理化学研究所
計算科学研究センター
[スーパーコンピュータ「富岳」インタビュー]
理化学研究所(理研)計算科学研究センター(R-CCS、兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-26)は、2023年1月24日(火)、シンポジウム「『富岳』EXPANDS~可能性を拡張する~」を開催しました。
イベント終了後、「富岳」の総責任者である計算科学研究センター センター長・松岡 聡とパネルディスカッションでモデレーターを務めたクロサカタツヤ氏による振り返り対談が行われ、その様子が「FINDERS」に掲載されましたので、ぜひご覧ください。
スーパーコンピュータ「富岳」を「日本を変えるプラットフォーム」にするために行われる大変化 「富岳」EXPANDS振り返り対談(前編)
https://finders.me/articles.php?id=3590
■イベントの主な内容
シンポジウムでは、シミュレーション・ビッグデータ・AIの融合による高度なデジタルツインの実現を目指す各分野の最先端研究や今後の展望を紹介するセッションおよびパネルディスカッションが行われ、「富岳」や今後のHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)が想像を超えたイノベーションを生み出し、日本社会を牽引していくために何が必要かを議論する内容となりました。また、「富岳」の成果となるArm for HPC用のシステムソフトやアプリなどシステム、デジタルツインを実現するサイエンスやソリューション全体が広く社会に定着し、活用されるための取り組みの第一歩として「富岳」上のアプリケーションをクラウド上でほぼそのまま効率的に実行するための「バーチャル『富岳』」構想が発表されました。
■イベント情報
- タイトル:「富岳」EXPANDS ~可能性を拡張する~
- 開催日時:2023年1月24日(火)13:00~17:05
- 開催場所:TKP東京駅大手町カンファレンスセンター 22階 ホールG
- 主催:国立研究開発法人理化学研究所計算科学研究センター
- 後援:文部科学省、デジタル庁、日本経済団体連合会、経済同友会、HPCIコンソーシアム、スーパーコンピューティング技術産業応用協議会、計算科学振興財団、高度情報科学技術研究機構
- 「富岳」EXPANDS 特設サイト https://www.r-ccs.riken.jp/sympo/fugaku-expands2023/
■プログラム
13:05|開会挨拶・開催趣旨説明
- 松岡 聡 / 理化学研究所計算科学研究センター センター長
13:15|基調講演:AI✕「富岳」✕デジタルツインの未来予想図
- NVIDIAの先端技術とデジタルツインのビックバン 大崎 真孝 氏/ NVIDIA日本代表兼米国本社副社長
14:10|講演|「富岳」NOW:「富岳」を活用した研究の現状と今後の展望
- 「富岳」の時代のHPCの産業応用と今後の展開 加藤 千幸 氏 / 東京大学生産技術研究所革新的シミュレーション研究センター センター長・教授
- シミュレーションとデータの融合について- 地震を例に – 市村 強 氏 / 東京大学地震研究所附属計算地球科学研究センター センター長・教授
- 「富岳」が拓く創薬DXの未来 奥野 恭史 / 理化学研究所計算科学研究センターHPC/AI 駆動型医薬プラットフォーム部⾨ 部門長、京都大学 大学院医学研究科 教授
- 大規模サプライチェーンのデジタルツイン実現への取り組み 井上 寛康 氏 / 兵庫県立大学大学院情報科学研究科 教授、理化学研究所計算科学研究センター 客員主管研究員、科学技術振興機構 さきがけ研究員
- シミュレーションとインフォマティクスによる新材料設計・探索 中嶋 隆人 / 理化学研究所計算科学研究センター量子系分子科学研究チーム チームリーダー
16:00|パネルディスカッション|「富岳」EXPANDS:将来の「ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)がインフラとなる社会」を見据えて
- 臼井 宏典 氏/ プラナスソリューションズ株式会社 代表取締役社長
- 村上 敬亮 氏/ デジタル庁統括官 国民向けサービスグループ グループ長
- 松岡 聡/ 理化学研究所計算科学研究センター センター長
- クロサカ タツヤ 氏/ 株式会社 企(くわだて) 代表取締役 【モデレータ】
17:00|まとめ
- 松岡 聡 / 理化学研究所計算科学研究センター センター長
- クロサカ タツヤ 氏 / 株式会社 企(くわだて) 代表取締役 【モデレータ】
■補足説明
[1] スーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」
文部科学省が推進する革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の中核システムとして、理化学研究所と富士通株式会社が共同開発し、2021年3月に共用を開始したスーパーコンピュータ。2020年代に、社会的・科学的課題の解決で日本の成長に貢献し、世界をリードする成果を生み出すことを目的とし、現在、総合力において世界最高レベルのスーパーコンピュータとして、日本が目指すSociety 5.0を実現するために不可欠なHPCインフラとして活用されている。
[2] SDGs
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている(外務省HPから一部改変転載)。
[3] Society 5.0
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。IoT(Internet of Things)、ロボット、AI(人工知能)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会の実現を目指すこととしている。[MH4]
■問い合わせ
<メディア・取材に関する問い合わせ>
理化学研究所 計算科学研究推進室(広報グループ)
E-mail:r-ccs-koho[at]ml.riken.jp
※上記の[at]は@に置き換えてください。