IBM、Apptio Inc.を買収し、エンタープライズIT全体に実用的な財務や運用のインサイトを提供

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46億ドルの買収により、IBMが提供する既存リソースの最適化、オブザーバビリティー(可観測性)、アプリケーション管理オファリングの強化、お客様に対する価値の最大化、IBMの複数の成長分野における大きな相乗効果を創出

【ニューヨーク州アーモンク – 2023年6月26日(現地時間)発】
IBMは本日、財務・IT運用管理および最適化(FinOps)ソフトウェアのリーダーであるApptio Inc.を、46億ドルで買収する最終契約をVista Equity Partnersと締結したことを発表しました。Apptioの買収により、IBMのIT自動化機能の進化を加速させることで、企業経営者にテクノロジー投資全体にわたってより高いビジネス価値を提供していきます。

企業のデジタル変革はかつてない速さで進み、その結果、企業のIT環境は、複数のサービス・プロバイダーが提供するパブリッククラウドやプライベートクラウドへと拡大しています。この劇的に増大する複雑性を管理するために、Apptioはハイブリッドおよびマルチクラウド環境、業務量や関連リソースにまたがるテクノロジー支出を統合的かつ簡素化し、可視化するソリューションを提供しています。Apptioは、IBMのIT自動化ソフトウェアやAIプラットフォームのwatsonxと組み合わさることで、世界中の企業がIT支出を管理・最適化し、具体的な財務価値と業務改善を実現できるよう支援します。

Apptioは、Fortune 100の半数以上の企業をはじめ1,500社以上のお客様にサービスを提供し、確固たる位置付けで成長を遂げている、収益性の高い、Technology Business ManagementとFinOpsのリーダーです。業界で高い認知を誇るApptioは、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、Salesforce、ServiceNow、Oracle、SAPなどの大手企業と連携・統合しており、これはオープンなパートナー・エコシステムに対するIBMの姿勢と一致します。

Apptioは、企業経営者がテクノロジー支出を管理し、価値の高いクラウド・イノベーションとデジタル変革に投資を向けることができるよう支援します。Apptioには、ApptioOne、Apptio Cloudability、Apptio Targetprocessの3つの主力製品があり、すべてSaaS(Software as a Service)として提供しています。

主力3製品の概要は以下の通りです:

  • ApptioOne:ハイブリッドクラウドの支出管理および最適化機能により、IT支出と価値を分析、最適化、計画します。ApptioOneは、反復可能で正確な計画および財務管理プロセスの確立に使用され、コストと利用率に関する実用的なインサイトを提供するとともに、継続的な最適化を図るために同業他社とのベンチマークを行います。

  • Apptio Cloudability:パブリッククラウドの支出管理の可視化および最適化機能により、マルチクラウドやSaaSインフラストラクチャーとクラウド財務管理のベスト・プラクティスを結合し、お客様のクラウド戦略の価値を最大化します。

  • Apptio Targetprocess: アジャイルな投資計画機能により、開発リソースをビジネス成果に整合させ、プロジェクトや製品の価値提供を計画し、追跡します。

IBMの会長 兼CEOであるアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)は、次のように述べています。「テクノロジーは、かつて経験したことのない速度でビジネスを変化させています。このような変化を活用するためには、より優れたビジネス価値を生み出す投資を最適化することが不可欠であり、Apptioはまさにそれを実現します。Apptioが提供するサービスとIBMのIT自動化ソフトウェアおよびAIプラットフォームのwatsonxを組み合わせることで、すべてのテクノロジー投資を最適化し、管理する最も包括的なアプローチをお客様に提供します」

Apptioと、IBMのIT自動化ソフトウェアであるTurbonomic、Instana、AIOpsといったパフォーマンス最適化やオブザーバビリティー機能は、お客様に360度のTechnology Business Managementプラットフォームを用意し、テクノロジー全体にわたる支出管理と最適化に向けた「バーチャル・コマンド・センター」を提供します。さらに、Apptioは、IBMに4500億ドルの匿名化されたIT支出データを提供し、お客様やパートナーに対して新しいインサイトを提供します。

Apptioの買収は、ハイブリッドクラウドとAIに対するIBMの注力と投資の継続を表しています。自動化、Red Hat、IBMの広範なAIポートフォリオ、IBM Consultingなど、IBMの複数の重要な成長分野にわたる大きな相乗効果を創出するとともに、Accenture、KPMG、Deloitte、EYのような他の大手システム・インテグレーターとの強力なパートナーシップを促進することが期待されます。また、IBMは、Apptioの匿名化されたFinOpsデータでwatsonxを補強することで、新たなイノベーションを提供します。さらに、Apptioは、IBMが175カ国以上におけるお客様やパートナーとの協業を通じ、長年にわたって培ってきた規模やリーチを活用していきます。

Apptioの共同創設者 兼CEOであるサニー・グプタ氏(Sunny Gupta)は、次のように述べています。「私たちのお客様は、テクノロジーへの投資が分散化・非集中化している一方で、すべてのイノベーションが明確なビジネス成果と整合していなければならない、複雑なデジタル・ファーストのハイブリッドな世界へと進化しています。IBMの一員となり、私たちの業界をリードするサービスと、IBMのグローバルなプレゼンス、AIOps、自動化、ハイブリッドクラウドの強力なポートフォリオを組み合わせることができることを大変嬉しく思っています」

Vista Equity Partnersの創業者であり会長 兼CEOのロバート・F・スミス氏(Robert F. Smith)は、次のように述べています。「私たちは、戦略的バイヤーや金融バイヤー、そして株式市場にとって非常に魅力的であることが証明されている、レジリエントなエンタープライズ・ソフトウェア企業の構築に取り組んでいます。当社の投資哲学、価値創造戦略、業界の専門知識により、長期的な成功の可能性がある企業を特定し、連携することができます。Apptioは、先進企業がIT投資と業績を最適化し、より良い成果を上げる方法を変革してきました。私たちは、ともに成し遂げたこれらの業績を誇りに思うと同時に、ApptioがIBMとともにさらに進化することを楽しみにしています」

Aptioの買収は、手元現金で行われます。この取引は、慣習的な取引完了条件および規制当局の承認に従い、2023年後半に完了する予定です。

以上

IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティング・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。詳細は、http://www.ibm.com/ をご覧ください。

当報道資料は、2023年6月26日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文はこちらを参照ください。 https://newsroom.ibm.com/2023-06-26-IBM-to-Acquire-Apptio-Inc-,-Providing-Actionable-Financial-and-Operational-Insights-Across-Enterprise-IT

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