micro-ROS × ESP32-S3マイコンボードの組み込み開発向け教材を発売

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株式会社アールティ(東京都千代田区、代表取締役 中川友紀子、以下アールティ)は、ロボット用ミドルウェアROS 2をマイコンで動かすためのフレームワーク「micro-ROS」の開発を促進するため、アールティの組み込み学習ロボットに対応したESP32-S3マイコンボードとmicro-ROSの教材を2023年6月に発売します(本日より予約受付開始)。
また、2023年5月14日(日)にBRIDGE TERMINAL(ソニーシティ大崎)で開催されるROSユーザのイベント「ROS Japan UG #50 ROS Robot Party!」の会場にて、実機展示を行います。

┃開発の背景

ロボットの研究開発用に生まれたオープンソースミドルウェア「ROS(Robot Operating System)」は、世界中でデファクトスタンダードとなり、近年はより製品化・実用化に適したROS 2へ移行しています。

さらにマイコンでROS 2を動かすためのフレームワーク「micro-ROS」も登場し、OS搭載のロボットだけでなく小型センサなどの組み込み機器でもROSを使った制御やデータの可視化が可能となりました。

ROS対応ロボットの導入が進められている物流・産業分野以外に、IoT分野など様々な分野への応用が期待されています。

現在micro-ROSがサポートするマイコンは多数あります。

一方で、環境構築や開発に関わる日本語のコンテンツはまだ少なく、加えて搭載するハードウェアも1から設計・製作するとなると開発ハードルが高くなります。

そこでアールティはより多くの方がmicro-ROSの開発に取り組みやすくなるよう、自社の組み込み学習ロボットキットPi:Co Classic3(ピーコクラシックスリー)に搭載可能なESP32-S3マイコンボードと、同ボードを使って組み込みロボット・micro-ROS開発の基礎が学べる教材を開発しました。

「Pi:Co Classic3 オプションキット No.1 [ESP32-S3マイコンボード](以下、本製品)」として、RT ROBOT SHOP、Amazonで販売予定です(予約受付はRT ROBOT SHOPのみ)。

┃製品概要

本製品はEspressif Systems社のWi-Fiモジュール「ESP32-S3-WROOM-1」を採用したマイコンボードです。

Pi:Co Classic3の標準搭載CPU基板(RX631搭載CPUボード)と互換性があり、交換して使用します。

環境構築や動作確認、micro-ROSでの開発をスムーズに始めていただくためのコンテンツとして、日本語のインストールマニュアルと、動作確認・迷路走行・micro-ROSを使ったセンサ値可視化などのArduinoサンプルスケッチ、さらにスケッチを日本語で解説した入門テキストをご用意しています。

これらを参考に、組み込みロボット開発の基礎(環境構築、センシング、制御など)や、micro-ROSを使った可視化ツールの活用方法まで一貫して学習することができます。

インストールマニュアルとサンプルスケッチは無料公開のためどなたでもご覧いただけます。

入門テキストは本製品の購入者限定コンテンツです。

複数購入の方や、無料公開のコンテンツのみを研究開発等で使用されたい方向けに、入門テキストなしver.も販売します。

製品仕様やサンプルスケッチの内容、価格など、詳細はページ下部をご覧ください。

micro-ROS開発画面例micro-ROS開発画面例

インストールマニュアルのイメージインストールマニュアルのイメージ

┃ROS Japan UG #50 ROS Robot Party!会場で実機展示

ROSユーザのイベント「ROS Japan UG #50 ROS Robot Party!」の会場に出展し、本製品の実機展示を行います。会場限定で入門テキストの全編を試読いただけます。

日時:2023年5月14日(日)13:00〜17:30

場所:BRIDGE TERMINAL(ソニーシティ大崎)

HP:https://rosjp.connpass.com/event/279433/

※来場には事前申込が必要です。受付は終了しています。

┃今後の展開

micro-ROSは移植性の高さや軽量、省メモリな動作などが特徴で、搭載できるハードウェアの可能性が広がることで、省電力・低コストのシステムや、リアルタイム性を重視した環境でROS 2を活用できるようになるメリットがありますが、まだROSユーザの中でも使用者は多くなく、これから注目され、IoTなどロボット業界以外からも関心を集めていく分野だと考えています。

