葵会グループ(理事長:新谷幸義、本部:千葉県柏市)の医療法人社団 葵会は、AOI国際病院 歯科口腔外科(神奈川県川崎市)において「歯科エックス線画像を用いた歯科検診AIシステム」の開発をするとともに、2022年7月20日に特許出願*1を行いました。
歯科パノラマエックス線画像は、顎と口腔領域全体の状況をスクリーニングできるエックス線写真です。
本件は歯科パノラマエックス線画像から、①各種歯科疾患(う蝕、根尖病巣、根分岐部病変、顎骨嚢胞)の診断支援AI*2、②歯式AI(歯の数と番号を自動認識するAI)、③歯周病AI(歯槽骨ラインを自動認識するAI)を組み合わせた人工知能技術により、歯科検診を行うAIシステムになっております。
検診結果はAI歯科検診表として表示するとともに、前回データとの比較も可能です。
本システムは、毎年の実施が検討されている「国民皆歯科検診」等において、数年に1度はパノラマエックス線画像の撮影による「AI歯科検診」を行うことで、視診による通常の歯科検診では把握できない顎骨病変や歯科疾患の早期発見が可能になると考えられます。
視診による評価では検診歯科医による差が少なからずありますが、エックス線画像を用いたAI評価を使用することで検診評価の標準化が期待され、さらに前回のパノラマエックス線画像データとの客観的な比較も可能となります。
例えば、20歳から5年ごとの節目検診としての運用等が期待されます。将来的に、撮影した歯科エックス線画像やAI歯科検診表をアプリやマイナンバーカード内にデータとして保管する運用となれば、歯科診療ともリンクでき国民の受診行動にも繋がると考えられます。
また、このエックス線画像の蓄積によるデータ分析は、国民の歯科疾患における貴重なヘルスケアデータとなり、今後の口腔衛生や歯科医療発展における礎となると考えられます。
*1 特許出願の情報は下記になります。
発明の名称:歯科検診AIシステム、歯周病検診AIシステム、および歯科総合検診AIシステム
出願番号:特願2022-115476
特許発明者:田島聖士、特許出願人:田島聖士・医療法人社団葵会
特許出願日:2022年7月20日
*2 歯科疾患のAI診断支援システムは2021年1月19日に特許査定を受けた技術を使用しております。
発明の名称:歯科分析システムおよび歯科分析X線システム
特許番号:特許第6830082号
特許発明者:田島聖士、特許出願人:田島聖士・医療法人社団葵会
これまで開発したAI技術の一部は下記学会誌に掲載されております。
・田島聖士, 園田央亙, 小林誉: パノラマエックス線画像における根分岐部病変を自動検出するAIモデルの開発. 日本歯周病学会誌, 2021.
・Satoshi Tajima, Yoshiyuki Okamoto, Takashi Kobayashi, Maiko Kiwaki, Chikanobu Sonoda, Kaori Tomie, Hiroto Saito, Yoshimi Ishikawa, Takayoshi Shintani: Development of an automatic detection model using artificial intelligence for the detection of cyst-like radiolucent lesions of the jaws on panoramic radiographs with small training datasets. Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology, 2022.
<葵会・AOI国際病院について>
葵会グループでは、病院と介護老人施設、教育機関の連携により、医療、リハビリテーション、施設介護、デイケア、在宅介護のためのケアプラン作成まで一貫して取り組んでおります。「治す」と「防ぐ」を高いレベルで両立し、健康な人生をトータルにケアしていく医療を目指します。
AOI国際病院では、地域医療から高度先進医療まで幅の広いシームレスな総合医療を提供します。医療人としての誇りと多職種との連携を大切にし、職員が働き甲斐のある病院を目指します。
■病院名 :医療法人社団 葵会 AOI国際病院
■所在地 :神奈川県川崎市川崎区田町2-9-1
■Webサイト :https://www.aoikai.jp/aoiuniversalhospital/department/geka/geka12/