凸版印刷、ボトル内の液体を検知するNFCタグラベルを開発

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 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、開封検知機能を持つセキュアセンシングNFCタグを2017年1月から展開し、高級ワインなどに採用されています。
 この度、セキュアセンシングNFCタグの新ラインナップとして、静電容量(※1)式センサー機能を搭載しボトルなどの容器内の液体の残量を非接触で検知できるNFCタグラベルを開発。2023年8月より、化粧品業界、医療・医薬品業界、酒類業界などに向けて全世界で提供を開始します。

 

液体検知NFCタグラベルのイメージ  © TOPPAN INC.液体検知NFCタグラベルのイメージ  © TOPPAN INC.

 このNFCタグラベルは、凸版印刷がこれまで培ってきた独自のアンテナ設計技術を活かし、NFCアンテナと液体検知回路を組み合わせたものです。一対の電極回路をラベル内に形成し、容器の表面に貼付したNFCタグラベルをスマートフォンで読み取ることで、容器内の静電容量の大きさから液体の有無や残量を検知することができます。

本製品の活用により、ユーザーは中身の見えない容器の残量確認が簡単にできます。また、導入企業は、消費者に対して使用状況に応じたコンテンツ提供や追加購入の誘導などのカスタマーエンゲージメントサービスを提供することも可能になります。

 なお、本製品は、2023年7月5日(水)から7日(金)まで開催される「第25回インターフェックスWeek東京[医薬品][化粧品]研究・製造展」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブースにて展示します。

 

■ 開発の背景

 高級品のパッケージは、意匠性や内容物の保護のため中身の見えない容器が多く、ユーザーからは容器の残量を手軽に確認できる手法が求められていました。また、企業側はマーケティングや商品開発を目的として、商品購入後のユーザーの使用状況などを獲得する手段が求められてきましたが、現状はアンケートや購入データの追跡などが一般的で使用実態に即したデータ取得の手法はありませんでした。

 この課題に対して、この度、容器内の液体を簡単に検知できるNFCタグラベルを開発しました。従来、静電容量の仕組みを用いた液体検知は工業用途において専用機器を使用する方法が一般的でしたが、今回NFCタグラベルに液体検知機能を搭載することでNFC対応スマートフォンでの検知を実現しました。

 凸版印刷は2017年より、開封検知が可能なセキュアセンシングNFCタグを開発し、高級品の偽造品・模倣品対策や消費者への商品情報コンテンツの展開を支援しています。今回、セキュアセンシングNFCシリーズの新たなラインナップとして液体を検知するモデルを加え、NFCタグ市場の拡大を推進します。

■ 本製品の特長

・専用装置が不要で、スマートフォンを用いた手軽な液体検知

 通常、静電容量の仕組みを用いて液体検知をする場合は、静電容量を測定する専用装置が必要です。本製品は静電容量信号入力を有したNXP®Semiconductors製の革新的なNFC用ICチップであるNTAG® 22x DNA StatusDetectを採用。ここに、凸版印刷が持つ独自のアンテナ設計技術を活かして、NFCタグラベルにNFCアンテナと容器内の液体を検知可能な回路を組み合わせることで、スマートフォンを用いた手軽な液体検知を実現しました。また、スマートフォンからの電磁誘導により自己発電し電流が流れるため、電源は不要で読取りすることが可能です。

※正しく液体を検知する為には使用する容器の材質、厚み、液体の種類ごとに事前の評価が必要です。また、容器の材質が金属の場合は、検知をすることができません。 

・専用アプリがなくても液体検知が可能

 本製品は、NFC対応スマートフォンをかざすだけで、ICチップ内部のNDEF(NFC Data Exchange Format(※2))データを専用のアプリ不要で読み込むことができます。具体的には、NFCタグにスマートフォンをかざした際に測定された液体検知データを含むURLを生成することができ、Webブラウザ上で情報を確認することが可能です。

・真贋判定や商品情報の提供も可能

 NFCタグを読み取ると、ID情報を読み取るだけでなく、演算による認証情報も取得します。認証情報は読み取りプロセスごとに異なり、クラウド上でその演算結果を判定するため、高いセキュリティ性を保有しています。また、同じNFCタグを何度読み取っても、応答するURLが変化することでURLのコピーや拡散などは無効となるため、商品の真贋判定にも活用が可能です。さらに、表示されたページにキャンペーン情報などのコンテンツを掲載することもできます。

■ 価格

 1枚60円~/100万枚製造時

 ※用途に応じたカスタマイズを行う場合は別途見積りとなります。

■ 今後の目標

 凸版印刷は、今回開発したNFCタグラベルを含むセキュアセンシングNFCと環境配慮型NFCタグラベルをグローバルに拡販し、2025年度に全世界で関連受注を含めて約20億円の売上を目指します。また今後もID認証と状態検知機能を合わせ持つセキュアセンシングNFCシリーズの用途開発を行い、様々な顧客要望に対応したラインナップ追加を推進していきます。

※1 静電容量

離れて配置された2つの導電体からなる電極間において、どの程度の電荷が蓄えられるかを表す量です。英語ではキャパシタンス(capacitance)と呼びます。

※2 NDEF(NFC Data Exchange Format)

NFCの普及を推進するための業界標準団体NFC Forumが規定する、NFCデバイス同士が情報交換するための共通データフォーマットです。

* 凸版印刷は、本製品に関する特許出願を行っています。

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

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