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イベント概要
・開催概要:「ひょうご・おたる 運河調査隊!2023」第2回(北海道編)
・日程:2023年8月25日(金)~2023年8月27日(日)【2泊3日】
・開催場所:小樽運河、小樽港、小樽市総合博物館、おたる水族館、運河プラザ三番庫 等(北海道小樽市)
・参加人数:小学5・6年生 40名(北海道20名/兵庫県20名)
・主催:一般社団法人 北海道海洋文化フォーラム、一般社団法人 海と日本プロジェクトinひょうご
・後援:北海道教育委員会、小樽市教育委員会、読売新聞社北海道支社、神戸新聞社
・協力:小樽市、小樽観光協会、小樽市漁業協同組合、おたる水族館、小樽港湾事務所、(一社)みなと総合研究所、NPO法人 海に学ぶ体験活動協議会、独立行政法人北海道総合研究機構、東海大学生物学部、東海大学北海道地域研究センター ほか
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兵庫県と北海道の調査隊が小樽運河を調査!
「ひょうご・おたる運河調査隊!2023」は、「運河の環境保全」をテーマに、運河の歴史や特徴、文化を学び、運河や海の未来を考えようと、7月28日(金)~30日(日)に神戸市にある兵庫運河を舞台に第1回を実施し、今回はその第2回です。北海道小樽市の小樽運河にフィールドを移し、北海道と兵庫県の小学生40名が集合。小樽運河と兵庫運河を比較しながら調査を行いました。
兵庫県と北海道の調査隊メンバーは、小樽運河でのおよそ1ヶ月ぶりの再会に思わず笑顔がこぼれました。
1日目は開校式と夕食を終えた後、夜の運河クルーズに乗り、期間限定でライトアップされた倉庫を見ながら、小樽運河を船の上から調査。心地よい水の音を感じながらキャプテンの案内で、北海製罐小樽工場第3倉庫など古くからの景色を残している北運河と、倉庫をお店として活用するなど観光地として賑わっている南運河との様子の違いを見ながら、運河を中心に発展してきた小樽の歴史と現状を学びました。子どもたちは船でしか通れない橋の下をくぐる度に大興奮の様子でした。
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小樽運河の環境について調べてみよう!
2日目の朝は、毎週小樽運河の清掃活動を続ける「Canal Clean Team」のボランティアの方と一緒に運河のごみ拾いからスタート。子どもたちは散策路のごみを拾うチームと水中のごみを拾い上げるチームの2班に分かれて清掃活動を行いました。運河にそそぐ「おこばち川」の近くでは、大きなごみ袋に入った生活ごみも出てきて、こどもたちは引き上げるのに一苦労。重くてたも網の取っ手が折れそうになるなど苦戦しました。長い木の枝などもあり、運河に流れてくるごみの量に、皆、びっくりしていました。
朝食と休憩をはさんだ後は、東海大学生物学部の南秀樹先生、大橋正臣先生、野坂裕一先生が講師を務め、小樽運河の中央橋で運河の水と泥を採取。子どもたちは運河の水温、塩分などを計測し、プランクトンネットでプランクトンを採取。よく見てみると動物プランクトンが動いているのがわかります。また、水中カメラではウグイが泳いでいる様子が見えました。採取した水と泥はこの後、詳しい分析を行います。
続いては、北海道立総合研究機構の研究室で採取した泥の硫化物を測定したり、運河の2か所の水や海水浴場、水道水をろ過して比べるなど、職員の方に教わりながら実験器具を使って慎重に分析を行いました。
小樽港湾事務所に併設されたみなと資料館では、約100年前に作られた小樽港の北防波堤が現在も当時のまま使われていることなど島田副所長からお話を聞きました。会議室に移動し、小樽運河と兵庫運河のプランクトンを顕微鏡で観察。また、東海大学の南先生から、運河の中は海水と河川水がまざりあっていて、川から栄養が供給されて植物プランクトンが増殖に使われることを教わると、「プランクトンは大切」とメモを取っていました。
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海の生き物に触れてみよう!
