1.背景と目的
2019年6月、岡崎市とNTT西日本はスマートシティ実現に向けた連携協定を締結し、人流データ等のまちのデータを活用した実証実験や実現性検証等を通じて、楽しい・快適・安全なウォーカブルでスマートなまちの実現に向け、連携して取り組んでまいりました。
本事業に関しては、2022年3月の岡崎スマートコミュニティ推進協議会の年次総会において、庁内組織横断で課題整理し事業アイデア招請を行った渋滞・交通・脱炭素・観光・都市再生などのテーマ毎課題の一つとして、2023年大河ドラマ館開館に伴う来街者の増加による混雑発生の懸念が岡崎市より提起されました。そうした経緯の中、本事業に繋がるアイデアを提示し、更に事業者間で融合した企画ブラッシュアップにより、本事業の成型に至りました。
本事業では大河ドラマ館へのアクセス促進・利便性向上と付近の交通渋滞緩和の打ち手として、東岡崎駅から大河ドラマ館への移動に、次世代パーソナルモビリティ「C+walk(シーウォーク)※」をご利用いただくことで、来街者および住民の移動の快適さや利便性について検証しました。
※ 「C+walk(シーウォーク)」はトヨタ自動車株式会社の商標登録商品です
2.概要
次世代パーソナルモビリティC+walk5台を活用し、東岡崎駅から大河ドラマ館の約1.5㎞の快適移動支援として、オンライン予約・決済、貸出、返却の実証を行いました。
・ 実施時期:2022年11月23日(水・祝)~2023年2月12日(日) 10:00~17:00
※上記期間における土日祝のみ、12月31日(土)を除く
・ 実施場所
貸出:乙川左岸河川敷船着場(東岡崎舟着場)
返却:伊賀川左岸河川敷船着場(岡崎城の西側)
・ 貸出台数:5台
図1 本事業におけるC+walkおよびデータ利用の流れ
3.本事業における役割分担
・ 岡崎市:全体総括
・ NTT西日本:事業構築、データ分析、効果測定
・ テルウェル西日本:事業統括、進捗管理、事業調整
・ ツツイエンターテイメント:現場管理
4.得られた成果
快適さや利便性の観点では、全体を通じて318回の利用があり、約95%の利用者から非日常感覚を味わえる次世代パーソナルモビリティとして高い評価を得られました。
混雑緩和の観点では、大河ドラマ館は、開設から1カ月で来館者数約5万人にのぼり、大きな賑わいが発生していますが、すいすい岡崎ナビサイト(https://suisui-okazaki.jp/)で配信しているリアルタイム混雑情報のデータ(図2)を用いて、同程度の混雑状況であったイベント開催日と比較してみると、1時間当たりの混雑アラート発出回数は同水準である一方、激しい混雑を検知した“混雑した”アラートの発出回数が減少しました。以上のように、岡崎市によって実施された混雑緩和に向けた施策の一つとして、大きな混雑の回避に繋がっているとの前向きな成果が得られました。
図2 すいすい岡崎ナビサイトによるリアルタイム混雑情報
5.今後の展開について
今後は、2023年7月に改正道路交通法の施行による規制緩和に伴う動向も踏まえながら、将来的にはひとびとが最適な移動手段をスマートに選択できる未来に向けて、弊社としても、本事業のような次世代パーソナルモビリティの活用など、社会を支える多様なサービスの実装に向けてご支援・伴走してまいります。
以上