OKI、世界遺産「三池港」で、文化遺産保護を目的に光ファイバーセンサーを活用した予防防災ソリューションの実証実験を実施

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三池港 閘門三池港 閘門

OKIは、世界遺産「三池港」において、文化遺産保護を目的に、光ファイバーセンサーを活用した予防防災ソリューションの実証実験を行いました。本実証実験では、日本ドライケミカル株式会社(東京都北区、以下日本ドライケミカル)、三池港物流株式会社(福岡県大牟田市、代表取締役:安藤 寿英、以下三池港物流)、福岡県(知事:服部 誠太郎)と福岡県大牟田市(市長:関 好孝)の協力のもと、三池港の閘門(注1)を動作させる機器に光ファイバーを敷設し、OKIの「異常温度リアルタイム監視ソリューション」を用いて、温度をリアルタイムに可視化できるかを検証しました。実際に異常温度を早期発見し、火災の未然防止や機器不具合の検知に貢献できることを確認しました。

明治41(1908)年に開港した三池港は、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産であり、現在も稼働する日本で唯一の閘門式ドックは、文化遺産としても重要な価値があります。こうした建造物の火災予防策としては、火災検知器を導入する例が多く見られますが、近年の国内外における文化遺産焼失の事例もふまえ、火災の発生を未然に検知・通知する、より確実な仕組みが求められています。

OKIは、光ファイバーセンサーを用いて対象物の温度をリアルタイムで監視し防災・減災に寄与する「異常温度リアルタイム監視ソリューション」を2019年に発表しました。今回の実証実験ではこのソリューションを応用して、三池港の閘門を動作させる機器が設置されたポンプ室に温度計測用の光ファイバーを敷設し、OKIの光ファイバーセンサー「WX1033シリーズ」で計測・可視化することで、異常な温度上昇を素早く検知し、火災などの早期発見につなげることを目指しました。「WX1033シリーズ」は、OKI独自の技術「SDH-BOTDR方式」を採用しており、ブリルアン散乱光(注2)のわずかな変化を周波数変位ではなく電気信号の位相シフトに変換して捉える独自アルゴリズムにより、広い測定範囲における温度・歪みのリアルタイムセンシングができます。また、1本の光ファイバーで建屋全体と各機器の温度を計測・監視できるため、施工しやすくメンテナンスフリーで、文化遺産にも景観を損ねず簡単に敷設することができます。

実証実験の概要

2023年2月~3月に、三池港の閘門を動作させる機器が設置されたポンプ室の建屋全体と、制御盤や変圧器などの機器類に光ファイバーを張り巡らせ、建屋全体と各機器の温度を計測・監視しリアルタイムに可視化できるか検証を行いました。実験の結果、あらかじめ設定した温度超過時に管理者に通知が行われ、火災の未然防止につながることが確認できました。実証実験の現場としてご協力いただいた三池港物流からも、文化遺産の管理に有効な成果が期待されるとのコメントを得ています。

OKIは今後、日本ドライケミカルとともに、本実証実験で蓄積した温度データをもとに温度と機器の不具合の関連性を分析し、三池港の閘門における温度計測・監視を2023年9月末まで継続することで、機器保全への活用についても検討を進めていきます。

実証実験 システム構成イメージ実証実験 システム構成イメージ

・三池港ポンプ室内の発熱のおそれのある箇所の温度を光ファイバーセンサーで監視。

・4G回線を利用して、WEBブラウザ上で現場の状態を確認。

用語解説

注1:閘門(こうもん)

船渠内の水位を干潮時でも8.5m以上に保つため、内港との間に設けられた施設であり、明治41(1908)年 三池港の開港当時から稼働している。

注2:ブリルアン散乱光

光ファイバーに光パルスを入射したときに発生する後方散乱光の一つ。

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光ファイバーセンサー「WX1033シリーズ」商品紹介ページ

光ファイバーセンサー|OKI
OKI独自の新技術「SDH-BOTDR方式」を活かし、製造装置や工場内の温度管理、インフラの常時監視などにおいて、長距離・広範囲の温度・歪みのリアルタイムで測定できます。

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