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「PCAFスタンダード対応GHG算定」機能、開発の背景について
昨今の脱炭素化に向けた潮流の中、GHG排出量の削減は重要な経営課題の1つに位置付けられています。まずは、自社のサプライチェーンGHG排出量を把握することが、課題解決の第一歩となるため、世界全体の企業にて正確なGHG排出量の把握のための取り組みが行われています。中でも金融機関が脱炭素化を促進する役割を果たしていくためには、金融機関自らのビジネスとGHG排出量の関係について、投融資を通じた排出量(ファイナンスド・エミッション)算定を通じて明らかにしていくことが重要となっており、この「ファイナンスド・エミッション」の算定・開示に対する要求が年々高まりを見せております。ファイナンスド・エミッションの算定には、GHGプロトコルの算定基準によるGHG排出量算定と同時に、金融機関のGHG算定・開示を目的とした国際イニシアチブである「金融向け炭素会計パートナーシップ(PCAF)」が作成した「金融業界のためのグローバルGHG算定・報告スタンダード(PCAFスタンダード)」に則ったGHG排出量の算定が推奨されています。金融機関のビジネスの実態に合っていることから、TCFDやSBTiにおいても、PCAFスタンダードの利用が推奨されています。この度「CARBONIX」に搭載する「PCAFスタンダード対応GHG算定」機能は、このようなファイナンスド・エミッション算定に必要とされる、金融機関の多彩な算定に対応することを目的として開発されました。
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「PCAFスタンダード対応GHG算定」機能について
PCAFスタンダードに基づいた、アセットクラス・基本算定式・投融資先のスコープごとのGHG排出量算定を、三井住友信託銀行株式会社様をはじめとする複数のPCAF Japan Coalitionへ参画されている金融機関と共同で検証いたしました。また、株式会社第四北越銀行様、みずほ丸紅リース株式会社様にも同検証にご参加いただき、GHG算定の精緻化と効率化の両立の観点でアドバイスを頂戴いたしました。今後も、金融機関様にとってGHG算定の精緻化と効率化の両立につながる機能開発に向けて、継続的な取り組みを行って参ります。
本機能の主な特徴は下記のとおりです。
・PCAFスタンダードに則った算定機能
①6つのアセットクラスに対応した算定
②アトリビューションファクターに応じた算定
③アセットクラス別に明示されるデータのクオリティスコアの管理
④PCAFスタンダードに則った組織の境界(バウンダリ)に応じた算定
・GHG排出量を様々な切り口で分析し、視覚的に把握できる「ダッシュボード」機能
・必要な情報をエクセルやCSVでダウンロードできる「レポート出力」機能
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実証実験に参画いただいた企業からのコメント
みずほ丸紅リース株式会社
代表取締役 矢部延弘
弊社は総合リース会社として幅広いファイナンスサービスを提供しており、取り扱うビジネス分野も多岐に渡っています。今回のPCAFスタンダードへの対応によって、当社が投融資する案件のGHG排出量が従来の方法に比べて、より詳細かつ正確に把握できることが実感できました。また、操作性もわかりやすく、分野別に把握して管理できる優れた視認性を有していることも確認できました。Sustech様のCARBONIXは今後のカーボンニュートラル社会の実現の一助になるものと考えます。
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株式会社Sustech
代表取締役:丹野裕介・飯田祐一郎
本社所在地:東京都港区芝3-1-14 芝公園阪神ビル5階
URL:https://sustech-inc.co.jp/
Sustechは、「テクノロジーを活用し、企業と社会のGXに貢献する」を経営理念に掲げ、脱炭素化支援プラットフォーム「CARBONIX」や分散型電力運用プラットフォーム「ELIC」など、カーボンニュートラル化支援事業を複数展開している企業です。