おたる水族館では、館内の展示を見学。ニシンやホッケなど北の魚が水槽に泳ぐ様子を見て、北海道のこどもたちは、「食べたことがある!結構、大きい!!」などと興味津々。そして、水族館のスタッフから「かつてはニシンが大量に獲れていて、群来(くき)と呼ばれる海が白くなる現象があちこちであった」という話を聞くと、「ニュースで見た!」という子も。そして、屋外にある海獣公園の海へ。
こどもたちは、ライフジャケットを実際に着用したあと、海で安全に遊ぶための方法として、万が一、溺れたら「ラッコ浮き」の姿勢をとることを実際に体験しました。最初は難しそうでしたが、何とか顔を海面に出すことができました。また、藻場では海の中の生き物を観察。子どもたちは箱メガネで水中を覗きながら、コンブとともにカサガイ、ヒシガニ、ハゼなどを見つけ、歓声を上げていました。
夜は、小樽の前浜で獲れた大きなホタテで、班対抗ホタテ釣り競争に挑戦。水槽に入った活きの良いホタテの近くに釣り糸を垂らすと、100個ほどの目で明るさの違いを感じ、餌がなくとも「パクッ」と食いつき釣りあげることができます。ホタテのさばき方も教わり、こどもたちは苦戦しながらも何とか貝を開けて貝柱を取り出すことができました。釣り上げたホタテは、北海道名物のジンギスカンと共に、夕食で美味しくいただき、夕食の後は今日学んだことを班ごとに書き出してふりかえり、2日目のプログラムは終了しました。
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未来の運河について考えてみよう!
3日目は、いよいよ今までの学びのまとめに入ります。
まずは、運河と倉庫の利活用について学ぶ講義からスタート。小樽運河の北運河に位置する、北海製罐小樽工場第3倉庫は1924年(大正13年)に建築され、缶詰用の缶を保管する倉庫として使われていましたが老朽化が進み、一時は取り壊しの話も出ていました。
北海製罐 第3倉庫の建物の保全と利活用を考え、運河にさらなる賑わいを作り出そうとしている「NPO法人OTARU CREATIVE PLUS」の福島慶介さんから取り組みについてのお話を伺い、この後のまとめに繋がるヒントをいただきました。
最後のプログラムは、いよいよ第1回の兵庫編と第2回の北海道編の6日間で学んできたことを元に「未来の運河の利用方法」について各班で意見を出し合い、班ごとに壁新聞にまとめました。ガラス張りの船で運河をクルーズして魚を見ることができる「動く竜宮城カナルランド」など斬新なアイディアが発表されました。
また、今回子どもたちが学んだことを広く発信する取り組みとして、北海道・利尻屋みのやの「湯どうふ昆布」と兵庫県・樽屋五兵衛の「生炊き いかなごくぎ煮」のパッケージデザインを考えました。子どもたちが考えたキャッチコピーやイラストが入ったオリジナルデザインの各商品は、後日、利尻屋みのや各店、オンラインショップなど販売予定です。
全てのプログラムを終えた後には閉校式が行われ、調査隊に参加した子どもたちは「ひょうご・おたる運河未来大使」に認定され、参加者全員に認定書が授与されました。
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参加した子ども・保護者からの声
・運河は本当に歴史に名を刻んだことを知った。(参加者)
・プランクトンの量を測る実験が印象に残った。本格的な実験をやったことがないから。(参加者)
・色々なことを知ることができた。研究者になりたいなと思った。祖父も父も大学院で研究したり、仕事でもしているから。友達もできた。また、先生に教わりたい。(参加者)
・兵庫県、小樽と、参加したら、その分たくましくなりました。海の素晴らしさを再確認。食卓に、神戸の須磨海苔やシラスがあがった。自分たちも知らないことを教えていただき、食卓で兵庫運河の話をした。小樽の話も聴いています。(参加者の保護者)
<団体概要>
団体名称:一般社団法人 北海道海洋文化フォーラム
活動内容:北海道の海に関する「ヒト・モノ・コト」を取材、テレビ等を通じて情報発信しています。北海道の豊かな海を未来へつないでいくため、地域の企業・団体と連携し、次世代を担う子どもや若者を中心に向けて海への好奇心を持ち、行動を起こすムーブメントの醸成に取り組んでいます。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。