有数のふぐ取扱量を誇り、国内唯一のふぐ専門市場として知られています。この時期市場には、日本各地で水揚げされる天然ふぐをはじめ長崎県や熊本県などで養殖されているとらふぐなど、約20種類のふぐが集まります。
ふぐの競りは「袋競り」と言われる南風泊市場の独自の手法で行われます。「袋競り」とは、競り人が筒状の黒い袋に片手を入れ、買受を希望する買受人が袋の片方から順番に手を差し入れて、袋の中で握手するように競り人の手指を握って希望額を伝える方法です。
※山口県ではふぐを「ふく」と呼ぶことが多く、諸説ありますが、縁起の良い「ふく(福)」と呼ばれるようになったと言われています。
-
山口県 下関市 南風泊市場 ふぐの初競り
日時:2023年9月25日(月) 午前3:20~
開催場所: 山口県下関市 下関市地方卸売市場南風泊(はえどまり)市場
競り場には関係者のみ参加可能です。取材を希望される方は次頁のお問合せ先までご連絡お願いいたします。
南風泊(はえどまり)市場
日本で唯一のふぐ専門の卸売市場。地名は、帆船が関門海峡を通り抜ける際に、激しい「南風(はえ)」を避けるために停泊したことに由来しています。
袋競りにおける金額の決め方
競り人が「エカエカ…」と威勢のよい掛け声を掛けながら行い、人差し指を1本握ると「1」、人差し指と中指2本で「2」、「5」までは順次握る指の本数を増やし、「6」以上はまず指を1本握り、そのあと指を何本握って引くかによって示されます。
「エカ」とは「いいか」の方言で「ええか」が縮まったもので、「用意はいいか」「場を締めていいか」といった意味合いで使われます。
出典:下関唐戸魚市場株式会社HP http://www.karato.jp/
ふぐ食の歴史、ふぐ食文化
下関はその歴史的背景から、ふぐの食文化が非常に発達してきました。室町時代以降、ふぐは猛毒を持つため食べることが禁じられていました。しかし、1888年(明治21年)に初代内閣総理大臣の伊藤博文(山口県出身)が下関で食べたふぐに感嘆して当時の山口県令(知事)原保太郎にふぐ食の解禁を命じたことがきっかけでふぐ食は全国に広がりました。近代においては、山口県は最初のふぐ食解禁の地となります。
また、これらの歴史から、下関ではふぐの猛毒を取り除き食べられる状態にする技術「みがき」が発展し、現在でも下関には数多くの専門加工業者が集結しています。その「みがき」の技術は、下関から日本各地へと広がっていきました。
ふぐ料理人の認定基準は各都道府県でバラバラとなっていたため、厚生労働省は2019年にふぐ処理者の技術水準を全国統一にする新たな認定基準を策定し、2020年に指針(ガイドライン)をまとめました。現在、各都道府県は見直しを進めています※。
※厚労省「ふぐの取扱い及びふぐ処理者の認定に関する指針(ガイドライン)について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000628050.pdf
※厚労省「ふぐ処理者の認定基準について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000568352.pdf
※厚労省「安全なフグを提供しましょう」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000094363.html
<参考情報 >
ふぐと言えば高級食材のとらふぐを使った「ふぐ刺し」が有名ですが、山口県では、まふぐを使った「みりん干し」「ふぐの一夜干し」や「焼きふぐ」など、お刺身以外の「ふぐ」も人気です。東京では日本橋にある「おいでませ山口館」や、下関 南風泊市場直送のふく専門店オンラインでも様々な商品の購入が可能です。
-
東京でふぐ製品が入手できる「おいでませ山口館」
山口県では「ふぐ」はお刺身だけでなく、みりん干しやあぶり焼き、唐揚げ、一夜干しなどで日常的に食べられています。おいでませ山口館ではふぐの関連商品を幅広くご用意しています。
おいでませ山口館
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-3-4
日本橋プラザビル1階
問い合わせ先:03-3231-1863
営業時間:10:30~19:00
(12月31日~1月3日を除く)
12月30日は10:30~15:00
-
下関 南風泊市場直送 ふく専門店「ふくの里ネットショップ」
南風泊市場ならではの美味・新鮮・安いと三拍子そろった品々をお届けするふく専門のネットショップ。「安心・安全を食卓へ」をポリシーにしたこだわりの品揃えが魅力です。
【山口県情報】
新観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」
山口県と一般社団法人山口県観光連盟は、2023年9月15日から新たな観光プロモーションを始動しました。新たな観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」の下、『絶景』『体験』『グルメ』をテーマとした様々な取組を進めてまいります。『絶景』では、「やまぐち絶景発見フォトコンテスト」、『体験』では、山口県のアウトドアが最大50%割引となるクーポンを発行する特別キャンペーン「Yamaguchi ソトアソビ Trip」や、アウトドアの大型イベント「きららアウトドアフェス」、『グルメ』では新たなご当地グルメの発表や、ふぐ料理をテーマとした企画をご用意しました。山口県で今までにはない至福の体験をお楽しみください。