具体的には、大量の仕訳データを取引先ごとに集約し、多段階に表示する方法などについて特許が認められました。
海外展開企業(親会社)においては、海外子会社による不正会計などの“不正リスク”を常に抱えています。現地で行われる不正会計には必ずといっていいほど「取引先」が関わります。取引先別の分析を行う際には勘定科目の残高を確認することが一般的ですが、これでは「取引の内容」まで把握できません。また、取引先ごとに大量の仕訳を一つずつ確認していくのも現実的ではないと言えます。
そこでOBMでは、「現地取引先別の取引内容の確認」機能にて取引先ごとに全ての仕訳の勘定科目、取引金額、明細数を集約して表示することで、①取引の内容(科目の組み合わせ)②取引の規模③取引の頻度といった取引の概観を容易に把握できるようにしました。
例えば、架空の掛売上の取り消しを掛仕入経由で行っていた場合、当機能を使用することにより売り上げと仕入れが同一取引先に発生していることを容易に確認できるため、不正の発見が期待できます。
なお、「現地取引先別の取引内容の確認」機能では「取引先ごとに全ての仕訳を集約して表示」→「仕訳を貸借の勘定科目の組み合わせごとに集約して表示」→「個々の仕訳を表示」の3段階に分けてドリルダウンし、チェックすることが可能です。
TKCは今後もOBMの導入を通じて、日本企業の海外展開を支援してまいります。
※OBMの詳細はこちら→ https://www.tkc.jp/consolidate/sp/obm/
〈 導入実績 〉
■特許概要
(1)発明の名称 内部監査支援装置、方法、及びプログラム
(2)登録番号 特許第7052135号
(3)取得日 令和4年4月1日
【ご参考】
■「海外ビジネスモニター」(OBM)について(https://www.tkc.jp/consolidate/sp/obm/)
OBMは、海外に進出している日系企業(海外子会社)の財務状況を日本の親会社が「見える化」できるクラウドサービスです。
海外子会社が現地の会計システムから切り出した仕訳情報を弊社データセンター(TISC)にアップロードすると、会計データが親会社の勘定科目体系に組み替えられ表示されます。会計データは日本語または英語に自動翻訳され、親会社は海外子会社の最新の財務状況を適時かつ正確に把握することができます。さらに「内部監査支援機能」(特許取得済み)により、ミスや不正の発見・牽制にも役立ちます。
こうした機能が評価され、当システムの利用企業数は累計1200社(世界37カ国)を突破しました。