今後は業界のニーズに応じて、本製品の教材の充実や、本製品を使用したハンズオンセミナーの実施を検討しています。

アールティには「Life with Robot(ロボットのいるくらし)の実現」のために、ロボットを作る人、ロボットを使う人を増やしたいというミッションがあります。AIやロボットをこれから学びたい、業務に活用したいユーザのために、ROS/ROS 2を学べる幅広い教材、ツール、ロボットを今後も提供して参ります。

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┃製品情報

製品名

Pi:Co Classic3 オプションキット No.1 [ESP32-S3マイコンボード]

発売日

2023年6月

※日付が決定次第HP、SNSにてお知らせ予定

価格

11,550円(税込)

※テキストなしは9,900円(税込)

関連URL

予約ページ(RT ROBOT SHOP)

https://rt-net.jp/shop-pico-op1-esp32s3

テキストなし予約ページ(RT ROBOT SHOP)

https://rt-net.jp/shop-pico-op1-esp32s3-n

仕様表

入力電源(定格電圧)

ピンヘッダからの供給:3.3V±10% 200mA以上

USBコネクタからの供給:5V±10%

CPU

Espressif Systems ESP32-S3-WROOM-1-N16R8

動作周波数

240MHz

ROM

384kByte

SRAM

512kByte

SPI Flashメモリ

16MByte

PSRAM

8MByte

書き込み

USB

寸法

34x37x14mm

重量

10g

スイッチ

起動モード切替スイッチ

ボタン

リセットボタン

JP1パッド

JP1パッドをショートするとUSB電源から生成した3.3VをESP32-S3に供給します。

※ショート後は本製品をPi:Co Classic3に取り付けられません

┃Arduinoサンプルスケッチ詳細

Pi:Co Classic3購入時に付属するC/C++のサンプルプログラムと同様の内容に加え、micro-ROSを使用したセンサ値の取得、可視化などを行えるサンプルです。

マイクロマウス競技の迷路走行も行うことができます。

<Pi:Co Classic3を動かすArduinoスケッチ>

・LEDを点滅させる

・スイッチを押してLEDを点灯させる

・ブザーでドレミを鳴らす

・壁センサの値をシリアル通信で確認する

・モータで直進走行する

・モータで旋回走行する

・P制御で壁に沿って走行する

・マイクロマウス迷路を走行する

<micro-ROSを使用するArduinoスケッチ>

・キーボードでPi:Co Classic3を操縦する

・RViz2に上のPi:Co Classic3を3D表示する

・壁センサ値とバッテリー電圧をrqtでグラフ化する

・マイクロマウス迷路を走行しながらRViz2に走行経路を表示する

壁センサ値とバッテリー電圧をrqtでグラフ化壁センサ値とバッテリー電圧をrqtでグラフ化

迷路を走行しながらRViz2で走行経路を可視化迷路を走行しながらRViz2で走行経路を可視化

┃Pi:Co Classic3 製品概要

組み込み学習・マイクロマウス学習向けの移動ロボットキットです。はんだ付け・組み立てから迷路解析までを通じて、人工知能・マイコン・メカ・電気など、ロボット製作の基礎を幅広く学ぶことができます。

全ての部品が組み立て工程ごとに個装されており、用語解説付きの丁寧なマニュアルで順を追って組み立て、プログラミングができる教材となっているため、ロボット初心者の学習・研修や、企業のリカレント教育にもお使いいただいています。

マイクロマウス競技のクラシックサイズ規格に準拠し、大会出場も可能です。

製品ページ:https://rt-net.jp/products/pico-classic3/

※マイクロマウスは、公益財団法人ニューテクノロジー振興財団の登録商標です。

┃株式会社アールティについて
「Life with Robot-ロボットのいるくらし-」の実現を目指して、最先端のAI&Roboticsにおける技術開発に挑戦し、AI・サービスロボット分野での高度人材育成から、教育・サービスロボットの自社開発、受託開発まで幅広い事業展開をしています。
近年はサービスロボットの教育や受託開発で培った技術やノウハウを活かし、食品工場で人手不足を解消するための協働ロボットや、工場向けのAIビジョンシステム、製造ラインなどの開発にも力を入れています。

会社名:株式会社アールティ
代表者:代表取締役 中川友紀子
設立日:2005年9月
事業内容:ロボット及び人工知能に関する教育事業、自社開発事業、受託開発事業など

■HP
https://rt-net.jp/

■Facebook
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■Twitter
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